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中国経済ついに崩壊寸前か…自国を捨て日本移住を決断した中国富裕層が最終的な安全地帯として日本を選ぶ理由

(c) AdobeStock

 日中関係が悪化するなか、なぜ中国は日本との決定的な「経済断絶(デカップリング)」に踏み切れないのか。その背景にあるのは「中国経済の深刻な低迷」だ。

 さらに水面下では、自国に見切りをつけた中国富裕層の「日本への逃避」が加速しているという。中国の政治経済に詳しいエコノミスト・柯隆氏が、日中関係のリアルを解説する。

  みんかぶプレミアム特集「円安・インフレ狂騒曲」第2回。

目次

日中関係が悪化しても、習近平政権が「デカップリング」できない理由

 2025年、高市首相の「台湾有事は日本有事」の国会答弁をきっかけに、日中関係は急転直下して悪化している。習近平政権は高市政権に反発して、観光客の日本への渡航自粛を呼び掛けている。それを受けて団体旅行者は日本に来なくなったが、個人旅行者は依然として日本に来ている。実は習近平政権は日本にもっとも影響の大きい反日デモや日本製品不買運動を呼び掛けていない。現状において日中の政治関係が悪化しているが、経済関係はそれほど悪化していない。

 なぜ習近平政権は日本との経済的分断(デカップリング)を図っていないのだろうか。

 理由は明白である。中国経済は予想以上に低迷しており、ここで、日本企業が大挙して中国を離れるような事態が起きると、その影響が中国に跳ね返ってくる可能性が高い。要するに、日中経済の相互依存はすでに分断できなくなったのである。

対中国事業は継続か撤退か…日本企業の変わりゆく投資先とリスク管理

 ここで、まず日本企業の対中直接投資の動きを概観してみよう。

 国際協力銀行(JBIC)の2025年のアンケート調査によると、日本企業にとっての投資先として有望な市場として中国は上から5番目であるといわれている。実は、長い間、同調査では、中国は一貫してトップを君臨してきたが、今や5番目に下がった。一方、日本貿易振興機構(JETRO)の調査によると、海外直接投資を行っている日本企業の64.3%は中国事業を現状維持すると考えており、21.3%の企業は中国ビジネスを縮小するといわれている。

 日本国内では、反中感情が高まっているのを受け、中国とのデカップリングも辞さないとの極端な主張すら聞こえてくる。しかし、JBICとJETROの調査結果をみるかぎり、日本企業の動きは中国からの完全撤退よりも、サプライチェーンの最適化に取り組んでいる傾向が強いようにみえる。ビジネスの基本は利益を最大化する前提でリスクをきちんと管理することである。感情的になるのは百害あっても一利なしである。

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この記事の著者
柯隆

柯隆(か・りゅう) 1963年中国・南京生まれ。88年来日、94年名古屋大学大学院、経済学修士号取得。長銀総研、富士通総研を経て、2008年東京財団政策研究所主席研究員に。中国政治、社会関連の著書多数。「『中国「強国復権」の条件』(慶応義塾大学出版会)が第13回樫山純三賞を受賞、近著は『ネオ・チャイナリスク研究』(2021年、慶応大学出版会)。日本と中国双方の政治、経済に精通したオピニオンに定評。

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