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全マーケター必見!経済効果1168億円の大谷翔平に「安く」乗っかる裏ワザ…通常の10分の1の値段で“大谷広告”を出す方法を在ロス広告代理店CEOが暴露

 1シーズンでホームラン50本、50盗塁の「50-50」を達成するなど、毎年のように球界の歴史を塗り替えていく大谷翔平選手。 野球選手としての活躍もさることながら、その経済効果も桁違いだ。関西大学の宮本勝浩名誉教授が試算したところ、2024年における大谷選手の経済効果は1168億円にも上ったという。企業側もこの「大谷フィーバー」に乗っからない手はない。そこで、ロサンゼルス在住の広告代理店CEO岩瀬昌美氏に、大谷効果を狙って安く広告を出稿する「裏ワザ」を聞いたーー。

 みんかぶプレミアム特集「儲かるアメリカ」第1回。

目次

大谷が来る前はまったく人気がなかったエンゼルス

 私のもとにはよく「日本企業もしくは個人が、大谷翔平選手を使って安く宣伝効果を出す方法ってあるのですか?」と言うお問い合わせが日本から舞い込みます。ロサンゼルスで広告代理店を経営している事もあり、最近はMLBのスポンサーに関する問い合わせが増えました。

 広告代理店として初めて野球案件を受けたのは大谷翔平選手がMLBに挑戦する数年前です。ロサンゼルス・エンゼルスの本拠地であるエンゼンルスタジアムの外野壁に関するデザインオーダーでした。きっかけはこれまで付き合いがあったクライアントの事務所がエンゼルスタジアムの近くに引っ越したため。「地域貢献」の意味も含めスポンサーになりました。当然まだ、大谷選手がエンゼルスにくることなど当時は知る由もありません。

 当時、エンゼルスタジアムに広告を入れていた日本のクライアントはおそらくその1社。他の日系企業からしても「なぜそんな人気のないチームのスポンサーを…」と不思議がっていました。ご存じの通りロサンゼルスは二つのMLBチームがありますが、チーム人気は雲泥の差があります。ロサンゼルスっこからすれば、野球チームといえばドジャース。エンジェルスは正確にはアナハイムを本拠地にしており、ロスに近いだけです。その上、スター選手が集まるドジャースに比べると、エンゼルスの選手はいまいちぱっとしません。私の2人の息子も「ドジャースの試合は行くけど、エンゼルスはいい席でも敢えて見に行かない」と当時は言っており、とにかくエンゼルスは人気がない球団でした。

ドジャースのバックネット広告はおいくら

 その後大谷選手がエンゼルスに移籍することになり、チームにも日本スポンサーが増えました。しかしエンゼルスの人気がないがゆえ、年間スポンサー料は多分50万ドル(7500万円)も行っていなかったでしょう。大谷効果でスタジアムは日本人観光客が多く訪れました。しかし移籍当初は、大谷選手は日本で騒がれているほどの知名度はまだアメリカマーケットでは確率できていませんでした。地元ロスの現地メディアですらあまり大谷選手のことを話題にはしていませんでした。

 しかしその後大谷選手は信じられないほど活躍し、ロスにとどまらず全米での露出が増えてきました。今やMLBの顔といっても過言ではありません。そんな中で、地元紙LAタイムズでは早くから大谷選手のエンゼルスからドジャースへの移籍可能性について報じていました。私も移籍前の23年にみんかぶマガジンで「おそらく大谷はドジャースに移籍するだろう」という記事を書かせていいだきました。あの時から早1年。大谷の知名度はさらに上がりました。これは我々在米日本人にとっては嬉しい限りです。が、マーケターとしては頭の痛い話になりました。

 たとえば日本のクライアントからはバックネット広告についての問い合わせをいただきます。これは、バッターの後ろに位置し、試合中継ではよく映ります。大谷がホームランを打つとそのリプレイ映像がSNSで拡散されるので、とても人気なのです。こちらはエンゼルスの場合、バナー単体でも購入できます。これが日本の露出度の割には結構お得だったんですね。1週間で数百万円という価格帯です。

 ところがドジャースの場合は「パッケージディール」でないとオファーが出ません。

 どういうことか。バックネットだけでなく、スタジアムでのブース(ポップアップ屋台)、バブルヘッドなどのギブアウェイ(観客無料プレゼント)、バックドロップ(記者会見などのバックに置かれるロゴ入りスタンド)など、それら含めたパッケージ価格でしか広告を購入できません。その価格はエンジェルスの年間契約のおよそ10倍です。その上最低で4年といった複数年契約を求められるのだからすごいビジネスです。

ドジャースの「殿様商売」っぷりは、あの高級ブランドのやり方と似ている

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この記事の著者
岩瀬昌美

ロサンジェルスで日本企業の海外進出のサポートを行うマルチカルチュラル広告代理店「MIW Marketing and Consulting Group, Inc」 CEO/PRESIDENT。今年で創業20周年を迎える。在米30年。名古屋出身。カリフォルニア大学サンディエゴ校で学芸修士、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で経営学修士を取得。2017年 できるアメリカ人11の「仕事の習慣」 日経プレミアシリーズ 日本経済新聞出版社より出版。 2019年Shoku-Iku USA (非営利団体)設立。2012年より米国にて子ども向けクッキングクラスや記事の執筆で食育プロジェクトを推進。

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