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「グロースの時代に乗るには今が絶好のチャンス!」——井村助言ファンドのファンドマネージャー・川合直也が語る国内グロース株の潮目

本稿で紹介している個別銘柄:Synspective(290A)、Ridge-i(5572)

    2024年秋以降、日本のグロース市場が再び息を吹き返している。グロース指数は上昇基調へと転じ、個人投資家の間でもグロース株への関心が再燃してきた。しかし、この動きが一時的なリバウンドに過ぎないのか、それとも本格的な潮目の変化なのか。

 「井村助言ファンド」で話題沸騰のfundnoteにてファンドマネージャーを務め、国内中小型株・IPO市場のスペシャリストとして知られる川合直也氏に、グロース市場の現在地と今後の展望について話を聞いた。(2025年6月11日取材)

目次

4年間の逆風を経て、グロース市場は再び強気に転換

    川合氏は、現在のグロース市場について「基本的に強気で見ている」と語る。

「2020年のコロナバブル期には、SaaSやIT、スキル系ソフトウェアといったグロース銘柄が非常に高く評価されていました。PSR(株価売上高倍率)で評価されるような時代で、企業価値は極めて高水準に見積もられ、まさにグロース株が市場の主役でした。

    しかし、2021年以降は米国の利上げ開始を契機にバリュエーションが低下し、グロース市場は4年にわたり厳しい環境に晒されました。グロース指数が4年連続でマイナスリターンを記録するのは歴史的にも異例で、投資家心理にも大きな影響を与えました」

    ただし、川合氏は2024年秋以降にその潮目が明らかに変わり始めたと語る。

 「グロース市場は本来、金融政策と強い相関関係があります。過去を見ても、利下げ局面ではグロース株が上昇しやすい傾向があり、米国の利上げ終了・利下げ開始という流れは、グロース市場にとって非常にポジティブな要素です。これらの環境変化を踏まえ、今後2〜3年はグロース市場が再び強気の局面に入る可能性が高いと見ています」

主要国の金利動向と市場への影響

 2024年秋からのグロース市場の好調は、米国の金融政策の転換が大きな背景となっている。

「2024年には米国で3回の利下げが実施され、2025年にも複数回の利下げが見込まれています。一方、日本では大幅な利上げ局面を経て、今後の利上げ回数は残り2回程度と予測されています。こうした金利環境の変化が、グロース市場に安心感を与えているのです」

 加えて、2024年8月5日に起きた「令和のブラックマンデー」と呼ばれる歴史的暴落が、市場の構造を変えたことも好転の要因として挙げられる。

“令和のブラックマンデー”で変わった投資家の行動と市場心理

 令和のブラックマンデーとは、日経平均株価が一日で4,451円も急落した2024年8月5日のことだ。これは過去最大規模の暴落であり、多くの投資家に大きな衝撃を与えた。

「この暴落後、グロース銘柄の動きが従来とは異なる様相を見せています。多少の悪決算でも買われる傾向が強まりました。相場全体に買い意欲が戻りつつあると感じます。おそらく、個人投資家の大量の信用買いが整理され、良質な資金が市場に入りやすくなったと見ています」

「このショックを境に、市場の資金循環や投資家の心理構造が変わりつつあります。今後も中長期的にグロース市場の成長が続くという見方に変わりはありません」

グロース市場を牽引する「スター銘柄」

 一方で、グロース市場全体の上昇を牽引するのは、依然として「スター銘柄」と呼ばれる大型グロース株だ。

「グロース市場全体としては上昇基調にありますが、実際には主要な“スター選手”が牽引している構図です。特に『グロース250』指数では、大型株の影響力が大きく、今年に入ってからの上昇も、実質的には2社が牽引している部分も大きいです。こうした大型銘柄はグロース250指数の構成比率が高く、それらの値動きが市場全体のパフォーマンスを大きく左右しています」

 この点は個人投資家がグロース株に向き合う際にも重要な視点だ。全体のトレンドを把握しつつ、主要大型銘柄の動きを注視することが勝利への鍵となる。

川合氏が注目しているテーマは「防衛・宇宙」

 

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この記事の著者
ちょる子

投資歴14年。平成生まれの兼業投資家。2児の母として育児をしながら億り人を達成し、現在の総資産額は2億円。『日経WOMAN』『ダイヤモンドZAI』、『日経マネー』、『日経電子版』、『日経モーニングプラス』など数多くのメディアに出演。(X:https://x.com/kabu_st0ck)

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