「ビジネス構造の持続可能性を見極めることが投資判断の核心」自社株購入→資産3億円超のベテラン投資家が熱視線を送る注目銘柄公開

本稿で紹介している個別銘柄:任天堂(7974)、モノタロウ(3064)、テスラ(TSLA)、アリババ(BABA)、ビストラ(VST)、GE Vernova(GEV)、オクロ(OKLO)、フツパー(478A)、eBASE(3835)
1991年4月、新卒で入社した会社の自社株を購入したところから投資人生がスタートし、3億2,500万円の資産を築き上げた前田嘉一(まえだよしかず)氏。
バブル崩壊、ITバブル崩壊、リーマン・ショック、コロナショック、そしてトランプショックと、幾度もの暴落を生き抜いてきたベテラン個人投資家です。
今回は、ベテラン投資家が今注目している銘柄を教えてもらいました。
みんかぶプレミアム特集「物価高?景気悪化?それでも勝ち残る投資術」第3回。
目次
NVIDIAの急落シナリオは?
ーー今、銘柄数はどれくらい持っていますか。
30銘柄くらいだと思います。
――NVIDIAのような高値銘柄が急落するチャンスはあると思いますか。
今NVIDIAは200ドルですが、100ドルになる可能性は十分あるし、準備しています。落ちる理由としてはNVIDIA自体が悪いということではなく、トランプショックのように周りが全部落ちる時に一緒に落ちると見ています。2025年4月に100ドルを割りましたが、あれは典型的なトランプショックでした。
――トランプ大統領は今年秋に中間選挙を控えていますが、慎重になるのではないでしょうか。
私はむしろトランプ大統領は、株価や経済を動かすことに熱心だと思っています。必ず策を打って、いろんなことをして株を動かそう、もちろん上げようとしていますが、それが裏目に出る可能性は十分あります。トランプ大統領の暴走は、皆さん何度も目にしているはずです。次に備えるには今のうちに準備しておくことです。
――株を買う時に決算で一番重視するのはどこですか。
やはり最優先で確認するのはROE(自己資本利益率)であり、その企業が株主から集めた資本に対してどれだけ効率的に利益を上げているかという、稼ぐ力の根本を厳しく見ています。どれほど高名な企業であっても、ビジネスの構造そのものが非効率で儲からない仕組みになっていては意味がありませんから、まずはこの指標を通じて組織としての本質的な強さを測るようにしています。
同時に、直近の業績が綺麗な右肩上がりの増収増益を維持できているかどうかも分析すべき要素です。売上高と利益が共に拡大しているということは、そのビジネスモデルが市場に受け入れられ、現在進行形で競争力を保っている動かぬ証拠にほかなりません。単に目先の数字の良し悪しを追うのではなく、決算書を通じて「なぜこの会社はこれほど持続的に儲かり続けているのか」というビジネス構造の持続可能性を見極めることこそが、私の投資判断の核心にあります。
注目している銘柄公開
ーー今、注目している銘柄を教えてください。
ポートフォリオの第5位で、約1,000万円を投資しています。2003年から投資して、最高は17倍までになりました。
今の状況は、2003年に私が初めて任天堂に投資した時の状況と非常に似ていて、当時は、画面が二つあるDSというゲーム機が出る前の苦しい時期でした。
今、株価が下がってきていますが、Nintendo Switch 2のメモリなど半導体部品が高く採算面では厳しい状況ですが、任天堂は黒字基調で潤沢な現金を持っています。極端な話、一年間収入ゼロでも生き残れる会社です。投資家目線で言えば、今回の1万円の値上げで多分トントンになると思いますので、短期的には株価は戻ると思います。
とはいえ、任天堂のファンとしては、本当は値上げなんてしてほしくありませんでした。私自身、町工場の庶民的な環境で育ちましたから、子どもやその親御さんが「任天堂って、世間の値上げラッシュに負けずにちょっと損しながら頑張ってくれている。やっぱり無くなったら困るよね」と、身近に感じて応援してくれるような存在でいてほしいのです。それくらいじゃビクともしない潤沢な現金がある会社ですからね。
日本ではネット購入で値上げを抑える配慮もあるようですが、海外売上比率が3分の2を占めるため、海外では値上げの効果がもろに出てきます。
ただ、投資家目線で言えば8月の決算でどうなるかが楽しみです。