残念なガリ勉高学歴が知らない「年収を爆上げする知識のつけ方」…まずは師匠を見つけなさい
「9割の人は『お金を増やすための勉強の仕方』を知らず、受験勉強からアップデートできていません」と語るのは、人気経済アナリスト馬渕磨理子さん。収入が高い人が毎日欠かさず「勉強」するのはなぜか。お金持ちに共通する勉強法、どんなに忙しくても実践できる “超高速” 勉強法、仕事や投資に役立てるためのSNS活用法について聞きました。(第3回/全5回)
※本記事は、馬渕磨理子著『京大院卒経済アナリストが開発! 収入10倍アップ高速勉強法』(PHP研究所)より抜粋・再編集したものです。
第1回:アナリストがこっそり推奨…読むだけで年収が上がる「競合アナリスト」レポート8選
第2回:どんなに忙しくても「ToDoリスト」は手書きにするべき理由…年収を10倍にする究極仕事術
第4回:年収1億円プレイヤーが本当に読んでいるもの
第5回:あなたの年収が劇的にはね上がる、超一流の「話し方」「聞き方」「学び方」
社会人の勉強は、“最強のバカ” を目指すのが正解
皆さんがおそらく勘違いしていることがあります。勉強は一人でやるものではありません。知識は共有することでブラッシュアップされ続け、増幅されます。
私の17年間の勉強が実を結ばなかった理由の一つは、「知の共有」を怠ったからです。人との交流が苦手だったこともあり、友人と一緒に勉強したり、勉強した内容を共有したりせず、一人で黙々と勉強していました。学生時代は、間違いを恐れて、完璧に理解した状態でなければ誰かに話せないと思い込んでいました。
でも、完璧でなくてもいいのです。間違っていてもいいのです。むしろ、バカでいいんですよ。早くに間違いに気づける人のほうがよっぽどトクです。社会人の勉強はとくにそうです。
ビジネスシーンでは、完璧になるまで待ってはもらえません。ほぼ強制的にアウトプットを求められます。報告書やプレゼンテーションの資料を思い出してください。時間をかければこだわり続けることができます。細かい部分を調べ尽くしたり、レイアウトを綺麗にして見栄えを整えたりもできます。しかし、8割程度の状態で一度仲間と共有したほうが、最終的には良い物が出来上がります。
半熟卵のように輪郭は何となく自分で作っておきながら、固める作業は仲間とする。「少し違う考え方もあるよ」「勘違いしているかもしれないから、もう一度、検証してみたら」「この視点は斬新だね」といったフィードバックをもらえます。
自分では思いつかなかったアイデアが加味されるだけでなく、課題が浮き彫りになるので、その部分の知識をより深めることができます。
新規事業は、仲間からの “ツッコミ” でブラッシュアップ
私の周りの有能なビジネスパーソンもみな、新しい事業を立ち上げる際に途中段階の構想を惜しげもなく話してくれます。仲間たちから “ツッコミ” を受けまくり、どんどんブラッシュアップしていきます。
一人で考え、学んでいても、同じところをぐるぐる回っているだけで、成長に限界があります。進捗を周りと共有することで、できている点、できていない点を把握できるのです。
ただし、注意点があります。「8割の完成度までは自分の力でもっていく」ことです。
仲間と共有してアドバイスをもらうことを期待して、何も準備をしない人がいますが、それでは全く意味がありません。自分の中で8割程度までは学び、理解しておくことで、壁打ち相手としての仲間の存在が活きてくるのです。
あくまでも学びの主体は自分。そのことを忘れないでください。
収入が劇的に増える! お金持ち経営者に共通する「知識アウトプット法」
「知識」とは収入を増大させるものである、とここまでお話ししてきました。
知識が収入の源泉であるならば、「知識をどう増幅させていくか」が、収入アップのポイントになります。
図1は、一人で学んでいる時の知識の拡大イメージ、図2は、「知の共有」をした際の知識の拡大イメージをそれぞれ図解したものです。一人だけで学んでも知識は増えていきますが、手探り状態が長く、知識が拡大するまでに時間がかかります(図1)。
[図1] アウトプットをせずに一人で学んでいるときの知識の拡大イメージ
一方で「知の共有」をした後には、自分の知識が輪をかけたように、拡大します(図2)。
[図2] 「知の共有」をした際の知識の拡大イメージ
この感覚を得たのは、私が社会人になり、このようにして雪だるま式に知識を増やし、年収を増やす経営者やビジネスパーソンたちの姿を見てきたからです。「知の共有」をした次の段階では、相手と議論して得た視点が「ブラッシュアップゾーン」として膨らみ、知識の円が確実に大きくなっていることが実感できます。その大きくなった円をベースに再び、一人で学ぶ時間を作ります。
大きくなった知識の円を自分で育てながら「知の共有」をしていけば、一段と円が大きくなります。この知識の増幅とともに、私は収入が増加していきました。
「自分の知識」→「知の共有」→「ブラッシュアップゾーン」→「一回り大きな知識の円」
このようにして知識を雪だるま式に増やしていけば、勉強がますます楽しいものになっていくはずです。
