松本人志、ビートたけし、明石家さんま「吉田豪のめちゃくちゃ売れる人の条件」…佐久間宣行「いい人であること説」に疑問

テレビや雑誌、メディアで長く活躍し続ける「売れる人」にはどんな特徴があるのだろうか。ひとつの意見として「いい人は売れる」というものが挙げられる。人当たりがよく、傾聴や共感力も高い…たしかに、マイナスになることは一切ない特徴だ。だが、数々の大物芸能人とも対峙してきたプロインタビュアー・吉田豪氏はそんな意見に疑問を唱える。みんかぶプレミアム特集「オールドメディアvsSNS」4回目はテレビで売れている人の特徴などについて記してくれた。
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「いい人」は“売れる条件”の一つ
これは佐久間(宣行)さんもよく言っていることなんですが、メディアで売れる人の共通点として「いい人であること」を挙げる人が多いんですよね。ただ、ボクとしてはそれがずっと疑問で「そうでもないぞ」と思ってます。だって、実際に売れている人を具体的に並べてみるとわかるじゃないですか(笑)。
たとえばお笑い界のトップにいたビートたけし、島田紳助、松本人志は、“圧倒的な能力者”だっただけで、「いい人」ってイメージは別にないですよ。明石家さんまはそれこそ町で突然蹴っ飛ばされても「ナイスキック!」と答えた逸話があるみたいに、その3人よりは圧倒的に懐も深いとは思うけれど、怒るよりはそっちのほうが面白いと考えているだけのことで、いい人と言うよりは笑いの悪魔に魂を売ったお笑い至上主義者という印象。欽ちゃん(萩本欽一)にしてもファミリー向けな笑いの人ではあるけれどいい人というエピソードは聞かないし、やっぱりお笑い至上主義者なんですよね。笑いのためなら他人の人権なんて無視できる人。
プロレスラーにしても、アントニオ猪木やジャイアント馬場がいい人なわけないでし、プロレス界でもトップクラスのいい人だと言われている藤波辰爾も、むしろ変わった人だと思うんですよ。邪気がない、無邪気な人は多いけれど、だからといっていい人なわけじゃない。橋本真也も相当無邪気ではあったけど、ちっともいい人ではなかったですから。
結局、いい人であることは「売れるための条件の一つ」でしかないと思うんですよ。圧倒的なトップならそんなものは関係ないし、同じぐらいのレベルの人が集まっていたら、その中からいい人を選ぶことになるってだけで。ほかにも「仕事がものすごいできる」とか「外見が良い」とか、ほかにも理由はあるはずなんです。品川庄司の品川さんの場合は、もともと圧倒的な能力で売れたけれど、一度仕事を失ってからいい人になろうとシフトしていったパターンだと思います。