第4回 知っているようで知らない!?「国家資格とは」
こんにちは。本当に稼げる資格とは何か、資産形成のための資格を考える「みんかぶ資格部」も気が付けば4回目を数えました。序盤では、あえて数の多い民間資格を深掘りし、中でも今日の業務において重視されることの多い情報処理分野について大きく取り上げました。
ところ変わって今回からフォーカスを当てるのは、「国家資格」です。“稼げる資格“というと真っ先に思い浮かべる人も多いであろうこのカテゴリーに、いくつかの観点からメスを入れます。
目次
国家資格とは
はじめに、「国家資格」のあらましについておさらいしましょう。文部科学省では、次のような言葉で定義されています。
“国家資格とは、国の法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識が判定され、特定の職業に従事すると証明される資格。法律によって一定の社会的地位が保証されるので、社会からの信頼性は高い。”
(出所:文部科学省「国家資格の概要について」)
改めて言葉にするとかえってピンと来ないかもしれませんが、この定義に当てはまるものが公的な資格として認められており、受験機会や認定・更新制度などが整えられています。自身が関わる分野や関心に応じて国家資格を捉える分にはさほど数が多くないように感じるかもしれませんが、全体数にするとなんと290ほどにも上るのです。加えてそれらは、職業や業務内容との結びつきなどにより、次の4つに分類されることをご存じでしょうか?
国家資格の4つの分類
(A)業務独占資格 | 弁護士、公認会計士、司法書士のように、有資格者以外が携わることを禁じられている業務を独占的に行うことができる資格。 |
(B)名称独占資格 | 管理栄養士、保育士など、有資格者以外はその名称を名乗ることを認められていない資格。 |
(C)設置義務資格 | 特定の事業を行う際に法律で設置が義務づけられている資格。 |
(D)技能検定 | 義務知識や技能などを評価するもの。 |
業務独占資格の場合、例えば「医師」なら医師法で「医師でなければ、医業をなしてはならない」などと明確に定められており、資格を持たない者が業務を行うと厳しい処罰が科せられます。
名称独占資格についても、資格を持たない者がそれを名乗ったり、紛らわしい名称を用いたりするだけでも処罰が科され得るとされています。ただし、資格がない状態で、例えば管理栄養士や保育士と同様の仕事をすることは禁止されていません。この点が「A」の業務独占資格と大きく異なる点です。
国家資格というと「A」のように職業そのものへ直結する資格を想像するかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
例えば「登録販売者」という資格は、薬剤師が不在でもドラッグストアや薬局などで鎮痛剤や風邪薬などの医薬品の販売を行うための、すなわち業務範囲を広げるための資格ですし、金属や機械、造園などに携わる人にとっては業務知識・技能の裏付けとなる「技能検定」は身近な存在のはずです。
すなわち仮に仕事を大きく変えずとも、収入や副業のチャンスにつながる国家資格は多く存在するのです。
国家資格取得のメリット
この連載をお読みいただいている皆さんの中には「国家資格は就職や転職に強い」というイメージを抱いている方も多いかもしれませんが、その背景として国家資格は次のようなメリットを持つことが挙げられます。