まずはPayPayポイントを活用!投資初心者にお勧めの“第一歩”を解説

横川楓
(c) AdobeStock

 物価高で、日々厳しくなっていく家計。「節約したほうがいいのかな」「投資をやったほうがいいんだろうけど、怖い」と考える人は少なくない。そこで金融教育活動家の横川楓氏が、「好きなもののために使うお金は、人生の必要経費」と消費活動を応援しつつ、投資初心者が取るべき第一歩を紹介する。全3回中の1回目。

※本稿は横川楓著『散財さんのお金の増やし方』(三笠書房)から抜粋、再構成したものです。

第2回:投資信託は「S&P500」か「オルカン」?それ以外の“簡単”な選択肢とは

第3回:好きな会社の株を買う!ファンだからできる「応援投資」とは

目次

買い物好きほどお得になる「ポイント投資」

 「投資が重要だ」と言われても、「投資をするための種銭なんてないよ!」と思う方もいるかもしれません。でも、私たちのような「買い物好き」には、投資に回せる隠し財産があるんです。それが、日々の買い物で貯まる「ポイント」です。

 いつもなら「1ポイント=1円」として割引に使ってしまうところを、投資に回してみる。これなら、お財布の中の現金を一切減らすことなく、投資デビューが可能です!

 万が一、運用でポイントが減ってしまっても、「まあ、もともとおまけでもらったポイントだし」と、心のダメージが少なくて済みます。まさに投資の練習にはぴったりです。

 たとえば、身近なところでは「PayPayポイント投資」があります。みなさんの中には、PayPayを日常的に使っている人も多いと思います。買い物のたびに付与される「PayPayポイント」を使って、実は投資ができちゃうんです。

 1ポイント=1円として、100円程度の少額から気軽に始められます。PayPayのこの機能には、大きくわけて二つの種類があります。 

 一つ目は、証券口座を開設して本格的に株などを買う「ポイント投資(資産運用)」。こちらは、配当金も受け取れる本格派です。PayPayアプリから、NISA口座などで買えるような多くの人気銘柄に投資が可能です。

 二つ目は、口座開設不要で、もっと気軽に疑似体験ができる「ポイント運用」。PayPay証券が提供するいくつかのコースから選ぶだけで、ポイントが増減するゲームのような感覚で楽しめます。こちらは配当金などはありませんが、「投資ってこういう値動きをするんだ」という感覚をつかむにはもってこいです。

 同様の仕組みは、楽天にもあります。楽天の場合、ポイントで投資信託などを所定の金額以上買うと、楽天市場での買い物ポイントがアップする特典(SPU)などがつく場合もあり、さらにお得です。

 ここで増えたポイントは、 PayPayや楽天の買い物などで使用できます。このようなポイントを使った運用・投資から、「あ、投資って本当に儲かるんだ」という実感を得てもいいかもしれませんね。

 ちなみに、ポイントを活用する方法以外にも「おつり投資」という方法もあります。これは、たとえば1000円単位で設定しておくと、800円の買い物をしたときに、差額の200円を自動で投資に回してくれる仕組みです。こちらは実際に銀行から現金が引き落とされますが、「気づかないうちに小銭が投資に回っている」という感覚で始められるので、ポイント投資に慣れてきたら検討してみてもいいでしょう。 

貯金箱感覚で「新NISA」を

 ポイント投資やおつり投資で投資の感覚がつかめてきたら、いよいよ「自分のお金」を使った本格的な資産形成にチャレンジしてみましょう。そこで使うべきなのが、「新NISA」です。

「新NISAってよく聞くけれど、結局何なの?」そう思っている人も多いのではないでしょうか。すでに始めている人もいるかもしれませんが、改めて説明しておきます。NISAとは、「Nippon Individual Savings Account」の略で、少額投資非課税制度を指します。2014年に始まり、2024年に新NISAとして生まれ変わりました。

 新NISAの何がすごいのかと言えば、「税金がかからないこと」です。投資で得られた売却益や配当金などには、通常20.315%の税金が課されます。たとえば株式投資で100万円運用して、年間20万円の利益が出たとします。でも税金がかかるため、手元には16万円を切る利益しか残りません。

 しかし、新NISAを活用すれば、投資で得た利益がまるまる手元に来るのです。

 新NISAでは、二つの枠が設けられています。「つみたて投資枠」と「成長投資枠」です。「枠」という言葉がピンとこなければ、「特徴の違う二つのコースがある」程度に思ってください。

 そして、投資初心者は迷わず「つみたて投資枠」を選んでおけば間違いありません。この「つみたて投資枠」は、金融庁が「長期・積立・分散に適している」と太鼓判を押した投資信託だけが対象になっている安心コースだからです。

 新NISAには、一生涯で「1800万円」まで投資ができるという上限があるのですが、散財さんにとって最高のメリットがもう一つあります。それは、「投資商品を売却したら、その分の非課税枠が翌年復活する」ということ!

「枠が復活する」と言われてもピンと来ないかもしれませんね。具体的にシミュレーションしてみましょう。たとえば、あなたが新NISAで「5万円分」の投資信託を買っていたとします。すると、残りの枠は「1795万円」に減りますよね。

 でも、「急に友達と旅行に行くことになった!」「どうしてもやりたい新作ゲームが出た!」と、現金が必要になることもありますよね。そんなときは、その5万円分を売って、現金に戻して使ってしまってもいいんです。 

 すると翌年、売った5万円分の「非課税で投資できる権利」が戻ってきます。つまり、また改めて「1800万円」まで投資し直せるのです。一度入れたら二度と使えないわけではないので、貯金箱感覚で気軽にお金を移して大丈夫ですよ。

「iDeCo」よりもまずは「NISA」

 新NISAとセットでよく話題になるのが、「iDeCo」(個人型確定拠出年金)です。iDeCoの最大のメリットは「節税効果」です。掛金が全額所得控除になるので、税金が安くなります。これだけ聞くとすごくよさそうですよね。

 しかし、散財さんにとっては「原則60歳まで引き出せない」という特徴が、最大のデメリットになります。NISAなら、急な出費が必要になったときに現金化できます。しかしiDeCoは、一度入れたら最後、老後になるまで「開かずの金庫」に入ってしまうようなものです。

「推しの卒業コンサートで遠征したいのに、お金が引き出せない!」なんてことになったら悲劇ですよね。ですから、「まずはNISAを埋めること」を最優先にしてください。

 iDeCoを検討するのは、NISAの枠を使いきって、さらに老後資金を盤石にしたいと思ったときで十分です。ただし、会社員と違って厚生年金がないフリーランスや個人事業主の方だけは、将来の年金が少ないので、NISAと並行して少額からiDeCoを検討してみてもいいでしょう。

横川楓著『散財さんのお金の増やし方』(三笠書房)

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この記事の著者
横川楓

やさしいお金の専門家・推し活経済評論家。1990年東京生まれ。明治大学法学部卒業後、同大学院へ進学、24歳で経営学修士(MBA)、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。その他、マイナンバー管理アドバイザー、マネーマネジメント検定などの資格も保有する。一般社団法人日本金融教育推進協会代表理事。「誰よりも等身大の目線でわかりやすく」をモットーにお金の知識を啓発、金融教育の普及に取り組みながら、アニメやアイドルなどへの推し活に日々勤しんでいる。著書に、『ミレニアル世代のお金のリアル』(フォレスト出版)、『お金の不安と真剣に向き合ったら人生のモヤモヤがはれました!』(オーバーラップ)がある。

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