最短距離で年収アップするには「成果保証」の知識を得る
自分と同じ専門職の頼れる先輩や上司を見つけて、「お手本」にすると学びのスピードが飛躍的に高まります。
金融メディア会社のフィスコに転職した時に、中村孝也さん(現フィスコ取締役)というアナリストの上司のもとで働きました。これは私にとって、とてもラッキーなことでした。
その仕事ぶりから多くのことを学べたのはもちろん、中村さんの最大の強みは個別の企業分析だけでなく、地政学やマクロ経済、国の政策に関する深い知識です。
たとえば地政学はとくに論者によって意見がバラバラな分野ですが、中村さんは、地政学も金融の視点で考えます。リスクシナリオを何パターンも用意するだけでなく、想定しうるケースごとにリスクを考えるという手法を使います。つまり、フラットにリスクを考えます。
この考え方に出合い、私の「知識の円」は飛躍的に拡大しました。また、中村さんからは、読むべきレポートや本をたくさん薦めていただきました。その分野で抜きん出た成果を出している人から紹介された本や情報には無駄がありません。成果が保証されているからです。
薦められたレポートや本をきっちり読むようにすれば、最短距離で年収アップを実現できるでしょう。
転職も異動もない人こそ、異業種で活躍する「師匠」を見つけよう
私にはもう一人、尊敬できる「師匠」がいます。正社員として勤めるFUNDINNOで上司として面倒を見てくれている向井純太郎CMO(最高マーケティング責任者)です。
向井は、元エンジニアでありながら、MBAホルダー。IPO(新規株式上場)を目指す組織をゼロから構築しているマーケターでもあります。私にはないスキルをすべて持ち合わせている方です。
向井が成功に導いた資金調達、プロモーションは数え切れません。その手腕を部下として間近で見られることが、私にとって「資産」になっています。
上場企業とは違い、ベンチャー業界の情報はほとんど知れ渡りません。ベンチャー・スタートアップ業界の知識も深い向井からは、ベンチャー業界の常識や考え方をゼロから百まで教えてもらいました。
私の場合は、アナリストという職種から、尊敬している人や尊敬できる上司が、知の共有をする「壁打ち」相手です。そういう人が周りにいない人は、同じ組織の中に尊敬できる人や、一緒にプロジェクトを進めている仲間を頼ってみましょう。「違う視点」の答えが返ってきて、それが価値になります。
知識の円を一回りも二回りも大きくしてくれる存在、「壁打ち」相手になってくれる「先生」をぜひ見つけてください。
SNSを駆使して、稼げる自分になる方法
知の共有をする上司や仲間がすぐに思い当たらない場合、ツイッターやインスタグラムといったSNS、あるいはブログやnoteを使って「壁打ち」の仲間を探すこともできます。
世の中には、自分と同じ分野に興味を持つ人が必ずいます。そういう人とお近づきになるのです。ポイントは、
- 1.発信する内容に一貫性を持たせる
- 2.とにかく続ける
- 3.「誰かのために」という視点を意識する
ポイントを説明する前に、実際のツイートを紹介しましょう。毎朝ストックしている『日経新聞』の記事の中から、フォロワーの方々に役立ちそうな記事をシェアしています(図3 ①②)。
[図3] 実際のツイート
マーケットが荒れていて、投資家の心理が不安定になりやすい時には「長期投資」をお声がけするようにしています(図4 ③)。また日々の相場観も発信しています(図4 ④)。
[図4] 実際のツイート
1.発信する内容に一貫性を持たせる
全般的なビジネスの話を発信するよりも、テーマを1つに絞りましょう。「株式投資」「マーケティング」「ベンチャー業界」「会計知識」、それぞれ経済の話ですが、どれも満遍なく発信するのではなく、自分の得意とする分野に特化して発信することです。
2.とにかく続ける
最初は反応がほとんどないかもしれません。最低、半年間は継続して発信してください。継続性のないところに人は集まってきません。まずは1日1ツイートから。そうすると、壁打ち仲間が少しずつ増えていくでしょう。
3.「誰かのために」という視点を意識する
SNSの発信も勉強と同様、「誰かのために」という視点が欠かせません。「勉強になった」「役立った」と思ってもらえれば、仲間が1人増えた証。そして、じつはこの過程で自然に「知の共有」ができています。「もっと詳しく知りたい」「これってどういうこと?」といったコメントをもらえれば、自分の学びも深まります。
また、自ら発信する行為は「一人稽古」そのもの。情報をコンパクトに要約する力も付きますし、どんな言葉を使えばわかりやすい内容になるかなど、毎日続けると、言葉の使い方がブラッシュアップされます。プレゼンや執筆の際に大いに役立ちます。
とにかく数を発信して、「知識」の円を雪だるま式に大きくしてください。その円の大きさが表すのは「あなたのオリジナリティ(独自性)」です。独自性は「あなただけのスキル」であり、強みとなります。この独自性がビジネスにおいては価値となり、そこに報酬が支払われるのです。