投資信託を保有するなら身に付けたい!見ておくべき情報と成功のポイント【第16回】

日々投資の勉強をしてるN商事社員の福山 春雅(通称ハルちゃん)ですが、これから投資を続けていく中で、見ておいた方が良い情報とは何かについて、N商事特別顧問で元証券マンの瀬山(通称セーさん)に教えてもらいに来たようです。
目次
インデックスファンドに関する相場観はマクロを意識する

セーさん!お疲れ様です。またちょっと聞きたいことがあって来てしまいました。


どうしました?


将来に向けて投資経験を積んでいく必要があることは今までのお話しで分かったのですが、これから運用を続けていく中で、見ておいた方が良い情報とかってあったりしますか?


見ておいた方が良い情報ですか・・・なるほど。一般的な情報源としては、新聞やテレビのニュースなどがありますよね。


新聞は買っていますよ!主にテレビ欄を見ていますが。


・・・まぁそれは良いとして、新聞やテレビは毎日新しいことを言わないといけないので、企業の決算など短期的な情報がメインになりますよね。


たしかに毎日同じような内容だったら、誰も見ませんよね。


よく経済の要素として、マクロとミクロと言いますが、そういった短期の情報はミクロな情報が多いですよね。


個別の情報から見ていくのがミクロ、全体的な視点をマクロと以前教わりましたよね。


投資信託の運用手法にもマクロから入る運用方法であるトップダウンアプローチと業績が良くて成長力もあるが、それがまだ株価に反映されていない企業の株を買うボトムアップアプローチがあります。


なるほど。私の持っているインデックスファンドはどちらになるのでしょうか?


インデックスファンドは株式市場全体の動きを資産に反映させることが目的になりますから、見ておくべきはマクロですね。短期的な情報より長期的な動向を意識していった方が良いですね。

マクロ経済の動向を知るには金利を調べる

マクロの動向に関して、まずは現在の経済動向が上昇と下降のどちらに向かっているのかを考えるようにしていってもらいたいです。


上昇と下降ですか。それを考えるにあたって、見ておいた方が良い情報とかってあるんですか?


今は低すぎて変化が分かりにくい部分もありますが、1つには金利の変化を見ておくことですね。


金利ですか・・・。お金を借りたい人が多ければ金利は上がって、借りたい人が少なければ、金利は下がるんでしたっけ?


そうですね。お金を借りてでも投資したい人が多いということは好景気となり、逆は不景気となります。


じゃあ色々な銀行の金利をホームページでチェックしておけば良いんですね。


いえ、それは大変なので、中央銀行が一般の銀行に融資する際の金利である政策金利だけをチェックすれば良いです。


政策金利というものがあるんですか。銀行もお金を借りるんですね。


政策金利は専門家が景気動向を見て、景気が悪い時には刺激するために下げて、景気が上がると過熱しすぎないように上げます。


その政策金利というのはどこで決まるんですか?


日本の場合には日銀政策決定会合ですね。


ニュースとかでその名前は聞いたことある気がします。


アメリカならFOMC、欧州ならECBで決めています。政策金利は経済動向を知る為の重要な情報の1つになると思いますよ。


これからは注意してニュースを聞いてみます!

景気の方向性は長期金利を抑える

それから政策金利は主に短期の金利となり、どちらかといえば現在の経済動向を表しています。それに対し、先を予測しているのが長期金利となります。長期金利を確認すると、先の方向性を知ることができると思います。


短期金利と長期金利で分かる情報が違うんですね。長期金利はどうやって知ることができるんですか。


代表的な長期金利の指標としては10年国債の金利になります。


なるほど。政策金利と10年国債の金利をチェックしていきます!


日銀政策決定会合などは定期的に開催されて、どういった状態に持っていこうとしているかなどのコメントも発表しています。最初は少し難しい内容かもしれませんが、チェックしておいてもらいたいですね。今はFOMCの情報なども手に入りやすいので、そういった情報から今の景気の位置を確認するのが王道だと思います。


分かりました。頑張ってコメントも読んでみます。

過去の実績を見る時は経済の状況も一緒に見る

投資信託の価格の動きを見る時にも、合わせて金利の情報を見ると良いですね。金利を上げようとしている時の価格上昇と金利を下げようとしている時の価格上昇では意味合いが違うと思います。


金利を上げようとしている時は景気が過熱しているので、今上昇していても、その後下げる可能性もあるということですか?


