「やりたいことに目覚めた」大企業部長、早期退職で年収4分の1、非正規に…夢を目指した中高年の転職地獄

その日は突然やってくる。これまで身を粉にして組織に尽くしてきたのに、早期退職対象者になってしまった――。そうなった時あなたはとるべき選択は……。トイアンナ氏が解説する。
転職で成功する人と嘆く人の分岐点
就活で成功し、大企業に収まった。けれど、何か納得がいかない。もっと、やりたいことが人生にはあったはずだ。人間関係の調整に追われるよりも、やりがいを感じて働きたい。自社で今までに培ったスキルもある。
そうだ、転職しよう。
こんな気持ちをもとにして、転職を希望する中高年から相談をいただくことが増えた。エン・ジャパンの調査(『ミドルの転職』)による50~54歳の新規登録者数を見ると、50歳以上が全体の3割近くを占めている。早期退職制度を活用して、転職する人も多いからだろう。
こういった「夢を叶える転職」の中には、成功例も多数ある。私が知る限りでも、脱サラして起業し、業界トップ企業となるまで成長させたケースがある。彼は現在もバリバリ働いており、業界の第一人者となっている。別の50代社員は幹部社員としてベンチャー企業へ参画。そのまま提供するサービスの売却までこぎつけ、ストックオプションで悠々自適の引退生活を過ごしている。
だが、大半の転職者はそうではない。むしろ「辞めて損した」「こんなはずではなかった」と、嘆きの声をいただく方が多い。この人生の分岐は、どこで生まれているのだろうか。