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共同親権で激増する離婚トラブル。焦って決着をつける女性が陥る“養育費”の大きな後悔

 離婚が長引けば長引くほど、経済的に消耗していく——そう思っている女性は多い。しかし実態はその逆になることがある。

 離婚で損をしない女性になるために、長期化案件の経済的な構造、養育費の現実、親子交流の揉めどころまで、弁護士法人かがりび綜合法律事務所の代表・野条健人弁護士が現場の実感をもとに語る。全3回の第3回

みんかぶマガジン連載「絶対に損はしたくない!泥沼離婚のマネー戦略」

目次

3年かかった離婚案件。それでも依頼者が経済的に追い詰められなかったわけ

Q:争いが長期に及んだ場合、費用面での負担はどうなるんでしょうか?

「長引けばその分弁護士費用はかかります。ただ、モラハラ夫というのはプライドが高くて損したくない人が多いので、意外にきっちり財産を持っていることが多い。婚姻費用は離婚が成立するまでのあいだ受け取れますが、夫の収入が高いほど金額も大きくなりますその生活費を受け取りながら裁判を続けられるので、長期化しても経済的に追い詰められにくい。最終的に財産分与でしっかり回収できれば、弁護士費用は十分カバーできることもある。むしろ長引くほどこちらが有利になるケースもあるんです」

Q:担当されてきた案件で、最も長期化したのはどれくらいですか?

「3年くらいですね。印象的だったのは、モラハラを受けていた方のケースです。子どもはいないのですが、表面上はLINEでとても仲良しに見えるため証拠がない。家に帰ってきたら急に怒って切れる、というのが繰り返されていた。調停・裁判と進めたものの離婚理由がないとなかなか勝てない。もう一度裁判しようとなった時点でようやく相手が『離婚します』と言い出した。そういう人って誰かに強制終了のボタンを押してもらうまで終わらないんですよ」

 モラハラ夫は「自分が正しい、絶対に負けない」という意識が強く、誰かに強制終了ボタンを押してもらうまで決着がつかない。それでも婚姻費用という継続的な収入を確保した上で戦い続けることで、経済的に追い詰められることなく離婚を成立させることができた。

共同親権で「激もめ案件がめちゃくちゃ増える」。弁護士が言い切る理由

Q:親子交流(面会交流)で揉めやすいポイントはどこですか?

「回数と頻度を決めるだけに見えますが、実際はそれだけで済まない。モラハラ夫だと、LINEが来るだけで動悸がするという方もいます。月1回会わせるとして、連絡をどうやって取るのか、場所はどこにするのか、誰かが付き添うのか。細かいことが全部決まっていないといけない。話し合いが成立しないから弁護士を入れるしかなくなって、弁護士費用がかさむというケースもあります」

Q:共同親権制度が始まりましたが、離婚の経済的コストにどう影響しますか?

「激揉めする案件がめちゃくちゃ増えると思います。モラハラ夫というのは自分の権利をゴリゴリ主張する人が多いので、共同親権を盾に、子どもへの関与を強めようとする人は多い。そうすると話し合いができない人と子どもの重要事項を一緒に決めなければならなくなる。もめればもめるだけ弁護士費用がかかる。裁判所もそういう事案は結局単独親権になっていくと思いますが、そこに至るまでに時間とお金がかかります」

 子どもに関わるお金のトラブルは、離婚後も長く続く可能性がある。離婚で損をしないために、子どもに関わる取り決めこそ慎重に専門家と詰めておくべき領域だ。

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この記事の著者
野条健人

弁護士法人かがりび綜合法律事務所代表弁護士。注力案件は離婚、不倫慰謝料請求する側/被請求側、不倫同士、男女トラブルなど。Instagram:https://www.instagram.com/kagaribi_law_offices/

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