解散命令から3日で始まった「組織延命工作」……鈴木エイトが追う統一教会“新団体”の正体
連載「鈴木エイトが読む、日本社会の“静かな違和感”」。第4回は、解散命令決定の直後に着手された教団の「組織延命工作」を追う。メディアへの否定の裏で、新宿の関連財団を隠れ蓑にした新団体「FFWPU」への移行が画策されていた。一般財団法人という“法の死角”を利用し、解散後も献金収奪を継続しようとする組織の正体。登記簿の変遷と徹底した現場取材から、その姑息な生存戦略を解剖する。
目次
高裁の解散命令から3日で着手された“組織存続工作”
東京高裁が3月4日に改めて解散命令の判断を下した統一教会(元宗教法人・世界平和統一家庭連合)。その3日後、教団は既存のダミー財団法人を使って宗教活動を継続させようとしていた。
その一般財団法人にぶら下がる形で教団の法人名だった『世界平和統一家庭連合』の英語表記名『Family Federation for World Peace and Unification.』の略称『FFWPU』を団体名称にしようとしていたとの情報もある。4月7日にこの新団体に関する報道が出たのだが、教団サイドは否定している。不可解な新団体設立と謎の財団法人の登記情報から違和感を紐解いていきたい。
関連団体の登記情報目的欄に「宗教活動」の文字
順を追って見ていこう。教団の動きは早かった。3月4日の解散決定の3日後、3月7日に教団が所有する新宿5丁目の成約ビル4階に入る関連団体『一般財団法人 孝情教育文化財団』の登記情報の変更を申請した。
代表理事に宗教法人解散時の会長である堀正一氏が就き、「目的」の欄にあった「1 奨学事業」「2 各種団体への助成事業」「3 青少年育成事業」「4 青年学生寮の設置・運営「5 家庭教育支援事業 」「6 その他前各号に関連する事業」との6項目に加え、新たに3項目が加えられていた。
・被災地復興支援・社会貢献事業
・宗教界の和合統一と活性化のための支援事業
・儀式と教育を伴う宗教活動
これらは3月13日に登記された。般財団法人の登記情報を変更し、献金集めや伝道活動といった宗教活動を再開しようとしていることが判る。
渋谷の本部ビル封鎖を受け新宿5丁目に移管される「事実上の新拠点」
私は3月7日に成約ビルの現地調査を行った。ビルの郵便受けに「4F『一般財団法人・孝情教育文化財団』との表示があった。ビルには教団本部職員が出入りし、段ボール箱に入った書類を運び込んでいた現場を確認した。
3月9日に再調査を行った際は、成約ビル内で教団職員らが会議を行っていた。4階奥の事務所ドアには、統一教会系の「宗教新聞」を発行する『世界平和宗教連合』と『一般財団法人 孝情教育文化財団』の二つのマグネットプレートが「正面」「右奥」のプレートともに貼られており、同室に二つの事務所が併存していることが判った。
各教会や本部ビルが清算人によって立ち入り禁止となっていたため、渋谷の教団本部ビルではなく成約ビルが新たな拠点となる可能性を掴んでいた。