第12回 高齢ドライバー[その2] 転ばぬ先の杖、高齢ドライバーの事故パターンを知るべし!

前回は、高齢ドライバーの交通事故は増加する可能性が高く、社会的な取り組みが必要であることをご説明しました。
今回は、高齢ドライバーが起こしやすい事故とその対策についてご紹介します。
目次
高齢ドライバーが起こしやすい3つの事故
高齢ドライバーが起こしやすい3種類の事故は、いずれも加齢による身体能力の低下や、老人がかかりやすい疾患が原因となっています。
- ペダル踏み間違い事故
- 認知症による事故
- 視力低下による事故
1. ペダル踏み間違い事故
ブレーキとアクセルの踏み間違いによって起こる事故のことです。
・駐車場や車庫でバックをしようとして、誤ってアクセルを強く踏んだ。 ・信号なしの交差点に進入した時、自転車が飛び出してきたので急停止しようとしてアクセルを踏んだ。 ・カーブに差し掛かり減速しようとして、誤ってアクセルを踏んだ。 |
上記のような踏み間違いを起こした後に気が動転してしまうと、その後もペダル踏み続けてしまったり、繰り返し踏み間違えたりして、ニュースのような重大事故を起こしてしまいます。
このような重大事故を確実に防ぐにはサポカーS(安全運転サポート車)を選ぶ以外にはなさそうです。(経済産業省「サポカー(安全運転サポート車)」)。
今後、高齢ドライバーが車を買い替える際は、サポカーを選ぶのが常識になるでしょう。
【ペダル踏み間違い事故の防止策】
速度を落として運転する |
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運転の際は、安全運転を意識して速度を落として運転するように心がけましょう。 |
アクセルからブレーキへ踏み変える習慣を付ける |
アクセルから足を離しブレーキを踏むまでの動作で、かかとを付けて足先だけを動かしていると踏み間違いが起きやすくなります。足先だけでペダル操作をせず、必ず足全体を動かしてアクセルからブレーキへ踏み変えるように普段から心掛けましょう。 |
安全運転サポート車を活用する |
先進の安全技術を活用したセーフティ・サポートカーS(サポカーS)があります。これはペダル踏み間違い時の加速抑制装置や衝突被害を軽減するブレーキなどを搭載しています。車の買い替えなどの際に選ぶとよいでしょう。 |
2. 認知症による事故
認知症は、さまざまな原因によって認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます※。
※認知症にはアルツハイマー型、血管性、前頭側頭型、レビー小体型などの種類があり、症状はそれぞれ異なります。
加齢による物忘れと勘違いすることが多いです。主な初期症状としては、普段やっていることのミスが増えたり、話が通じなくなったり、さらに不安から気力がなくなったりすることがあります。 |
認知機能の低下は、普段の生活で問題にならない程度でも、自動車の運転には支障をきたすことがあるため注意が必要です。
周囲が少しでも変だと思ったり、本人が「今までと違う」と感じたりした場合は、ご家族の方と一緒に、専門の医療機関や警察の安全運転相談窓口に相談するようにしましょう。
また運転免許の更新時に認知機能検査をした後は、結果を見ながらいつまで運転できるか、運転免許返納後の交通手段をどうするかなどについて、ご家族の方と一緒に考えるとよいでしょう。