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日本経済を抑え込んできた財務省と日銀の大罪…元ドイツ証券副会長「“玉木政権”誕生なら日経平均5万円はすぐに突破する」

(c) AdobeStock

 経済や投資に関する多数の著書を持ち、みんかぶマガジンでもご執筆いただいている株式会社武者リサーチ代表で元ドイツ証券副会長の武者陵司氏。これまで日経平均株価の推移などを見事に言い当ててきた武者氏の発言に注目する個人投資家は少なくない。

 そんな武者氏に、アメリカのトランプ政権の政策や日本経済の展望、さらには今後の日経平均株価の行方などについて幅広く話を伺った。短期連載全3回の第3回。

目次

日本経済を抑え込んできた財務省と日銀

——実質賃金が低迷していることについてはどうお考えですか?

 日本の実質消費のピークは2014年の消費税増税直前です。それから10年経っても消費は全く増えていません。経済が成長し株価も3倍以上になったにもかかわらず、消費が増えていないのです。

 この原因は財務省と日銀にあります。彼らは日本に重い負担を背負わせました。消費税の増税に加え、社会保険料も上げ続けてきました。国民負担率は2011年の38%から2022年には48%と、10年で10%も上昇しました。

 一方でインフレによって企業は儲かり、税収も増えています。インフレの中でダメージを受けているのは国民だけです。このような経済を操っているのが財務省と日銀、そして緊縮派的な政治家たちです。

 いま日銀は利上げを検討していますが、これは間違いです。エネルギーと食料品の価格が上がっているだけで、賃金は実質ベースでマイナスです。つまり本当の意味でのコアコアは増えていない、2%インフレなんて行っていないのに、利上げを進めるのはふざけた話です。

 税収も大幅に増えており、昨年は72兆円、今年はおそらく80兆円を超えるでしょう。そうすると、6兆円、7兆円の減税をやっても、税収は減らないんですよ。こんな状況で「財源がない」という議論はおかしい。

 高度成長期の日本は常に減税を行ってきました。それはインフレで税収が増えれば、増えた税収を減税で返さないと、税金の取り過ぎになって経済のバランスが崩れるからです。そして今はまさにそういう状況なんですよ。ですから、財源論の議論が出てくるような状況では全然ない。

「玉木政権」誕生なら株価は大きく上昇する可能性

——このような状況で政治の変化はあり得るのでしょうか?

 トランプ政策の影響で、日銀も財務省も緊縮路線を棚上げせざるを得なくなるでしょう。次の参議院選挙でこれが争点となり、もし自民党が大敗して例えば玉木雄一郎政権のようなものができれば、株価は大きく上昇するでしょう。そうなれば日経平均5万円はすぐに行くはずです。

 私も、どのような局面でも減税がいいとか、財政再建は必要ないとは言いませんけど、今の日本の状況っていうのはいびつなんですよ。企業と税収だけが良くて、消費が著しく抑え込まれているアンバランスがあります。これを変える政策を実現する政権ができれば、マーケットは大きく評価するでしょう。

——玉木政権が誕生したら日経平均株価5万円に達するだろうとのことですが、それは誰が買うのでしょうか?

 みんな買います。政権の姿勢が変わるだけで株価は簡単に2〜3割変わることがあります。例えばドイツでは、経済的に苦境にある中でも株価が上昇しています。これは緊縮財政から転換し、防衛費などの支出を増やす政策変更が好感されているからです。日本でも同じことが起こり得ます。

「日本が世界で最も良くなる30年」が始まる

——暗いニュースが多い中で、日本経済について明るい展望をお持ちですね。

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この記事の著者
武者陵司

株式会社 武者リサーチ代表。1973年 横浜国立大学経済学部卒業後、大和証券に入社。1988年大和総研アメリカでチーフアナリストとして米国のマクロ・ミクロ市場を調査。1997年ドイツ証券調査部長兼チーフストラテジスト。2005年ドイツ証券副会長を経て、2009年 株式会社武者リサーチを設立。2021年9月までドイツ証券株式会社アドバイザーを務める。『日経平均は4万円になる!』(宝島社新書)など著書多数。

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