第5回 身近な分野の日本株を調べてみたよ。

この連載は、ヘナチョコ投資家だった豆原里芽が、これから本格的に投資を始める読者のためにあれこれ調べて考える投資エッセイである。
【この記事で言いたいこと】
- みんかぶサイトを使って日本株のスクリーニングをするのは簡単。誰でもできるよ。
- 「金融」「石油」「スポーツ」分野のよく知ってる銘柄を比較してみよう!
投資を勉強すればインフレでも平気だよ!
4月になって桜が満開。「春だなあ」とポカポカ陽気を楽しみたいところだが、ちょっと憂鬱(ゆううつ)なことがある。
「値上げの春」だ!
今年の値上げは、日常生活の中ではっきり感じた。スーパーに買い物に行けば、わたしがいつも購入する「冷凍うどん」や「6Pチーズ」が確実に高くなっているし、ガソリン代は170円を超えている。ちなみにガソリンの全国平均価格が170円を超えるのは2008年以来のことだとか。
値上げのニュースはむちゃくちゃよく聞く一方で、預金金利はピクリとも動かないし、非正規や中小企業のお給料が上がっているというニュースもいつまでたっても聞こえてこないよね。
物価が上昇しても生活に困らないように、投資の勉強は続けていきたいなって改めて感じる。
―――投資を真面目に勉強して、安定的な資産形成にトライすることの重要性と緊急性をヒシヒシ感じる! 物価高って聞くだけで胸が痛いよ…。
身近な興味を手がかりに銘柄を選ぶ
前回は、長期保有する株式を選ぶために、市場の値動きに左右されずに株式を選定する基準(PERと売上高)を決めた。
今回は、みんかぶサイトを使ってスクリーニング(株式選定)をすることにした。
―――スクリーニングなんて偉そうに言ってるけど、やることはみんかぶをチェックするだけだぞ!
みんかぶは情報量が多いし、初心者でも株が探せるように選び方もたくさんある。TOPにある「銘柄を探す」のタブ(下図)を開いたら何時間でも楽しめるね。

「株テーマから探す」で、興味がある分野のよく知ってる企業を探すことにしよう。
―――「株テーマから探す」って興味がある分野をまとめて見られるから、わたしは一番好きだな。
まずは(興味がある分野から)テーマを3つ、ピックアップしてみるね。
テーマ「金融」
長期保有を考えたときに真っ先に「銀行株」が思い浮かんだよ。銀行は人の生活に深く関わる企業だからさ。
わたしは銀行に勤めていたことがあるから本業の内容のイメージがわきやすいし、複数の銀行口座を持っているから「よく知っている企業」と言えそう。
今は業績が低迷しているけど、長い目で見たら銀行株の上昇局面は今後必ず来ると思うんだよね。
テーマ「石油」
最近、ガソリン価格が高いから困っているんだよね。
だから「石油を扱う企業は逆に利益が大きくなるのだろうか?」と思って石油を扱う会社に興味を持った。
わたしにとって自動車の運転は生活の一部で、ガソリンの価格はいつもチェックしているから、石油は身近な存在と言える。
でも電気自動車など石油を使わない技術の開発が進んでいるから、いつか石油が使われなくなる日がくるのかな?
テーマ「スポーツ」
最近ランニングを始めてウェアを買ったことから、スポーツメーカーが気になってる。
本当に個人的な趣味で取り上げたけど、リモートワーク化が進み、スポーツを始める人が増えているらしい。
スポーツは今後もなくなったりしない分野だろうな。
取りあえずオニツカタイガーのスニーカーが好きだからアシックス。それに競合他社のミズノを比べてみよう。
―――こんな安易な感じでいいのかな……。
PERと売上高で株式を見てみよう
手始めに上記3分野の株式6銘柄を調べることにした。

第一印象は「アシックスはPERが飛び抜けて高い!」。
上場してからの年数はみんな10年を超えている。アシックスやミズノは企業の平均寿命(37年)をとっくに超えていて、すっごく長寿だ。
―――大企業には、企業の寿命30年説って関係ないのかな…?
みんかぶでは売上高の推移がグラフになっていて、一目で右肩上がりかどうか分かるようになっている。数字とにらめっこするよりだいぶ見やすい。
―――企業を比較するのは思っていたよりも簡単。企業情報を丁寧に分かりやすくまとめてくれていて、とてもありがたいね。
【テーマ「金融」】


銀行株は、PERが10倍前後と他のテーマに比べて比較的「割安」だけど、売り上げのアナリスト予想が低い。グラフも(過去の実績から)右肩上がりではなく下がっている。
売り上げはこれから上がっていくのかなあ?