元手34万8000円から2.4億円、元芸人投資家が“地獄”を経験して掴んだ「銘柄選定法」

元芸人・パチンコライターという異色の経歴を持つ投資家、ハニトラ梅木(@kabuchenko)さん。彼の投資人生は、種銭34万8000円から始まりました。
信用取引の最低ラインでスタートし、2020年には資産を100倍にするも、翌年には生活費すら危うくなる「地獄」を経験。そこから這い上がり、2023年には年間利益1.3億円を叩き出すトップトレーダーへと変貌を遂げました。
天国と地獄を知る彼がたどり着いた小型株デイトレードの真髄と、その壮絶な軌跡に迫りました。インタビュー連載全3回の第1回。
目次
「信用取引」がすべての始まり
ーーまずは、なぜ投資の道へ進まれたのか。そのきっかけから教えてください。
経歴は少し変わっていて、もともとは芸人とパチンコ関連のライターをしていました。投資を始めたのは2015年頃ですが、当時は完全な素人で、「詳しい人に上がると言われたから買う」だけ。株価も週に1〜2回見る程度で、気づけば150万〜200万円ほど負けていました。
転機はコロナ禍です。パンデミックと緊急事態宣言で芸人・ライターの仕事が一気になくなり、「このままでは食べていけない」と本気で焦りました。そこで「デイトレードを一から勉強して、トレードで生きていくしかない」と腹をくくり、それ以降はほぼ全ての時間を相場に突っ込むようになりました。
ーー「X」のプロフィールにある「35万円から」という数字ですが、種銭はその金額からスタートされたのでしょうか?
正確には34万8000円です。本気でやり直そうと決めた時、手元に残っていたのがその金額でした。
この数字には理由があります。デイトレには信用取引が必須だと考えていたので、最低委託保証金の30万円は絶対に割れないライン。かといって余裕を持てるほどのお金もない。「ギリギリまで削って、でも信用は維持できる」ラインとして絞り出した資金が34万8000円でした。後がない、背水のスタート資金ですね。
「実力」か「相場」か、天国と地獄の3年間
ーーそこから2020年の1年間で、資産を約100倍の3000万円台まで増やされています。ご自身ではどう分析されていますか?
数字だけ見ると派手ですが、あの年は「実力以上に相場に助けられた」と思っています。2020年はコロナ・ショック後の大きなリバウンド相場でした。僕はデイトレーダーなので暴落時はほぼダメージを受けず、その後の金融緩和と株高の波にそのまま乗れた。
一言でいえば、安くなったものを買えば上がるような“ボーナスステージ”だったわけです。勘違いしたのはその後です。相場が平常運転に戻った2021〜22年は、それまでと同じ感覚でやっても全く勝てない。資産はみるみる減り、2020年の利益から400万円ほど失い、生活費すら危うい「ほぼゼロ」まで落ちました。「もう終わりや。実家に帰ってバイトでもするしかない」と本気で考えた時期です。
ーーそこまで追い詰められて、どうやって踏みとどまったのでしょうか。
株仲間に「もう大阪に帰ります」と相談したところ、「今まで頑張ってきたんだから、もう少し頑張れ」と引き止めてもらったんです。情けない話ですが、生活費を借りながらギリギリで踏みとどまりました。そこから少しずつ修正を加えたデイトレードで、立て直しながら、「運ではなく実力で勝つ」ための再スタートが始まりました。
ーーどん底を経て、2023年には年間で1.3億円の利益を出されています。一体、何が変わったのでしょうか?
一言でいえば「銘柄選定の解像度」です。2022年までは「なんとなく上がりそう」「このくらいまでは行くだろう」と、狙いも想定も甘かった。
2023年からは、今まで目を向けていなかった部分まで徹底的に見るようにしました。ニュースの読み込み量を増やし、その材料が業績やテーマ性や需給にどれくらい効いてくるのか、自分なりに具体的にイメージできるところまで落とし込むのです。