いらぬ雑音もまたあった。羽生結弦の抜けた競技会がどうだとか…それでも、Novaと歩く。「さあ、こい。世界に取り残された憎悪たち」

目次
羽生結弦の、アイスストーリー全体に込められたメッセージ
Novaと、ずっといたいと思った。
Novaと、ずっと旅をしたいと思った。
羽生結弦『Echoes of Life』千葉公演、千秋楽。
それも、終わりか。否――。
しばらく、佇む。
LaLa arena TOKYO-BAYを眺めて1時間とか、そこら。たまに浜町中央公園、傍にはNovaがいる。いるんだ。
時間が経ってからアリーナを出たのでそれほど人はいない。すでに屋外テントそれぞれで撤収作業が始まっている。
やがてたくさんのスタッフの方々が一斉に出てきた。夢の世界はこうした人によっても創られる。彼らもまた羽生結弦と共に歴史を、時代を創る一員だ。
それでもまだ、数人が私と同様にアリーナを振り返っている。みんなみんな、羽生結弦と共にある。誰にも、Novaがいる。いるんだ。
ふと、思う。
ひとりでは何もできない。
アイスストーリー全体に込められたメッセージとも、思う。
もう少しみんなといたい 一緒にいたいんだ
そう、あれは『GIFT』だったか
〈もう少しみんなといたい
一緒にいたいんだ
願いが叶うなら
もう少しみんなと飛びたい〉
そして『RE_PRAY』。
〈光の糸が、傍にある限り〉
Novaは、こうだ。
〈わたしは、一人じゃ、ない〉
大切に握りしめた手の中にある〈愛してる〉のように。
ひとりでなかったことを、思い出したように。
「Echoes of Life」=命の共鳴
『Echoes of Life』もまた、たくさんの「愛してる」があった。
この「愛してる」もアイスストーリーの根底にあるように思う。