羽生結弦は何だって本物だ、何だってガチ勢だ。私たちもまた、共にそうありたい…『RE_PRAY』に昇華したゲームミュージック・シーン

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やはり、羽生結弦の感性は遥か先にある。芸術家とは個人の記憶を、感性を疑わない
「僕の中で一番ゲームとして好きなのは、スーパーファミコンのゲームなんですけど『平成 新・鬼ヶ島』っていう凄くマイナーかもしんないですけど、たぶんわかんないかもしれないんですけど、そのゲームが僕の原点であり、そして『エストポリス伝記II』というやつがあるんですけど、それも僕の原点です。ぜひ伝えたい」
2022年2月14日、TBS『北京オリンピック 羽生結弦インタビュー&カーリング日本VS韓国』「フィギュアスケート以外のことを考える時間」のインタビューに答えたものだ。
その『エストポリス伝記II』が羽生結弦に多大な影響を与え、のちに『RE_PRAY』で昇華したことは周知の事実である。公開された「HANYU YUZUR『地上を救う者 エストポリス伝記Ⅱメドレー』from『→RE_PRAY←』」もまたその証左であり、私も埼玉公演のエンドロールで衝撃を受け、佐賀公演でより深く心に刻まれた。
やはり、羽生結弦の感性は遥か先にある。芸術家とは個人の記憶を、感性を疑わない。それがたとえ権威としての評価になくとも、大勢に知られているマスの上に成り立っていなくとも、優れた芸術家はそうした記憶を、感性を信じて自身の作品に意識的であれ、無意識であれ昇華する。
羽生結弦の選択そのものが芸術となる
それがゲームであっても、誰もが知るゲームでなくとも、羽生結弦の選択そのものが芸術となる。芸術の才能、とはこうしたものだ。