そうですね。金利を上げようとしている時に上昇している銘柄を買うと、高値掴みになる可能性がありますね。


なるほど。じゃあ逆に金利を下げようとしている時に上昇している銘柄は、さらに上がる可能性があるんですね。


そうですね。このように経済の状況を確認できれば、先の見通しも立てやすくなります。


今の景気の位置が分かれば、先のことも見えてくるんですね。


全く同じ動きではありませんが、景気は過去を見ると必ず拡大と後退を繰り返しています。それが何年周期なのかは決まっていませんが、小さな波の時もあれば、大きな波で動く時があります。今はどういった波がきていて、波のどこにいるかを常に意識しておくと良いですね。

景気の下り坂を経験することで失敗しない投資家になる

それから、景気の下り坂を何度か経験していけば、その時にどういった商品を保有していれば良いかが分かってくると思います。


例えば以前教わった金関連ファンドを持っておくとか、現金比率を上げる銘柄を持っておくとかですかね。


そうですね。ただ、知識として持っていても、実際に自分で景気の下り坂を経験しておかないと乗り換えるタイミングなどは分かってこないと思います。


たしかに今の私だったら慌てているうちにタイミングを逃してしまいそうです。


今のうちに下り坂や暴落時の崖を経験をしておくことで、資産が貯まって活用するタイミングになった時に失敗しない投資家になっていると思います。


資産が貯まってきたら、下り坂や崖の影響も大きくなりますもんね。


そうですね。開始したばかりであれば、多少減っても貯めていく効果が大きいですから、まずはお金よりも経験を蓄えていきたいですね。

今後の成長性はまず現在の状況を把握する

景気の波に関して、日本国内や先進国でしたら情報が豊富なので把握しやすいですが、新興国はなかなか把握するのが難しいですね。


でも今の状況が分からなくても、まだ発展中の国だったら、もっと成長して儲かるかもって思っちゃいますよね。


そうですね。ついそう思ってしまうので、過去にも新興国投資は何度も流行っては廃れていきました。


過去に何度も新興国投資ブームがあったんですね。


そうですね。この新興国は日本でいえば昭和30年代にあたり、日本はそこから大きく伸びました。この国もこれから同じように伸びますよ、何ていうセールストークをよく聞きました。しかし、日本のような成長軌道はまれだと思います。


そうなんですね。日本はなぜそんなに伸びたのでしょう?


日本は元々先進国として力を持っていて、あくまで戦後の復興で成長したわけですから、新興国と同列にはできないと思います。


本当に今後安定して成長できるのか、現在の状況をしっかり把握しないといけないですね。


そうですね。政治が安定して、貧富の差が縮まらないと、安定した成長は望めません。本当にそういった国になっていけるかが分からなければ手を出さない方が良いと思います。

まとめ

長期積立をできる時間があるということは、知識を積み上げる時間もあるということです。一番身につくのは実際に体験することですから、投資を継続しつつ、先ほど言ったような金利や景気の動向にアンテナを張っていけば、資産が貯まった後に活きてくるはずです。


分かりました!今日教えて頂いたことをまとめますと・・・

- 市場全体の成長を資産に反映させるインデックスファンドを保有している場合はマクロ的な視点で経済動向を見る
- マクロ経済の1つの指標としては金利の情報がある
- 投資信託の実績を金利と合わせて見ることで、先の見通しが立てやすくなる
- 景気の波を体感することで、知識を蓄積していく

ありがとうございます。今日も勉強になりました。これから新聞はテレビ欄以外もしっかり読んでいきます。


そうですね。まぁでもテレビ欄にも今の世相は色々と反映されていますからね。たまには自分の見たい番組以外の内容をチェックしてみることで気付くこともあるかもしれませんよ。


なるほど。経済は色々なところでつながっているんですもんね。アンテナを張りまくって、情報通になっていきます。


まぁ自分の容量を超えないよう、無理をしない範囲で知識を蓄積していきましょう。


分かりました!
