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同じ陣営に押し込まれた「創価学会と立正佼成会」の悲劇…理念を捨ててまで野党第一党に固執した、立憲民主党・小川代表の冷徹な「生存戦略」

 自公連立の解消と、立憲・公明による「中道改革連合」の誕生ーー。2025年から2026年にかけての日本政治は、戦後政治の枠組みを根底から揺さぶる構造変化の渦中にあった。保守化を強める自民党と、平和主義の看板を背負う公明党の決別。そして、宿敵であったはずの立憲民主党との合流。この一連の動乱の裏には、単なる政策の不一致を超えた、巨大宗教組織の存立をかけた生存戦略と冷徹な権力力学が潜んでいる。経済誌『プレジデント』元編集長で作家の小倉健一氏が、混迷を極める日本政治の深層を解き明かす。

 みんかぶプレミアム連載「小倉健一の新保守宣言」

目次

「高市政権」による保守化…自公連立26年の歴史的決別

 2025年から今年にかけての日本政治は、大きな転換点を迎えた。長く続いた自民党と公明党の連立体制が崩壊したのである。代わって誕生したのが、「中道改革連合」である。保守陣営の公明党が、リベラル勢力の立憲民主党と合流した事態は、日本の政治に根本的な変化をもたらした。

 事の始まりは、高市政権下の自民党が急速に保守化を進めたことにある。自民党内で急進的な保守層が力を持ち、平和主義を掲げる公明党との間で深い溝が生じた。自民党内部で非核三原則の見直しを求める声が上がったことは、公明党と創価学会にとって見過ごすことのできない脅威であった。

 公明党の斉藤鉄夫代表は、保守化路線に対抗する軸を形成するため、立憲民主党との連携を決断した。しかし、安全保障の根幹に関わる部分では深い溝を残したままの見切り発車であった。

小川淳也新体制に突きつけられた、旧公明議員団との「信頼再構築」という難題

 中道改革連合の最大の目玉は、小選挙区と比例代表の棲み分けによる戦略的な選挙協力にあった。公明党は小選挙区での候補者擁立を控え、比例代表に特化する。見返りに立憲民主党は比例代表の名簿で公明党系の候補者を上位で優遇する。反対に公明党は、創価学会の圧倒的な組織票を小選挙区で立憲民主党の候補者に投入する。接戦の選挙区において数万票単位で動く公明党の基礎票が立憲民主党に乗れば、強固な地盤を持つ自民党の候補をも打ち負かすことが可能になるという計算が働いていた。

 しかし、完璧に見えた選挙協力体制は、直後の衆議院選挙で有権者の厳しい審判を受ける。新体制に対する国民の認知不足や、両党の支持層間に生じた急激な反発などにより、選挙は惨敗に終わった。責任を取る形で野田佳彦氏と斉藤鉄夫氏は辞任を余儀なくされ、組織は結成早々に指導部不在の危機に陥った。新たな代表選挙では小川淳也氏が新代表に選出され、結成直後の躓きから党内を融和させ、旧公明党の議員団との信頼関係を再構築する課題を突きつけられた。

「野党第一党」の座をめぐる議会内利権と、第二党転落への恐怖

 選挙の惨敗を受け、中道改革連合が短期間で崩壊すると多くの人が予測していた。それでも両党が決別を選択しなかった最大の理由は、立憲民主党側が抱く野党第一党の座から転落することへの恐怖である。日本の国会運営において、野党第一党であることには極めて大きな利点がある。委員会のポスト配分、国会質問時間のシェアなど、第一党と第二党以下の間には越えられない壁が存在する。

 もし中道改革連合が分裂し、公明党が離脱した場合、国民民主党が野党第一党に躍り出る可能性が極めて高かった。立憲民主党にとっては、事態は何としても避けなければならないシナリオであった。そのため、小川新代表は就任直後の会見で、自らの支持層が反発することを覚悟の上で、平和安全法制の合憲という立場や原発再稼働の容認といった、従来の立憲民主党の理念とは相反する基本政策を踏襲する考えを明確に表明した。理想論を捨てて現実的な政策を志向する公明党を繋ぎ止めるための、苦渋の決断であったことだろう。

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この記事の著者
小倉健一

1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立。現在に至る。 Twitter :@ogurapunk、CONTACT : https://k-ogura.jp/contact

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