「収益率が-50%…」ツイッター妄信し、レバナスを天井でつかんだ人の「本当の地獄」
空前の米国株投資ブームのなか、2020~21年にかけてTwitterなどのSNSで一大ブームとなったのが「レバナス」だ。
レバナスは「レバレッジ」と「ナスダック」を掛け合わせた言葉で、NASDAQ100指数の約2倍の値動きを目指す投資信託のことだ。2020年の中旬ごろにコロナショックから回復の兆しを見せた頃、上手く波乗りできた人は大きな利益を出せているだろう。
一部では「ツミレバ投資」などと銘打って、レバレッジ商品の長期積み立てを推奨するインフルエンサーも現れていた。
投資を始めて間もない方は、レバナス投資の魅力だけを見て「投資はレバナスだけで十分」「ツミレバで億り人になる」と豪語する状況も見られた。
人気沸騰したレバナスの背景には何があるか。今回、レバナスについて詳しい株式会社オコスモから、詳しいお話を伺った。
人気を集めるレバナス投資
2019年に金融庁が提言した「老後2000万円問題」以来、過去に類を見ないくらい資産運用がブームとなっている。
特に米国株の投資ブームが顕著で、親しみのある日本株よりも米国株の方が人気を集めている。ここ数年で数多くの米国投資に関する書籍も出版され、一部界隈(かいわい)では日本株はオワコンで米国株に投資しなければ時代遅れなどと言われることもあるみたいだ。
各ネット証券もそのブームを助長すべく、手数料の引き下げや投資銘柄の拡充などを行ってきた。
また、税制優遇制度である「つみたてNISA」の後押しもあり、投資信託人気ランキングでは、「eMAXIS Slim 米国株式」シリーズなどの米国株に投資する商品が毎月のように上位にランクインしている。
このような状況のなか、レバナスは昨年の買い付けランキングで上位に入り込むなど人気を集めているのだ。
では、なぜレバナス投資が人気を集めているのか株式会社オコスモの取材をもとに紐(ひも)解いていこう。
2021年にレバナスを提供し始めた楽天証券のWebページでは、2001年から20年間3万円ずつ積み立てを実施した際のシミュレーションが行われている。(楽天証券|ついに登場!! 楽天レバレッジNASDAQ-100(愛称:レバナス))
その結果は、投資元本720万円に対して資産額は約1億9700万円と、27倍になった。
一方でレバレッジなしで積立を行っていた場合の資産額は約4580万円と元本の6倍以上にはなった。
レバレッジなしでも十分な利益だが、レバレッジ型の結果と比較すると、レバナスに人気が集まるのもうなずける。
レバナスを天井でつかんだ人の現在
2021年は新たなレバナスが提供されるなど絶好調の株式相場だったが、2022年の初頭から風向きが変わり始めた。