「家を買えば勝手に価値が上がる」は本当か? 不動産のプロが指摘するマンション高騰のリアルと素人の“盲点”
「予算の限界を感じて、家を買うのを諦めかけている」――そんな焦りを感じているビジネスパーソンは少なくないだろう。マンション高騰の波に乗り遅れたと嘆く前に、正しい戦略を持ち、冷静に市場を見渡すことが重要だ。
本稿では、不動産のプロフェッショナルとして知られる稲垣ヨシクニ氏が、自分たちの身の丈に合い、かつ将来への投資にもなる“最適解”を包み隠さず公開。家を「消費財」と捉えるマインドセットの変革から、プロだけが知る「15%安く買う」投資ロジック、そして世帯年収「1000万円」「1500万円」「2000万円」それぞれの層がリアルに狙うべき具体的エリアまでを徹底解説していただいた。全5回の第1回。
※この記事は、みんかぶプレミアム連載「マンション・住まいで稼ぐ――シン富裕層への黄金ルート」の一部です。
目次
「マンションは最強の資産」と信じ込む人が見落としている事実
昨今、都心のマンション価格が高騰し続けるニュースを見て、「自分も早く家を買って儲けたい」「マンション投資で一獲千金を狙いたい」と鼻息を荒くする人が後を絶ちません。
しかし、日々不動産の最前線でお客様と向き合っている私から、まず最初にお伝えしておかなければならない残酷な真実があります。それは、「そもそも家を買えば儲かるという考え方自体が根本的に間違っている」ということです。
世の中の多くの人は、自宅を「最強の資産」だと無邪気に信じ込んでいます。しかし、家というのは本質的には消費財なのです。
この当たり前の事実を理解していない人があまりにも多すぎます。分かりやすい例で説明しましょう。皆さんがレストランに行って、カレーを注文したとします。そのカレーを半分まで食べておきながら、店員に向かって「半分食べたけど、全額返金してくれ」と要求したらどうなるでしょうか? おそらくクレーマーだと思われて店をつまみ出されるはずです。
家を買って、何年も住んで、数年後に買った値段以上で売ろうとするのは、本質的にはこれと全く同じことを言っているのです。人が住んで生活を営めば、建物は当然ながら経年劣化していきます。クロスは黒ずみ、水回りの設備は古くなり、外壁は傷みます。消費財である以上、使えば使うほどその価値は目減りしていくのが自然の摂理です。にもかかわらず、なぜ「住んだ家が、買った時より高く売れる」という不可思議な現象がまかり通っているのでしょうか?