妻の貯金を夫に渡すハメに? 共働き夫婦の離婚に潜む「見えない財産」と絶対防衛ライン
離婚を決意したとき、多くの女性は「慰謝料や財産分与で、当然『もらえる側』になるはず」と思い込んでいる——しかし、その思い込みが最悪の事態を招くことがある。共働きで財布を完全に別にしている夫婦が増える中、ふたを開けてみたら「妻の貯金の方が多く、自分の財産を夫に渡すハメになった」というケースが実際に起きているのだ。
数多くの離婚相談を受ける離婚カウンセラー・行政書士の森本由紀氏は、「財産を『知らなかった』では、もらえないどころか損をするだけで終わる」と警鐘を鳴らす。相手の資産状況から、将来の退職金・年金、そして持ち家の査定額まで。離婚協議において「見えない数字」を把握していないことは、丸腰で戦場に出るようなものだ。
今回は森本氏に、離婚時に女性が陥りやすい「お金の落とし穴」と、2026年4月の最新の養育費ルール、そして絶対に損をしないための財産・住まいの防衛術について話を伺った。
みんかぶマガジン連載「絶対に損はしたくない!泥沼離婚のマネー戦略」第6回
目次
財産を「知らなかった」では、もらえないで終わる。最悪の場合、相手にお金を渡すケースも
――離婚で女性が特に不利になりやすいケースはどんな状況ですか?
「夫がいくら稼いでいるか、資産がどれだけあるかを全く把握できていない場合が一番危険です。家計の財布を妻が全部管理しているお宅はまだ大丈夫ですが、夫が全部握っていて妻には何もわからないというご家庭が時々あります。弁護士や調停を使っても、隠そうと思ったら隠せてしまうんです。親族の名義に預金を移していたり、自分で事業をやっていて売上の流れが全くわからないというケースもある。知らないと、もらえないまま終わってしまいます」
――最近は共働きで財布を別にしている夫婦も多いですが、それも問題になりますか?
「実はこれが、これから増える落とし穴だと思っています。共働きで財布を完全に別にしていると、相手の貯金がどれだけあるか把握できていないことが多い。離婚の際には婚姻期間中に築いた財産は原則として折半になるのですが、自分がコツコツ貯めてきたお金の半分を渡さないといけないというケースも出てきます。『そんなはずじゃなかった』と後から気づいても遅い。これから結婚する方には婚前契約を強く勧めています。財産の管理方法や、離婚時の取り決めを事前に書面にしておくことで、こうしたトラブルをかなり防げます」
夫には貯金があると思っていたから、離婚すれば自分がもらえる側だと思っていた――ところが実際には自分の方が貯金が多く、婚姻中に築いた財産として折半の対象になった結果、自分の貯金から夫に渡す形になったというケースが実際に起きている。「もらえる側」のつもりでいたのに「渡す側」になる。そういう誤算を防ぐためにも、相手の資産がいくらあるかを早めに把握しておくことが必要だ。