宇宙・防衛・検査キット…逆張り投資家が警告するチャイナ・リスクと「最強の防衛術」

本稿で紹介している個別銘柄:NEC(6701)、三菱重工業(7011)、QPSホールディングス(464A)、タウンズ(197A)
2025年も残すところあとわずか。日経平均株価は歴史的な高値圏で推移する一方、国際情勢の緊張感は増し、相場の先行きには強気と慎重論が交錯している。
今回クローズアップする逆張り投資家・おしん氏(@oshinchan93)は、2026年に向けてどのような戦略を描いているのか。
政府が進める「国策」と悪化する日中関係などの「地政学リスク」を軸に、おしん氏に今狙うべきセクターと避けるべき領域について話を伺った。インタビュー連載全2回の最終回。
目次
“潰さない、潰せない産業”こそ本命セクター
ーーおしんさんが注目しているテクノロジー分野はどこでしょうか。
ズバリ「国策銘柄」です。具体的には「AI革命」「量子コンピューター」「サイバーセキュリティ」。この3本柱は揺るぎません。
特に2025年後半に入り、政府が国産生成AIの育成や、ハッキング不可能な通信技術である量子暗号通信への投資を加速させています。これは単なる技術開発ではなく、経済安全保障そのものです。
ーーただ、AIや半導体関連はすでにかなり買われています。今からの参入は、高値掴みになりませんか。
単一のテーマ株であれば、その懸念はあります。ですが、国が主導するプロジェクトは息が長い。重要なのは、短期的な過熱感に惑わされず、国のロードマップと合致しているかを見極めることです。
特にサイバーセキュリティは、防衛とも密接に関わるため、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブな成長セクターと言えます。
ーーテクノロジー以外で、国家戦略と連動する産業といえば。
「宇宙開発」、「防衛技術」、「先端医療」です。なかでも防衛と宇宙は、近隣諸国との緊張が高まる中で予算が増額され続けています。
これらはもはや「有事の際の保険」ではなく、日本の産業競争力を維持するための必須インフラです。個人投資家の資金も、こうした国が「潰さない、潰せない産業」に集中し続けています。
伸びるセクターの「共通点」
ーー具体的な銘柄分析に移ります。まず、主力となる大型株についてはいかがですか。
複数の国策テーマを併せ持つ「大型株」を拾うのがセオリーです。筆頭はNEC(6701)。同社は量子コンピューター、AI、サイバーセキュリティのすべてに関与できる「三点張り」の銘柄です。
とりわけ防衛産業における通信インフラの要として、政府からの信頼も厚い。また、国産AIのプラットフォーマーとしての期待値も依然として高い水準にあります。