「高単価」は顧客のため!「月3万円」と「月50万円」の契約を取る人の決定的な違い

「社外CFOになれば、年収1200万円稼ぐことができる」と話す、中小専属CFO養成アカデミー 主宰社外CFO・財務コンサルタントの長友大典氏。中には「単価を高くすること」に抵抗感を覚える人もいるが、長友氏は「単価を高くするのは顧客のため」と話す。低単価にとどまってしまう人との決定的な考え方の違いや、なぜ高単価であることが顧客のためにつながるのかについて、長友氏が語る。全3回中の3回目。
※本稿は長友大典著『社外CFOになって、たちまち年収1200万円を稼ぐ方法』(すばる舎)から抜粋、再構成したものです。
第1回:3か月の勉強で取得できる簿記3級が第一歩!月100万円の売上を目指せる「社外CFO」のススメ
第2回:まずは名刺に「社外CFO」と書いてみよう!高単価ゲットまでの3ステップ
目次
単価の高低はスキルの高低とは一致しない
「月3万円の契約しか取れない人」と「月50万円の契約が取れる人」の“考え方の違い”を徹底的に解説していきます。
技術やスキル以前に、「考え方の土台」が違うのです。ここを理解していないと、どれだけノウハウを学んでも、なぜかいつも低単価の受注に陥ってしまいます。
では、「単価をどうやって決めているか?」という視点から見てみましょう。3万円の契約しか取れない人は、単価を「作業量」で決めています。
つまり、自分が毎月、どんな作業をどれくらいやるか? という観点から価格を設定しているのです。
「経理代行で毎月入力と請求書作成をやるから、3万円」
「レポートを毎月2本書くから、5万円」
こんなふうに“やること=金額”という考え方です。そのため、月50万円という価格になると、「それだけの作業量をどう提案してよいのかわからない!」となるのです。当然、16倍の作業をこなそうと思ったら、時間も体力も限界を超えます。
しかし、月50万円の契約を取っている人たちは、まったく違う考え方をしています。彼らは「作業」ではなく、「顧客の抱えている不安や問題を解決するお手伝い」、「顧客のビジョン達成のお手伝い」に対して報酬をいただいています。
具体的には、
「資金繰りの不安がなくなった」
「経理体制が整い、社長が本業に集中できるようになった」
「社内で数字を見ながら意思決定できるようになった」
といった具合にです。
このように“CFOの支援によって変化が起こる”ことに対して、対価が支払われているのです。「何時間働くか」ではなく、「どんな問題・課題を扱うのか?」「本当にビジョン達成のお手伝いをできるのか?」です。
ここがまったく違います。さらに言えば、50万円の契約を取っている人は、作業量を明確に伝えていないことが多いです。
「どこまでやるのか」が曖昧でも契約が成立するのは、社長が“自分の課題を一緒に考えてくれる人”を求めているからです。そして、課題が解決できるとわかれば、報酬にはそれほど敏感ではなくなります。
「他社との比較」をやめるべき理由
ここで、ひとつ大切なキーワードがあります。それが「相対化」です。
3万円の人の多くは、常に自分を他者と比べて考えています。「他社より高くないか?」「同業者はこれくらいだから、自分はこのくらいかな?」「お客様から“A社はもっと安いですよ”と言われたらどうしよう」など、常に比較ベースで価格やサービスを考えてしまうのです。
結果、「もっとやらなきゃ」「価格を下げなきゃ」と、自分の首を絞め続けることになります。そしてもっとも怖いのは、その他人と比べてばかりいる“比較ぐせ”が、従業員やパートナーにも伝染してしまうことです。
逆に50万円で契約が取れる人は、相対化しません。なぜなら、「私はこの社長の唯一のパートナーだ」という前提で話をしているからです。他社と比較される存在ではなく、「この人となら一緒にやっていける」と思われる存在になっているのです。
「単価=作業量」ではなく、「単価=問題解決の手伝いに対する報酬」であるという考え方に、いますぐ切り替えてください。
3万円の仕事と50万円の仕事は、見た目は似ていてもまったくの別物です。「時間」や「作業」で比べるのではなく、“社長の未来を一緒に描けるかどうか”という軸で見てください。そうすれば、あなたのなかでも「自分が高単価を受け取るイメージ」がきっと描けるはずです。それが、次のステップへと進むきっかけになります。
高単価は顧客を本気にさせる
低単価で受注することには、もうひとつ大きな“危険”があります。それは、あなた自身が顧客の成長チャンスを奪ってしまう危険がある点です。意外に思うかもしれませんが、わかりやすい例で説明しましょう。
たとえば、あなたがこれからダイエットをして、筋肉もつけて、スタイルをよくしたいと考えているとします。そのために50万円をかけて、パーソナルトレーナーをつけてジム通いを始めたとしましょう。そうすると、どうなりますか?
