「毎日が勝負や」87歳現役デイトレーダーの基本に忠実な投資法…最近買った株と注目業界の今後を見通す

19歳で投資を始め、2002年にネット取引を開始してからは1日に数十回の売買を繰り返している87歳のデイトレーダー・藤本茂氏。「個人投資家の9割が負ける」と言われるデイトレードの世界の中で着実に資産を増やしてきた藤本氏の注文方法や、いま注目されている業界の見通しをうかがった。 みんかぶプレミアム特集「株で爆速1億円と最強日本株50」第7回ーー。
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“指値注文”で勝負
「これは577円で買いやな」。お盆明けのある日、市場が開く前の午前8時12分にデイトレーダーの藤本茂さんは紙・パルプ分野の専門商社グループの持株会社であるKPPグループホールディングス(9274)の株を指値で注文した。
株の売買方法には、値段を指定せずにそのときの市場価格で注文する「成行注文」と、値段を指定する「指値注文」がある。藤本さんの売買方法は、もっぱら指値注文だ。
指値にこだわりすぎると、約定しないままに株価が上がりすぎてしまい、買えなくなる事態もしばしば発生する。そのためデイトレーダーの中には、とくに一日を通して株価が上がるだろうと予測されるようなときには、市場が開く午前9時の寄り付き時に「成行注文でとりあえず買ってしまう」という選択をするケースも少なくない。
しかし藤本さんは、安易な成行注文を行うことはまずない。それは、自分が考え抜いて出した指値に自信があるからだ。その自信を支えるのが、69年の経験と徹底した調査だ。
2時に起床し、材料となるニュースをチェックする。材料となるニュースは、個別銘柄の決算や適時開示のほか、国内外の大きなニュースや米国市場の動向など、さまざまなものが含まれる。