お金の不安から自由になるために・・・データサイエンティストが教える! 時間という資本を取り戻すためにすべき「4つのこと」

「億万長者でもお金の不安って消えてないんですよね」
そう語るのは、データサイエンティストの佐藤舞氏。著書『あっという間に人は死ぬから』で「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」自己啓発部門賞を受賞し、運営するYouTubeチャンネル「謎解き統計学」の登録者は40万人を超える。
データを武器に統計学を語る佐藤氏が、経営者と接する中で目にしてきたのは、「桁違いの資産を持つ人ですら、お金の不安から解放されていない」という事実だった。資産運用に向き合い、それなりの蓄えを築いてきた人ほど、この「終わらない不安」に思い当たる節があるのではないだろうか。
今回は佐藤氏が、統計データと現場の観察から導き出した「お金と幸福度のリアルな関係」を解き明かす。全3回の最終回。
目次
急ぎの案件こそが「人生を奪っていく」
私たちが人生で持っている資本のなかで、唯一、誰にも平等に与えられ、そして決して増やすことができないものがあります。それが「時間」です。
お金は稼ぐことで増やせます。健康も、努力次第で改善できます。人脈も、行動すれば広がっていきます。しかし時間だけは、どんなに優秀な人でも、どんなに資産を持っている人でも、1日24時間しか与えられていません。
お金の不安から自由になるためには、金融資本だけでなく、健康資本、社会関係資本、人的資本、文化教養資本といった、お金以外の資本を育てていくことが欠かせません。しかし、それらの資本を育てようにも、土台となる時間がなければ、何も始められないのです。
今回は、すべての資本の土台となる「時間」を、どうやって自分の手に取り戻すか。そして、死ぬ瞬間に後悔しないための、お金と時間の使い方についてお伝えしていきます。
時間という資本を取り戻す第一歩は、「緊急ではないが、人生にとって重要なこと」に、どれだけ意識を向けられるかにかかっています。
緊急性と重要性で日々の行動を分けると、私たちのやることは、次の四つに分かれます。
① 緊急かつ重要なこと
② 緊急ではないが重要なこと
③ 緊急だが重要ではないこと
④ 緊急でも重要でもないこと
このうち、①の緊急かつ重要なことには、誰もが自然と時間を割きます。締め切りのある仕事、子どもの送迎、急な対応。これらは放っておいても優先順位が上がっていくものです。
問題は、②の「緊急ではないが重要なこと」です。健康のための運動、長期的なスキルの習得、家族や大切な人との対話、自分の興味を深める読書や旅行。どれも人生にじわじわと響いてくるものですが、急ぎではないので、つい後回しになりがちです。
この②に、どれだけ意識的に時間を当てていけるか。ここに、幸福度を高められるかどうかの分かれ目があるのです。
カレンダーに旅行の予定を入れろ
では、こういった「自分のための時間」をどうやって確保するのか。
試しに、1日のタイムスケジュールを詳細に書き出してみてください。起床、通勤、業務、会議、食事、入浴、就寝。それぞれにかかる時間を並べてみると、自分が本当に自由に使える時間は、実質1〜2時間しかないことに気づくはずです。
たった1〜2時間しかない貴重な時間を、その時々の気分や、空いた隙間に委ねていては、いつまで経っても②に手が回りません。だからこそ、先にカレンダーをブロックしてしまう必要があるのです。
私自身が実践しているのが、カレンダーに先取りで予定を入れてしまう方法です。
私の場合、2ヶ月に1回、可能であれば月に1回、旅行の予定を前もってGoogleカレンダーに入れています。しかも3〜4ヶ月先の予定を、先にスケジュールに入れてしまうのです。次の月はどこに行こうか、その次の月はどこに行こうか、と考えながら、未来の自分の時間をブロックしていきます。
週末に楽しい旅行が待っていると思うと、その前の仕事を終わらせようというモチベーションが自然と湧くのです。締め切りが手前にあることで、メリハリが生まれ、結果として仕事の生産性まで上がりました。
時間が空いたらやろう、という発想では、こうした予定は永遠に実行されません。先にカレンダーをブロックして、その時間を死守する。これくらい強制力を持たせて、ようやく自由時間は確保できるのです。