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閣僚や党幹部が落選する可能性も…もし解散で予算間に合わないと「私立高校授業料無償化が始まらない!」市場では高市トレードだが…

(c) AdobeStock

 高市早苗首相が通常国会召集日の1月23日に衆院を解散すれば、日本経済にどのような影響があるのか。就任前後から上昇基調にある株価は解散報道で勢いを増し、自民党が選挙で勝利すれば「高市トレード」が続くとの期待が寄せられる。ただ、総選挙に伴い国会審議が遅れるため来年度予算案の年度内成立は困難となり、自治体や国民生活には負の影響が生じる。話題のサスペンス小説『奪われる~スパイ天国・日本の敗戦~』(みんかぶマガジンノベルス)を著した作家の伊藤慶氏は「高支持率の高市首相が率いる自民党が圧勝すると見るのは時期尚早だ」と指摘する。はたして、日本経済や家計・企業の負担に直結する総選挙の行方はどうなるのか―。

目次

もし暫定予算で4月に突入することになったら…

 「自治体職員の代弁をすると、参院選後に自民党の党内事情による政治空白が数カ月あり、その後の新政権が物価高対策を打ち出し、自治体には『年内に予算化を』『年度内に届くように』と急かす中で、今度は同時期に選挙事務もよろしく、です。 国の予算が年度内に成立しない、年度内に成立することが前提だった法案が成立しない影響も各自治体には発生します」。千葉県の熊谷俊人知事は1月11日、「X」(旧ツイッター)にこのような率直の声を投稿した。

 予算編成のタイミングが重なる自治体は困惑しており、予算執行への影響も避けられないとの見方が広がる。宮城県の村井嘉浩知事は「3月末までに国の予算が通らなければ(県の予算)執行に影響が出る可能性がある」と指摘する。補助金などを当て込む自治体の事業には影響が及ぶ見通しで、静岡県の鈴木康友知事も「県民生活に影響が出ないように配慮してほしい」と注目をつけている。

 仮に来年度の当初予算案が年度内に成立しない場合、年金支払いや医療福祉サービスなど当面の必要経費のみを盛り込んだ暫定予算が組まれることになる。暫定予算を編成するとなれば2015年以来11年ぶりだが、新規で始める政策は暫定予算ではできない。4月から開始予定だった物価高対策もNOだ。

 2026年度の予算案には私立高校授業料の無償化や公立小学校の給食費無償化、軽油引取税に上乗せされている暫定税率の廃止などが盛り込まれている。これまでのニュースで「無償化される」と思っていた家庭は注意が必要で、3月中に軽油の暫定税率廃止法案が成立しなければ燃料価格は4月から再び上昇することになる。

高騰する日経平均

 とはいえ、マーケットは高市首相による早期解散を好感している。長期金利の上昇や円安進行への警戒感は残るものの、東京株式市場は日経平均株価(225種)が大幅続伸。1月14日の終値は5万4341円23銭となり、5万4000円を初めて突破した。総選挙で高市首相(自民党総裁)が率いる自民党が議席を伸ばせば、首相の積極財政の前進に伴って株高が進む「高市トレード」が加速するとの思惑が広がる。

 ただ、気になるのは高市首相が率いる自民党は本当に衆院選で勝利することができるのか、という点だ。マーケットは「自民圧勝」を織り込んでいるように見えるが、自民党の政党支持率は思ったよりも上昇していないことに加え、前回(2024年)衆院選で自民惨敗の要因となった「政治とカネ」問題が何ら解消していない点も気がかりと言える。

 この点、日本テレビは1月15日、前回衆院選のデータを用いたシミュレーションを報道した。立憲民主党と公明党が新党結成で合意したことを受けて算出したもので、前提は「公明党支持者が自民党の候補に投票せず、立憲民主党の候補に投票した」として試算したものだ。

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この記事の著者
伊藤慶

作家・小説家。経済、政治に精通。小説家としての処女作『奪われる: スパイ天国・日本の敗戦 (みんかぶマガジンノベルス)』がみんかぶマガジンにて連載中。

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