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衆院選圧勝でも金融関係者から総スカンをくらう高市政権「政策の根拠があまりに乏しい」…将来世代へのツケだけでなく、現在の経済成長にもブレーキ

(c) AdobeStock

 衆議院選挙で高市・自民が圧勝し、高市政権の基盤が強化された。そんな高市政権が国民から高い支持を得ている一方で、市場関係者は焦りを隠せない。なぜ金融関係者は高市政権を嫌うのか。経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏が解説する ――。

目次

円安を肯定的にとらえる高市政権

 最近、フェイスブック上である投稿が大きな波紋を広げた。千葉県知事である熊谷俊人氏が、高市総理大臣の演説について触れたものだ。熊谷知事は、日本経済新聞が高市総理の演説を無料で全文掲載したことに対し、「日経は基本有料なので、全文を無料で掲載したことに無言のメッセージを感じる」と述べ、現状への強い危機感を露わにした。この記事は、日本経済の舵取りを担うリーダーが、どのような専門家の意見を参考にすべきかという、非常に重い問いを投げかけている。

 現在、為替市場では1ドルが155円前後という、いわゆる円安の状態が続いている。これに対して、高市総理は輸出産業にとって大きなチャンスであるという主旨の発言をし、円安を肯定的に捉える姿勢を見せた。この発言を受けて、市場ではさらなる円安が進む場面もあった。

 実際の統計データを確認すると、円が1%安くなることで、日本の輸出量は0.45%程度増え、国全体の経済規模を示すGDPは0.11%ほど押し上げられる傾向がある。かつて2012年頃から始まった円安の時期には、輸出額が毎年5%近く伸び、自動車産業などを中心に企業が大きな利益を上げた実績もある。

政府の無理な為替介入は長期的には失敗に終わる

 もちろん、輸入品の価格が上がることで、物価が2%程度上昇し、家計を圧迫したという側面も無視はできない。政府がすべきは、安易な市場介入ではなく、歳出削減を実行し、国内の規制を緩めて生産性を上げることだ。税を低くして企業投資を促せば、賃金が上がり、家計の苦しさは本質的に解消される。逆に、過去の歴史を振り返っても、政府が無理に為替に介入して流れを変えようとした試みは、一時的な効果しか得られず、長期的には市場を歪め、失敗に終わってしまう。

 熊谷知事は、投稿の中で極めて具体的な懸念を表明している。知事は、世界3位または4位の経済大国の首相として、「そろそろ高橋洋一氏のような、金融関係者から相手にされないような主張を信じるのは止めて欲しいと切に願います(高橋洋一氏の主張と今回の発言は酷似)」と綴った。

問題は円安そのものではなく、積極財政という考え方

 知事は「財政方針は首相の考え次第」としながらも、現在の首相の発言が世界中の経済メディアで報道され、国際的な信用に関わっている現状を憂慮している。「誰の話を信用するべきか、総理として聞くべき相手を間違えないで欲しいと思っています」とも語った。

 一方で高橋氏はこの発言にXで反論した。「これは名誉毀損じゃね。オレは、日銀当座預金付利を金融機関へのお小遣い(3.6兆円/年。金融機関は企業に当座預金付利していない)というので、表向き金融機関は相手をしないが、ALMの専門知識で適正対価でアドバイスを受けているよ。公人が公然と不事実で名誉を毀損していいのかね」。

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この記事の著者
小倉健一

1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立。現在に至る。 Twitter :@ogurapunk、CONTACT : https://k-ogura.jp/contact

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