AI相場の次なる主役はソフトウェア、fundnote 川合直也氏が語る「企業の本質を見抜く投資眼」

本稿で紹介している個別銘柄:エヌビディア(NVDA)、台湾積体電路製造(TSM) 、国内ではアドバンテスト(6857)、フジクラ(5803)、GMOフィナンシャルゲート(4051)、エクサウィザーズ(4259)
2025年9月、日本株市場は自民党総裁選や米国金融政策といった二つの大きなテーマに揺れている。半導体関連株を中心とする「AI相場」は依然として投資家の関心を集めるが、今後の主役はどこに移っていくのか。
国内中小型株やIPO銘柄のスペシャリストであるfundnote株式会社のファンドマネージャー川合直也氏は「AI相場の焦点はハードからソフトへ移る」と注目する。
今回はその背景と注目銘柄、さらに個人投資家が取るべき投資戦略について詳しく紹介する。
目次
米国発AI相場はハードからソフトへ主役交代
2023年以降、米国市場ではエヌビディア(NVDA)や台湾積体電路製造(TSM) 、国内ではアドバンテスト(6857)やフジクラ(5803)など半導体関連株が生成AIブームを牽引してきた。しかし川合氏は「GPUやデータセンターを大量に作るフェーズの相場は一巡し、今後はソフトウェア側に相場の主役が移る」と語る。
象徴的な出来事が、米オラクルによるOpenAI関連の大規模受注発表だ。これにより4年ほど続いていたAI相場は、インフラやハードに対する期待値で動くフェーズから、アプリケーションレイヤー、すなわちソフトウェアへのシフトが鮮明になった。
ハードウェアは設備投資の波に左右されやすく、需要が一巡すれば成長の上限が意識されやすい。対照的に、AIソフトウェアは一度基盤を構築すれば追加コストが比較的小さく、利用拡大に応じて売上と利益率が自然に拡大する。
特にSaaSモデルはスケーラブルであり、ユーザー数や利用量が伸びるほど収益性が高まる構造を持つ。
「生成AIやSaaSモデルは中長期的に注目すべき分野の一つです。短期的な相場材料に振り回されるのではなく、企業の成長ストーリーを理解し、自分のタイミングで投資することが合理的です」と川合氏は強調する。
プロの投資家が今注目している2つの成長銘柄
川合氏が日本株市場で注目するのは、業績やKPIを透明に開示し、SaaS的な収益モデルを持つ企業だ。
具体的には、キャッシュレス決済関連のGMOフィナンシャルゲート(4051)と、生成AIサービスを手がけるエクサウィザーズ(4259)を挙げる。