おそらく多くの方が“本気”になると思います。
「せっかく高いお金を払ったんだから、絶対に痩せたい」
「言われたことをしっかりやろう」
「食事も見直そう」
このように、トレーナーの指示に従って真剣にダイエットに取り組むと思います。
一方で、極端な例ですが「入会金1000円で通い放題」のジムに入ったとしましょう。初日は気合いが入っていても、数日もすればこう思うかもしれません。
「今日はちょっと疲れたし、まあいいか」
「雨も降っているし、明日から頑張ろう」
「そもそも1000円だし、別に通わなくてもいいか」
どうでしょう?想像がつくと思います。この違いを生んでいるのは、「投資額に対する本気度」です。
高単価ではじめて「パートナー」になれる
この構造は社外CFOの契約でもまったく同じです。たとえば月3万円の契約を結んだ場合、顧客からはこんなふうに扱われることが多いです。
「ちょっとこれ、やっておいて」
「とりあえず帳簿だけ見ておいてくれればいいから」
「今月は会わなくてもいいよ、必要になったら連絡するから」
つまり、“自分がやりたくない作業を任せる相手”という認識になってしまうのです。これは、顧客が本気になっていない証拠でもあります。
これが月50万円の契約になると、どうなるか?
「この半年で、必ず財務体制を立て直したい」
「もう絶対に経理を見直さないとヤバいと思っているんです」
「一緒に数字を見ながら、ビジョンに近づくための計画を立ててほしい」
このように“一緒に未来を創っていくパートナー”として見られるようになります。ここで気づいていただきたいのは、報酬の違いが、顧客の“向き合い方”を変えているという事実です。つまり、3万円の報酬では顧客が“いまのままでいい”と無意識に思ってしまうのに対して、50万円の報酬では「なんとしてもこの機会に会社を変えたい」とスイッチが入るのです。その“本気スイッチ”が入ったとき、社長自身が行動し、組織が変わり、結果的に業績もよくなっていきます。
我々社外CFOの仕事は、「やっておいて」と言われた作業を代行することではありません。社長が本気で自社の未来と向き合う“きっかけ”をつくることです。
なぜなら、最終的に会社を変えられるのは、社長本人だけだからです。我々はその変革の伴走者です。主役ではなく、支援者です。しかしその支援の仕方ひとつで、社長の姿勢や覚悟が180度変わることだってあるのです。
だからこそ、我々は“顧客のために”高単価を提示すべきです。
「これは、あなたの会社の未来に本気で向き合うための金額です」
「社長が変わる覚悟を決めるために必要な投資なんです」
そう信じて50万円の報酬を提示すればいいのです。金額以上に大切なのは“なぜ、その報酬が必要なのか”を自分自身が理解していることです。
顧客の未来は、顧客自身にしか変えられません。けれど、その未来を変える“最初の火種”は、あなたの提案から始まるのです。自信を持って、自分のなかでこう確信してください。「私は、あなたの本気を引き出すために、この金額で支援しています」
これこそが、目には見えない真の価値提供であり、社外CFOとしてのあるべき提案の形です。
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