参政党の躍進は止まったか。トンデモ候補も当選した衆院選を振り返る…反ワク団体・神真都(やまと)Qメンバーや、エビデンスのほぼない民間療法を推進する人物も

2025年の参院選で多数の議席を獲得した参政党。先の衆院選でも期待されていたが、高市首相に支持者を飲み込まれたのか、結果はあまり奮わなかった。
参政党を長くウォッチしてきたライターの黒猫ドラネコ氏に、衆院選での参政党に感じた“違和感”について綴っていただいたーー。
みんかぶプレミアム特集「戦後・リベラルの終焉」第8回。
目次
予想以上に伸びなかった参政党
先の衆院選で参政党は15議席を獲得した。25年夏の参院選では話題の中心となって14議席を得て躍進したから、今回の衆院選でどこまで伸びるのかに注目が集まっていた。結果だけを見れば、公示前2議席からの15議席は健闘かもしれない。しかし事前予想や本人たちの目標では30議席以上とされていたから、その半分にとどまった。
高市旋風もあってか、参院選で目立った「今回ばかりは参政党」となっていた層は激減した。選挙の戦法として自民、中道に次ぐ190人を擁立して数を打って比例票を集めたが、小選挙区では全員が落選した。
キャッチフレーズ「I am JAPAN」は有権者に全く刺さらなかった
キャッチフレーズ「I am JAPAN」は有権者に全く刺さらなかった。参院選の時の「日本人ファースト」は物議を醸しながらも一部に大きく称賛されて耳目を集めたが、今回の「I am JAPAN」は支持者を除いて肯定的な意見がほぼなかった。発表会見で神谷代表が、「英文法の誤りはわざと」などと説明したが、そんな公式見解をアンチが聞き入れるはずもなく「中学生でも間違えない」とイジられまくり、支持者が「神谷さんがわざとだって言ってるから」と幼稚な擁護をする始末。
なんなら選挙期間中、候補者は「日本人ファースト」の方をアピールしていたから、本人達も新しいフレーズを気に入らなかったのだろう。
参院選の終盤では「ロシア製bot」が右派に味方した
参院選と決定的に違ったのがSNSの拡散力が影を潜めていたことだ。これについて神谷宗幣代表らは「何かが操作されているのでは」というお得意の陰謀論的な妄想を繰り広げた。何が起きていたのか。やや推察も混じるが答えはシンプルで「魔法が解けた」のである。
参院選の終盤で明らかになって問題となっていたのが、「ロシア製bot」だった。愛国心をたきつけて外国人差別を煽るようなSNS投稿が軒並みインプレッションを稼いだのは、反政府的な世論操作を狙った海外からの不正な介入によるものだった。こうした恣意的な誘導により「反左翼」勢やネトウヨ的な新規ファン、ふんわりした支持者が増え、参政党人気はネットで跳ね上がった。これを指摘されると参政党は「裏にロシアなんかいない」と怒りを表明していたが、彼らが意図的に何かをしたわけではないのだろう。ただ、主張とbotが噛み合った(目をつけられた)のだ。
このbotには、今回の衆院選までに対策がなされていた。つまり、変な装置が働かなくされ、参院選以前の状態に戻ったのだ。そもそも参政党を応援してきたアカウント群は党の候補者や支持者しか相互フォロー関係にないものがほとんど。肯定的な投稿を見つけて仲間内で拡散するから、リポスト数やいいね数は増えるが、その投稿に外部への影響力がないことは今のインプレッションを見れば明らかだ。それだけでなく、Xのアルゴリズムも日々変化している。今の状態が普通なのに、botの介入でバズりが続いたせいで、参政党はそれまでの自分達の勢いが本物だと勘違いして「衆院選は何かがおかしかった」と文句を垂れているのだった。