元機関投資家天才トレーダーの2023年末、2024年始・ドル円相場の見立てとは?〈リウム氏インタビュー〉
今年、国内で大きなインパクトをもたらした日銀・植田新総裁の就任。あれから半年が過ぎ、為替相場は依然円安傾向にあるが、今後、どのようなマーケットに変化が起きるのか。
インターバンクの為替ディーラーとして1兆円の予算を動かし、現在FXのコミュニティを主宰するリウム氏(@RiumFX)に、植田和男総裁のこれまでの発言や政策、そしてパウエル議長の発言をもとに年末年始のドル円相場の見立てについて伺った。みんかぶプレミアム特集「最強投資家の至極銘柄58」最終回。
目次
YCCの早期撤廃は十分あり得る
――機関投資家として、就任から半年の植田和男総裁の手腕はいかがでしょうか。
植田日銀総裁は黒田前日銀総裁と異なり、従来の金融政策に固執せず、金融政策正常化への過程を進めている印象です。
YCCはほぼすでに形骸化しており、これをいつ完全に撤廃するかの注目度はやや薄れているように感じます。
一方でマイナス金利の解除は円スワップ金利を見る限り2024年4月の可能性は高まっており、それ以前に解除する可能性も十分にあると考えます。
――これによってどのような変化が起きるでしょうか。
主要先進国の中でマイナス金利を導入しているのは日本くらいなものなので、これが戻すとなると当然初期反応としては円高になると考えます。
またこれまで頑なにマイナス金利を解除してこなかったことを考えるとマイナス金利解除後はしばらく円高で推移すると考えます。
ただし、短期金利の10bpインパクトはそれほど大したことはありません。一旦値動きが落ち着いたあとは、それよりも日米長期金利の動きに合わせてドル円は推移すると考えます。
――以前のインタビューで、植田総裁はスタンレー・フィッシャーに師事していたということで、マクロ経済学に関しては素晴らしい知識がある、と話されていました。それを感じさせるエピソードや、政策はこの半年でありましたか?