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「すでに日本の領土は包囲された」安倍さんさえいれば…米中チキンレースで犠牲となる日本人

台湾は「極東のウクライナ」状態、中国による侵攻のリスク大

 2022年8月2日の深夜、米下院議長、ナンシー・ペロシ氏が訪台した。最大の問題は2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻したことで世界が変容してしまったことだ。国連安全保障理事会のメンバーが外交を支配し、結局のところ核兵器を保有する国が軍事を支配することが明らかになってしまった。

 ウクライナは安全保障同盟に加盟していない。そこで核保有国の侵略を抑止するのは「同盟」ということも明らかになった。だからこそスウェーデンとフィンランドは「中立」の立場を捨ててNATO(北大西洋条約機構)に加盟を申請したのである。

 1971年10月25日に国連のアルバニア決議で中国大陸の統治国が中華民国(台湾)から中華人民共和国(中国)に移った。このことで台湾は国連から脱退。多くの国から断交されることになってしまう。台湾は「極東のウクライナ」状態であり、中国の侵攻リスクは現実味を帯びていたのである。

 台湾が多くの国と関係を深化させることは、台湾の「脱ウクライナ状態」を意味する。そのことを嫌がった中国は、ペロシ氏訪台に先駆けて猛反発。2022年7月28日には、習近平国家主席がバイデン大統領と電話会談を行い、自らペロシ氏訪台に強く反対する立場を伝えた。

 ペロシ氏訪台同日の同年8月2日には、中国外務省が「中国の主権と領土保全を侵害した」とし、「中国はあらゆる必要な措置を必ず講じ、一切の結果はアメリカ側と『台湾独立』勢力に責任がある」と対抗措置を表明。しかしアメリカは中国からの圧力に屈することはなく、台湾当局も歓迎の態度を変えず、予定どおりの訪台が行われたのである。

ペロシ訪台により、日本の海上も実は封鎖された

 そして同月4日から、中国軍が台湾周辺での大規模な軍事演習を開始する。

 この演習の海域には日本の排他的経済水域(EEZ)が含まれていた。そして中国は、日本のEEZにミサイルを着弾させている。日本にとって最大の問題は、「台湾・与那国島が海上封鎖」されたことである。

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この記事の著者
渡邉哲也

作家・経済評論家。日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務し独立。複数の企業を経営、インターネット等での経済評論が話題となり、2008年8月リーマン破綻を予言した「ドル崩壊」(三橋貴明著)を監修、『本当にヤバイ!欧州経済』を発表、内外の政治経済のリサーチや分析に定評があり、政策立案の支援等幅広く活動、ベストセラー多数、著作は50作以上。

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