総理復活待望論…やっぱり日本には菅義偉が必要だ! 安倍なき時代の羅針盤
口々に「安倍の意志を継ぐ」というが…
圧倒的存在感で派閥を率いた安倍元首相を失った矢先に、統一教会対応に追われ、ただひたらすら、世間の怒りという名の「暴風雨」にさらされている安倍派、清和研究会の面々は、今後、数年間、存在感を示すことはできないのではないか。
過去を振り返れば、現在の安倍派が、小泉政権時代に完膚なきまでに叩きのめした経世会(現・茂木派)は、日歯連ヤミ献金事件(2004年に発覚)を端緒に、岸田政権の誕生(2022年)まで主流派であることはできなかった。
これまで岸田政権は、昨年の総裁選、総選挙で掲げた主要政策の全てを放棄。迷走を始めたところに、安倍元首相が「保守の柱」を立てるとして、岸田首相を突き上げ、全面的に政策を飲ませた。韓国の反発も予想された佐渡金山の世界遺産登録への道筋や北京五輪での外交ボイコット、ロシアの侵攻に対するウクライナへの支持表明、憲法改正…。安倍元首相の主張に岸田首相は盲目的に従っていった。
今後も、事実上の決定権者である安倍元首相による院政が続くかに思われた矢先に、山上徹也容疑者による凶弾で、安倍元首相は帰らぬ人となってしまった。
自民党の議員は、口々に「安倍元首相の遺志を継ぐ」としているが、自民党のパワーバランスは、大きく崩れてしまった。岸田首相は、安倍元首相に政権を乗っ取られる形であったにせよ、せっかく迷走がなくなりつつあったタイミングで、また、元の迷走政権に戻りつつあるようだ。
『内閣・自民党合同葬』に着地させようとして失敗した岸田
まずは、検討ばかり繰り返して何も実行しない岸田首相が、安倍元首相の死後、顔つきが豹変して素晴らしい政治家になったとする意見を紹介しておこう。それらの意見の根拠は主に以下の2つだ。
1、安倍元首相の葬儀を「国葬」にしたこと
2、原発再稼働を年内に「最大9基」にしたこと
1つ目は、「内閣法制局」に検討させた結果、国の儀式の執行は、行政権に属することが法律上明確だと分かったためだ。2001年施行の内閣府設置法では、天皇陛下の即位に伴う「即位礼正殿の儀」などと同じ政府単独による国の儀式としてなら、閣議決定を根拠に国葬も可能であるということだ。自民党関係者はいう。