10倍株を狙うには「利大損小」!“あらかじめ決めておくべき”売却ルールとは

投資歴20年以上、資産3億円越えのエンジニア投資家・はっしゃん。そんなはっしゃんは、「勝ち組の投資家の多くは『利大損小の必勝ルール』を自然と実践している」と話す。利大損小のルールや売却時に取るべき行動について解説する。全3回中の3回目。
※はっしゃん著『「会社四季報」速読1時間で10倍株を見つける方法[改訂版] 投資家VTuberはっしゃんが綿密なリサーチから導き出した「誰でもできる」3ステップ投資術』(翔泳社)から抜粋、再構成したものです。
第1回:まずは「右肩上がり」のチャートをチェック!投資家VTuberが解説する「10倍株」を見つけるためのファーストステップ
第2回:資産3億円超の投資家VTuberは四季報で何をチェックする?「1銘柄1分」の確認ステップ
目次
「利大損小」で10倍株を狙う
ここからは、四季報で付箋した銘柄を中長期で保有して10倍株を狙う具体的な方法について説明します。それは、シンプルに利大損小のルールで運用する投資法です。利益を大きくする利大、損失を小さくする損小の考え方です。
● 10倍株を狙う利大損小ルール
利大:成長(株価の上昇)が続く限り保有する
損小:含み損は例外なく損切りする
利大+損小:含み益の銘柄のみ、成長(株価の上昇)が続く限り保有する
①利大
利大は成長(株価の上昇)が続く限り保有するというシンプルなルールです。業績と株価が連動する右肩上がり企業は、長く保有すればするほど、上昇率が高くなりますので、原則として「売らないこと」が重要になります。
②損小
損小は、利大とは逆に「含み損は例外なく損切りする」というこちらもシンプルなルールです。そもそも、右肩上がりの成長株を購入しているならば、含み損になるはずがありません。ならば、含み損はエントリーミスと考えて機械的に損切りすればよいという考え方です。
なお、いったん損切りした後に安値で買い戻すことは問題ありません。
③利大損小
この「利大」と「損小」のルールを合体させると、「含み益の銘柄のみ、成長(株価の上昇)が続く限り保有する」という必勝の利大損小ルールになります。
はっしゃんの知る限り、勝ち組の投資家の多くは「利大損小の必勝ルール」を自然と実践していて、含み損の銘柄を持たず、手の内は含み益ばかりになっています。逆に、負け組の投資家は、含み益の銘柄が少なく、手の内が含み損だらけの傾向があるようです。
利大損小のルールをしっかり守って、まずは、「含み損を持たない投資家」になり、含み益の銘柄を長く持ち続けることで10倍株を狙っていきましょう。
「機械的な売却」のための2つのルール
長期投資では、2倍株、10倍株の達成まで売らないのが理想ですが、現実には2倍、10倍まで上昇する株よりも10倍未満の上昇で終わる株の方が多いものです。
そこで、あらかじめ売却ルールを決めておき、ルールに従って売却するようにします。売却には、利益確定(利確)と損切りの2種類がありますが、いずれも「買う前に、売却ルールを決めておく」ようにしましょう。
● 2つの売却ルール
利益確定:買う前に利確ルールを決めておき機械的に売却
損切り:買う前に損切りルールを決めておき機械的に売却
利益確定と損切りが重要なのは、上昇ステージが終わった株を持ち続けてしまうリスクを避けることにあります。損切りは買値から5-10%程度の水準に設定します。利益確定は、
● 好業績や外部環境の追い風など、成長シナリオの前提条件(カタリスト)が崩れた
● 右肩上がりの株価が直近の最高値から20%以上の下落となった時
次の株価チャートは、2019年夏号で付箋し、株価 7.5倍まで上昇しながら、その後は下落に転じ、さらに度重なる下方修正により、株価30分の1まで暴落したIRジャパンの例になります。

はっしゃんが開発した【株Biz】の「10倍株Watch」で10倍到達株のその後を集計したところ、10倍株の半分以上が10倍水準をキープできず株価下落に転じています。従って、10倍株であっても10倍水準を割れた場合には、半分は利益確定しておく方が好ましいと言えるでしょう。
また、スモールサンプルにはなりますが、はっしゃんが四季報速読で付箋した623社から10倍株まで到達した銘柄は8社、本書執筆時点の2025年10月10日時点の10倍株は、4社と同じく半減しています。
2倍になったら「恩株化」
半分売却ルールは、10倍株より手前の2倍株にも適用します。
● 株価が買値から2倍以上に上昇した時、半分を売却して恩株にする
2倍株を半分売却することで投資元本が回収されると同時に、新たな有望株に資金を振り分けることも可能になります。
はっしゃんが四季報速読法で付箋した623銘柄のうち高値が2倍以上に上昇したのは213銘柄(34.2%)ですが、本書執筆時点の2025年10月10日現在で2倍以上をキープしているのは、約半分の109銘柄です。
10倍株と同様、2倍株もまた半分が2倍から転落するのであれば、半分利確しておくのが合理的と言えるでしょう。
損切りルールは、はっしゃんの場合「1円損切りルール」を採用することもあります。これは、購入日の翌日以降の「終値が買値を下回ったら損切り」というルールです。
株価は値動きがあるものでもあり、わずか1円の損切りは難しいように思うかもしれませんが、1円損切りルールを使う前提条件として、購入時期に「決算発表の前後」を想定しています。
株の購入時期は「決算発表前後」に
株価や業績(理論株価)は(カタリストが発生すれば)決算発表で大きく動きますので、決算発表の時期こそ、企業価値を見て投資する投資家が購入すべき時期となります。
四季報の発売は、おおむね決算発表の1ヶ月程度前(3月決算の場合)になっていることが多いので、四季報から決算発表までの間に購入候補をピックアップしておきます。

決算期は、カタリストへの先行期待やその結果(期待はずれ・期待以上)で株価が動きやすい時期です。決算の前か後かでは、決算前はハイリスク・ハイリターン。結果が分かった決算後に業績(理論株価)を確認して買う方が安全度が高くなります。
● 失敗(値下がり):損切りしてやり直し
● 成功(値上がり):そのまま保有
好決算でも売られてしまうケースもありますが、事前期待が高すぎた割高株に多いようです。
決算前後は、結果が分かりやすい反面、値動きが大きくなりがちなため1円損切りルールが向いているというわけです。

逆に、決算発表以外の時期は、海外株価や為替レート、国際情勢など外的要因に左右されて、投資判断が正しかったかどうかを検証することも難しくなります。
決算発表時期の投資は、失敗する可能性はあるけれども、その結果がすぐに分かり、失敗からもまた学べるということを考えると、購入時期としておすすめです(むしろ他の時期はあまり投資しない方がいい)。
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