登録者1万人のVTuberは、週30時間以上の配信でいくら稼いでいるのか?年収300万未満で消耗していた女性が、初期費用10万円・独学で掴んだ「もう一人の自分」と確かな副収入
過酷な映像制作現場から、未経験のインフラエンジニアへの転身、そしてVTuberとしての活動を始めた女性。今回は、彼女が登録者1万人弱という「中堅」の立ち位置で、いかにして収益を上げ、機材やコストを管理しているのか。そして、会社員を辞めてフリーランスの道を選んだ彼女が、VTuberとしての「専業化」に抱く野望と現実的なロードマップについて、さらに深く話を伺った。全2回の第2回。
みんかぶプレミアム連載「あなたの給与明細 見せてください」
目次
VTuber活動を低予算でスタートできた幸運と工夫
VTuberを始める際、一番のハードルになるのは「初期費用」だと言われます。有名な絵師さんにキャラクターデザインをお願いし、最新の機材を揃えれば、100万円単位の投資が必要になることも珍しくありません。
しかし、私の場合はかなり特殊で、初期費用は10万円もかかりませんでした。というのも、活動を始めた4年前、イラストをお願いした方はまだ学生さんで、お互いに「VTuberのモデルを作るのは初めて」という状態だったんです。当時の相場観が分からなかったこともありますが、非常にリーズナブルに、かつ熱意を持って描いていただけました。
さらに、私は前職が映像制作だったため、Live2Dのモデリングや動画編集の知識が多少ありました。初期のアバターは自分でモデリングし、パソコンもゲームや仕事用にもともと持っていた高スペックなものを使用しました。この「自前でできる」という強みが、参入障壁を大きく下げてくれたと感じています。
もちろん、現在は活動も長くなり、クオリティを維持するためにモデリングなどはプロの方に外注するようになりました。それでも、イラストの発注で10万〜20万円、ゲームの購入代、たまにサムネイル用のイラストを数千円で依頼する程度。毎月の固定費として数万円が消えていくわけではないので、収支のコントロールは比較的しやすい方だと思います。
週30時間以上の配信。大型タイトル発売時は「不眠不休」の情熱で
活動のペースは、週に4回のゲーム配信と、週に1回の映画同時視聴を基本にしています。配信時間は週に30時間程度ですが、これはあくまで「最低ライン」です。
大型タイトルが発売されると、状況は一変します。「一刻も早くクリアしたい」「視聴者とこの感動を共有したい」という思いが強くなり、3〜4日で20時間以上配信し続けることもあります。会社員時代は、このスケジュールを維持するのが本当に大変でした。
平日は夜に配信し、週末は長時間。そんな生活を4年も続けてこれたのは、やはり「好き」だからに他なりません。どれだけ仕事で疲れていても、配信を開始してアバターの中に潜り込めば、そこには全く別の世界が広がっている。視聴者さんとのチャットのやり取りは、どんな栄養ドリンクよりも私を元気にしてくれました。
現在の収益源は、月々の「FANBOX」での支援(約4万円)とYouTubeの広告収益(約1万円)がメインです。これにイベント時のグッズ売上が加わります。
会社員としての「安全な道」を捨て、フリーランスの「自由」を選ぶ理由
今年の3月末でインフラエンジニアの会社を辞め、来週からは映像制作時代の先輩から仕事をいただく形で「業務委託(フリーランス)」としての活動を始めました。
正直、エンジニアとして働き続けていれば、年収300万円+福利厚生という「安定」は手に入っていました。でも、私にとっての幸せは、安定した給料をもらうことではなく、納得感のある仕事をし、自分の時間を100%自分の意志でコントロールすることだったんです。
エンジニアの仕事は、どうしても「面白い」と思えませんでした。資格の勉強も義務感ばかりで、心が悲鳴を上げていた。一方で、映像制作のスキルを活かした業務委託なら、自分の得意分野で価値を提供できます。そして何より、VTuberとしての活動時間を柔軟に確保できる。
「VTuberだけで食べていく」というのは、決して楽な道ではありません。でも、アバターという“盾”で現実のしがらみを防ぎ、同時にそれを“翼”にして自由に羽ばたく。そんな生き方を、私はこれからも選んでいきたいと思っています。