第5回 サンタクロースになれなくて(貯金ゼロの青木と20代のライフプラン)
※ FP=ファイナンシャルプランナー。 ※「みんかぶFP相談室」は実在しません。本記事の個人名、固有名詞などは全てフィクションです。
貯金がない社会人は意外と多いといいます。
一人暮らしをしている人の3人に1人は貯金がないとか。でも、いつまでも給料=お小遣い気分ではいられませんよね。
行動は今日から変えられますよ。
お金を貯める意識を持つことが、理想のライフプランの第一歩です。
【登場人物】
- 深瀬さん ………… みんかぶFP相談室の室長、アラフィフの女性
- 青木くん(Eさん)………… みんかぶFP相談室の助手、23歳男性 本日の相談者
- 若い女性A(美月)
- カップル
- 同僚の女性1(咲良)、2(悠花)
- 同僚の男性1
【Eさんのライフプラン】
- 結婚して家族を作りたい
【相談内容】
- 貯金がない
※ 今回はシナリオ形式で執筆しています。
SCENE 1 多摩地区の賃貸アパート・外観(朝)
―――柔らかい冬の日差し。古びているけど美観を保っているアパート。
SCENE 2 同・室内(朝)
―――窓に「MERRY X‘MAS」の文字やトナカイが曳くソリがスノースプレーで描かれている。若い女性Aがクリスマスツリーの飾り付けの真っ最中。鼻歌を歌っている(曲は「クリスマス・イブ/山下達郎」)。
SCENE 3 みんかぶFP相談室・深瀬のデスク(夕方)
―――時計は16時過ぎ。青木が応接セットから資料を運んでくる。深瀬、資料を片付ける。
深瀬「青木くん、クリスマスはどう過ごすの?」
青木「彼女とご飯を食べに行く予定すねー。ちなみにプレゼント用意してないっす。ご飯はごちそうするけど」
深瀬「なにそれ。『甲斐性なし!』って言われちゃうわよ」
青木「ぼく、甲斐性ないっすよ」
―――青木、意を決して
青木「深瀬さん、相談に乗ってほしいことがあるっす」
青木のモノローグ「黙っていることなんて、もうできない! ぼくはこの不安を深瀬さんに相談することに決めた」
深瀬「いいわよ。じゃあ、Eさんとお呼びしていい?」
青木「Eさん?」
深瀬「ちゃんと相談者のお話として聞かせてもらうわよ」
青木「(少し考えて)分かりました。ぼくは、今からEさんすね」
SCENE 4 同・応接セット(夕方)
―――2人、向かい合って座る。
Eさん「相談にくる人の話を聞いていたら、ぼくは今まで何にも考えずに生きてきたんだって気づいたんす。そしたら、どんどん不安になってきて。このままじゃダメだなって……実は…」
深瀬「?」
Eさん「……貯金がないんす」
深瀬「あら、そうなの」
Eさん「人生で貯金ってしたことないんです、ぼく!」
SCENE 5 銀座デパートの前(夕方)
―――クリスマスの装飾が輝くショーウィンドー。
SCENE 6 銀座デパートの店内・ジュエリー売り場(夕方)
―――若い女性A、デパートの制服がよく似合っている。レジで会計をしている。
字幕「浪費家のEさん」
SCENE 7 みんかぶFP相談室・応接セット(夕方)
―――深瀬、やっと白状したか、という顔で
深瀬「分かっていると思うけど、これはEさんに聞くのだから正直に答えてね」
Eさん「はい(きょとんとしている)」
深瀬「食事は外食や宅配が多いでしょ」
Eさん「はい」
深瀬「スマホのゲームなどへよく課金する」
Eさん「はい」
深瀬「用もないのにコンビニやスーパーに立ち寄ることが多い」
Eさん「毎日寄ってます…」
深瀬「クレジットカードで支払った金額を気にしていない」
Eさん「はい」
深瀬「買ったはいいものの、一度も着てない服がクローゼットに入っている」
Eさん「ど、どうしてわかるんすか!」
深瀬「Eさんは浪費家のお手本のような生活しているわね。このまま結婚したら苦労すると思うわ」
Eさん「……」
深瀬「分かる範囲でいいから書いてみなさい」
―――Eさんは青くなりながら家計状況シートを記入する。
【家計状況チェックシート】
【日常生活費の内訳】
住居費 食費 通信費その他 交際費 服飾費 | 80,000円 60,000円 20,000円 50,000円 彼女とのデート代 20,000円 |
計 | 230,000円 |
【理想のライフプラン】
◇ ◇ ◇
―――深瀬、シートを見て
深瀬「本社に戻ったら結婚するって言ってたわね」