専業主婦から一代で急成長。内定100名・コロナ直撃の絶望から「退会を防いだ」業界初の経営判断とは
全国で直営で女性専用フィットネススタジオを展開する株式会社LOIVE。専業主婦から一転、同社代表取締役社長の前川彩香氏は、ホットヨガスタジオを核とするフィットネス事業を一代で築き上げた。札幌での起業から組織拡大、そしてコロナ禍という想定外の危機をどう乗り越えたのか。お金とビジネスの視点から、その軌跡を振り返る。全3回の第1回。
みんかぶマガジン連載「バリキャリ女性社長のワークライフ・ルール」
目次
東京にあって札幌にないもの。マーケットの空白に賭けた起業の原点
前川氏が起業を決意したのは、子どもが3歳になるタイミングだった。23歳で結婚、24歳で出産した後、パートナーから「子どもが3歳になるまでは専業主婦をしてほしい」と希望があったという。そして、その節目を迎えたことで 、起業という選択肢が現実のものになった。
起業のきっかけは友人の存在だった。「友人が東京でホットヨガをやっていて、ホットヨガというものが札幌にはまだなかったので、それで友人たちと一緒に起業しようと決めました」と前川氏は振り返る。
事業として札幌を選んだ理由は、極めてシンプルなマーケット分析だった。
「当時は東京にしかホットヨガがなくて、メディアでも結構取り上げられていたんです。それなのに札幌には一軒もない。だったら、札幌で一番最初にやれば、人が集まるんじゃないかと思いました」
需要はあるのに供給がない地域に、いち早く商機を見出した。
決断を後押ししたのは、視察での自身の体験でもあった。東京のホットヨガスタジオを見に行く当日の朝、子どもを抱っこしていて腰を痛め、ぎっくり腰の手前のような状態で飛行機に乗ったという。
「腰を引きずりながらホットヨガの視察に行ったんですね。そうしたら、ヨガをやった60分後にはもう痛くなくなっていたんですよ」
整体やストレッチに通った経験がなかった前川氏にとって、この体感がそのまま事業への確信につながったという。
現在は女性専用ホットヨガスタジオの「loIve(ロイブ)」(69店舗)、マシンピラティス専門スタジオ「pilates K」(159店舗)を主要とした5つのブランド、そして新規事業として企業向けの人財育成プログラム「Mission’S(ミッションズ)」を展開している。(2026年・6月末時点)