海外アクティビスト注目【最強日本株10】名物投資家「株価底上げ、目覚めの年」ハーバードビジネススクール卒業生の5割超が緊急訪日
本稿で紹介している銘柄:大日精化(4116)、杉本商事(9932)、高圧ガス(4097)、ユニオンツール(6278)、巴工業(6309)、アイチコーポレーション(6345)、鶴見製作所(6351)、テクノメディア(6678)、東京都競馬(9672)、アイホン(6718)、応用地質(9755)
プレミアム特集「日経平均4万円説!いつまで続くこの株高」第7回は名物投資家、木戸次郎氏がこの歴史的株高の背景と、海外アクティビストの暗闘をレポートする。ハーバードビジネススクール卒業生の実に55%が現在訪日しているというが、一体日本の株の何がそんなに魅力的なのか。【注目銘柄10】とともに解説していくーー。
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ハーバードの”卒業生倶楽部”がウォームアップを開始
今年は複数のアクティビストがアンダーバリューの株に群がるスウォーミングと呼ばれる状況が巻き起こることをみんかぶなどにも寄稿してきたが、実際にそうした事象が次々と巻き起こっている。
ウォーレンバフェットが日本のアンダーバリューに言及したことも今の株高のきっかけとなったのは間違いないが、海外投資家が実際に大挙して押し寄せてきていると実感する出来事があった。
実は先日、ハーバードビジネススクール学長の講演が六本木のグランドハイアットで行われたが、参加した私の友人(ハーバードMBA)曰く、学長は「ハーバードビジネススクール卒業生の実に5割以上が訪日した」と話したそうなのだ。私もその講演の録音を確認したが、言い換えればそれだけ日本市場にビジネスチャンスがあるという事なのだろうと思う。これまでは中国へ行く卒業生が圧倒的に多かったそうだが、「東証の改革」というキーワードが外国人投資家を引き付けているのは間違いない。また、世界中にあるハーバードビジネススクールの卒業生倶楽部のなかでも今年に入って東京の卒業生倶楽部が最も活発な活動をしているようだ。
投資家の買い物天国!世界中から日本を買い漁りに来る
こういう話を聞いてもいかに日本市場が注目されているのかがわかる。よくよく考えれば、空前の円安で外国人投資家にとってみれば、現在の日本は買い物天国だ。今やインバウンドの爆買いは誰もが知るべきところだが、観光客だけではなく、海外投資家も日本に魅力を感じているのだと思う。何より人件費もほとんど上がらないこともあり、物価上昇も2%程度に抑えられているからだ。
ここ35年間を振り返っても日本の消費者物価はわずかに20.5%しか上昇していない。
因みに日本以外のG7(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、英国、米国)各国でも同様の計算をすると、それらの国の物価は35年間で2~2.5倍前後になっているのだ。