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圧倒的勝者・高市政権が仕掛ける通常国会の目玉は「国家情報局」創設法案!どんな法案なのか…警察主導を採用すべき3つの理由と、気になる公安調査庁の行方

 衆院選の圧勝で、高市政権が繰り出す新法案に対抗できる勢力はほぼいなくなった。そこで、通常国会で高市首相が仕掛けてくると言われているのが、「国家情報局」創設法案だ。どんな法案なのか、公安調査庁はどうなるかなど、気になる点について国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏が解説するーー。

 みんかぶプレミアム連載「渡瀬裕哉の常識革命」

目次

圧倒的勝者・高市政権を前に、野党の抵抗はむなしいものとなる

 衆議院選挙で圧倒的な高市旋風が発生したことで、高市政権の政策実現に向けた障害はほぼなくなった。自民単独で衆議院の3分の2議席を制した意味は大きく、参議院での野党の抵抗はむなしいものとなるだろう。

 ただし、今回の衆議院議員選挙では、中道改革連合の自爆で勝敗が決したため、今回の衆議院議員選挙は何が選挙争点になっていたのかも曖昧な状況だ。

通常国会の目玉は「国家情報局」創設法案

 したがって、今後は高市政権が実施しようとしている政策の中身に注目が集まることになる。高市政権が最も力を入れている政策が安全保障政策であり、そのうち特に人的なソフトなインフラ改革は注目に値する。

 今回の通常国会での目玉は何といっても「国家情報局」創設法案である。国家情報局は各省庁に分断されたインテリジェンス情報を一元的に扱う新組織であり、現状の内閣情報調査室を改組・強化する形で実現することになる。

 「国家情報局をどのような性質を持った組織にするか」。これは通常国会で大いに議論されるべきテーマであり、野党だけでなく、与党からも活発な議論が行われることが期待される。逆に言えば、この新設組織に関する適切な議論ができないイデオロギーに塗れた政党はもはや現実的な安全保障上の脅威が高まる時代においてお呼びではない(今回の国民の判断は、実際にそのような潜在的な危機感が反映された結果かもしれない。)。

国家情報局を構成する人材をどのように調達・配置・育成するか

 さて、そもそも内閣情報調査室の活動は一般の国民には馴染みがないものだ。組織図を見ると、国内、国際、経済、そして分析を行う部署に分かれている。その他にも衛星情報、テロ情報、カウンター・インテリジェンスなどを担う部門もある。インテリジェンス機関は国内情報・国外情報を扱う組織を分けるタイプとそれらを一元化して扱う組織とするタイプが存在するが、日本の場合は後者のスタイルとなっている。

 そのため、国家情報局を構成する人材をどのように調達・配置・育成するかは大きな問題だ。最終的には国家情報局のプロパーが育成されていくにしても、それは時間がかかるため、現状の厳しい国際情勢に対応できる人材がすぐに生まれるとは言い難い。

 したがって、いずれかの組織から適任者を選抜していくことになるが、筆者は警察こそがその役割に相応しいものと考える。公安調査庁、外務省、防衛省などはその特性に応じた役割を果たし、全体を支えていく構図となることが望ましい。

国家情報局を創設するにあたり、警察主導の体制を採用することには明確な合理性がある

 実際、国家情報局を創設するにあたり、警察主導の体制を採用することには明確な合理性がある。日本の治安維持体制は戦後一貫して警察を中心に構築されてきた。暴力団対策、過激派対策、スパイ防止、テロ対策など、国家安全保障に直結する領域の多くを警察が担い、その過程で全国規模の情報網、捜査権限、強制力、自治体警察との連携基盤を確立してきた。

 国家情報局が国内外の脅威に対して即応的かつ実効的に機能するためには、この既存の基盤を中核に据えることが最も現実的である。

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この記事の著者
渡瀬 裕哉

1981年生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。 早稲田大学公共政策研究所招聘研究員、事業創造大学院大学国際公共政策研究所上席研究員。機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。2016年トランプ大統領当選、2020年民主党による大統領・連邦上下両院勝利を正確に予測し、米国政治に関する分析力に定評がある。『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『2020年大統領選挙後の世界と日本 』(すばる舎)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか』(すばる舎)

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