官僚政権”岸田首相”の無謀…山崎元「安定志向の公務員が金持ちの増加と弱者の底上げを嫌う理由」
岸田政権は「新しい資本主義」のキャッチフレーズを多用するが、山崎元さんは「いまの日本は資本主義ではない」と断じる。そして、だからこそ、正しい投資家とならなければ、経済的に成功することは難しいと語る。その言葉の意味とは。山崎さんが育って欲しいと願う、日本の投資家像とはどのような姿なのか。
#1「S&P500だけ買えばいい」ワケがない…”売上高続伸の高成長銘柄”と”伸び悩む低成長銘柄”あなたはドッチを買う」
#2「金融機関破綻の可能性」…2023年最大の買い場「金融パニック相場」はいつ訪れるのか
日本は「資本主義」の国ではない。あるのは「ブラック資本主義」と「縁故主義」だけ
──株価の行方もさることながら、2023年、日本経済の行方はどうなるのでしょうか。岸田政権は「新しい資本主義の時代」を唱えていますが。
山崎) 「新しい資本主義」と言いますが、そもそも日本は資本主義の国ではない。新自由主義なんて言われていますが、それを痛感する層と全く感じない層に二極化されている。どういうことかというと、経済力のうえで、下半分の層にとってはもの凄く純化された資本主義なんですよ。ネーミングするとすれば「ブラック資本主義」ですね。
例えば、非正規で働いている人たちって、いつでも首を切れるし、取り換え可能だし、報酬も上がらない。かつてマルクスが考えた資本主義では「労働者の賃金は、労働の再生産をするためのコストに決まる。その中には次世代の労働者を再生産するためのコストが含まれる」とされていました。そのためだけの賃金を払って、後の利益は経営者が搾取する、という仕組みなんです。ですが、いまの下半分の人たちは、次の世代を育てるどころか「夫婦2人で子供を育てるなんて夢物語」という条件で働かされています。