資産16億87歳現役トレーダーが結果を引き寄せた「ルーティンの法則」…起床している午前2時から午後8時まで、毎日何をしているのか
87歳のデイトレーダー、藤本茂氏。実に70年弱にもわたり投資を続け、その資産を16億円まで伸ばしてきた藤本氏だが、自身について「運が良かった」とは決して口にしない。プレミアム「勝ち続ける人の『運の引き寄せ方』」第2回は、藤本氏が自身の人生を振り返って「大切なこと」を語る――。
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戦争、バブル、震災を経験
87歳で資産16億円を築いた藤本茂さん。だが、その人生を「運が良かった」と一言で済ますことはできない。藤本さんが3歳のころ、第二次世界大戦が勃発。藤本さんの住む地域では幸いにも被害自体は少なかったが、日本全体が貧しい時代の中で幼少期を過ごした。
藤本さんの生家は、稲作を生業とする農家だった。父母は4人兄弟を食べさせるために真面目に働いたが、決して裕福と言える家ではなかった。
「神戸と言えば楽天の三木谷浩史が有名やけど、そもそものスタート地点が違うわな。あっちは家系に著名人がゴロゴロいて、かたやこっちは貧乏百姓。株は結局、もともとの資産が重要。もし自分に三木谷くらいの親の資産があったなら、いまごろすごいことになってたやろうな」
高校卒業後にペットショップに勤めていた時代には、同年代よりも少ない給料しかもらえず、他人をうらやんだこともある。通勤にかかる電車賃を惜しみ、店に泊まり込むようにもなった。
専業投資家になった後も、バブル崩壊、リーマンショック時には多額の資産を減らした。またバブル崩壊から数年後、まだその傷が癒えきらない中で、阪神大震災が起こった。阪神大震災では多くの建物で1階部分が倒壊したが、藤本さんもマンションの1階に居住しており、自宅は全壊。玄関がつぶれてしまったため、妻とともに裸足でなんとか窓からはい出した。
心筋梗塞、脳梗塞も
2016年には、脳梗塞を発症。藤本さんの妻は、「外出から帰ってきて、寝たと思ったら『ゴォーー』とすごい音を立て始めた。これはおかしいと思ってすぐに救急車を呼んだのよ」と振り返る。