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“中居くん”は引退した、フジテレビ、あなたはどうする?「最後にトドメを刺した社長会見」ACを垂れ流してほとぼりが冷めるのを待つのか

(c) AdobeStock

 中居正広氏を巡る一連の問題で、当の中居氏が引退を発表した。かつて「民放の雄」と言われたフジテレビが大ピンチに立たされている状況は変わらない。週刊誌報道以降、その影響でスポンサー企業が続々と離れ、経営に打撃を与える事態に発展している。広告収入の激減がささやかれるフジテレビは、いつまで苦境に持ちこたえることができるのか。ルポ作家の日野百草氏がこの問題を解説するーー。

目次

こんなお別れで、本当に、本当に、ごめんなさい

“中居くん”が引退した。

 SMAPという「時代」を作ったひとりだが、俳優としての中居正広もまた評価された。

 テレビドラマ『味いちもんめ』の伊橋、『ATARU』のチョコザイなど代表作は多いが、私は『ナニワ金融道』が大好きで、あれほどの「灰原辰之」はいろんな意味で彼しかいないと、当時から今も本気で思っている。まさに当たり役だった。

 あとはラジオで語った母校「平学伝説」(あえて詳しく書かない)の話や自慢の高級時計、フランクミューラーをカレーに入れられたり犬の足にはめられたりの番組も腹がよじれるほど笑わせてもらった。

 テレビアニメ『赤ずきんチャチャ』のオープニングにもなった「君色思い」(1994年)のオリジナルは彼の独唱から始まる。青春の君色を思う不器用な声がむしろリアルで胸を打つ。世辞でなく、こうしたジュブナイルな歌詞はうまい下手ではない。むしろそれでいい。揶揄する人は多かったが、これを決めた人はとてもセンスがあると思う。

 当時そうしたアニメ業界に媒体側で関わっていた筆者も少なからず書かせていただいた。「オタク」とアニメの地位がいまと比べれば低かった時代、正直に嬉しかった。

 語ると止まらないがそんな“中居くん”が引退した。ファンの気持ちを裏切り、女性の人生を踏みにじった。しかし後述するが「中居問題」と「フジテレビ問題」は最終的に分けて考えるべきだ。今回の事案における「中居氏」と“中居くん”もまた分けるべきだと思う。

 中居氏は引退に際しこう綴った。

〈皆さん一度でも、会いたかった 会えなかった 会わなきゃだめだった こんなお別れで、本当に、本当に、ごめんなさい。さようなら…。〉

※1月23日メッセージより抜粋

引退に追い込んだのは

 いわゆる「中居問題」は中居氏の引退となった。

 もちろん、繰り返すが中居氏側に問題があったことは当然である。問題発覚後の初動で〈なお、示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました〉は最悪だった。それは各方面の指摘通りである。中居氏本人も認めている通り、被害者のあることは確か。それでこれはない。被害女性のことが第一に考えられるべきだ。

 それを踏まえて、こうも思う。

 中居氏を“最終的に”引退に追い込んだのはフジテレビ、と言われても仕方がないのではないか。

 実際、SNSにはフジテレビの対応に対する非難があふれかえっている。それも当然の「あの会見」だった。

本来はフジテレビが矢面に立つべきだった

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この記事の著者
日野百草

1972年生まれ。日本ペンクラブ広報委員会委員。出版社勤務を経て国内外における社会問題、政治倫理を中心に執筆。大学院で芸術学を専攻、修士(芸術)、芸術修士(MFA)。文芸論、人物評伝および比較史におけるポップカルチャー、またフィギュアスケートなど舞踏芸術に関する論考も手掛ける。2018年、評論「『砲車』は戦争を賛美したか 長谷川素逝と戦争俳句」で日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞を受賞。著書『評伝 赤城さかえ 楸邨・波郷・兜太に愛された魂の俳人』他。

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