年収1億円プレイヤーが本当に読んでいるもの

 「『しかるべき勉強』をすれば、誰でも1億円プレーヤーになることができます」と語るのは、年収260万円→2年で10倍にし、働きながらお金持ちになるための知的生産スキルを磨いてきた人気経済アナリストの馬渕磨理子さん。トップ年収の人たちに共通する能力と「お金を増やす」ための勉強法、アナリストならではの新聞・雑誌からの情報収集・分析・整理術をお届けします。(第4回/全5回)

※本記事は、馬渕磨理子著『京大院卒経済アナリストが開発! 収入10倍アップ高速勉強法』(PHP研究所)より抜粋・再編集したものです。

第1回:アナリストがこっそり推奨…読むだけで年収が上がる「競合アナリスト」レポート8選
第2回:どんなに忙しくても「ToDoリスト」は手書きにするべき理由…年収を10倍にする究極仕事術
第3回:残念なガリ勉高学歴が知らない「年収を爆上げする知識のつけ方」…まずは師匠を見つけなさい
第5回:あなたの年収が劇的にはね上がる、超一流の「話し方」「聞き方」「学び方」

「サービス」に全力を注げ…年収1億円プレーヤーの共通点

 ここで問題です。営業職で最も稼いでいる業種は何でしょうか?

 おそらく、保険会社でしょう。なかには年収1億~3億円を稼ぐ人もいます。

 私がお世話になっている知人にもそのランクの人が2人います。法人向け資産運用をしていた20代の頃、その方々に保険の契約をお願いする機会がありました。

 数カ月間、仕事ぶりを間近で拝見するなかで、ある共通点に気づきました。彼らが販売する商品は言うまでもなく保険です。しかし、実際は訪問先のコンサルティングをしていたのです。

 その凄腕(すごうで)営業パーソンは決算資料、財務諸表を読み解き、その会社のウィークポイントを分析します。大局の経済動向を把握したうえで市場の動向を正確につかんでいるので説得力が違います。クライアント先の財務状況から理想の人事を共に考え、人材確保のルートづくりまで提案していました。

 一方で、顧客の法人経営者の子供が留学すると聞いたら、その相談にも乗ります(まさにウェルスマネジメントですね)。もちろん、その相談費用は請求しません。あくまでサービスの一環として行なっているのです。

 営業職の頂点は保険の営業パーソンであり、彼らがビリオネアになるのも納得です。いきなり保険の営業パーソンの話をされて、「私には到底真似できない」と戸惑われるかもしれませんが、そんなことはないのです。

 トップ年収の人たちにはいくつか共通する能力が存在します。そして、彼らの多くはしかるべき勉強をして、その能力を高めてきました。

 「しかるべき勉強」をすれば、誰でも1億円プレーヤーになることができます。

 今回、「投資術」「経済情報」「企業研究」という3つのジャンルに分けて「お金を増やす」ための勉強法をお伝えします。

 いずれも、第一線で活躍する経営者や実業家の成功例を参考にしつつ私が試行錯誤しながら実践、結果を出してきたメソッドです。しかも時間がなくても効率的に学べる方法で、多くのビジネスパーソンからもお墨付きを得ています。ぜひ、ご自身の目指す方向、ジャンルに合わせて参考にしてみてください。

誰でも1億円プレーヤーになれる! 「投資術」はマネー誌、ビジネス誌で学べ

 「投資を体系的に学べる本を教えてください!」という質問はたくさん寄せられます。投資の用語解説や投資の手法などをまとめた書籍は山のようにあり、何を買えばいいのか迷うのも仕方がないでしょう。

 しかし、「この1冊だけを読めば大丈夫!」という投資術の本は存在しません。なぜなら投資は、つねに最新の社会情勢をつかみながら、これから何が起きるかを予測する力が求められるからです。投資スキルをさらに高めたり、課題を克服する目的で投資本を手に取るのはいいですが、トレンド把握には適していません。

 リアルな投資環境に近い情報をわかりやすく解説し、かつ個々の課題を解決する需要にもこたえてくれるのが「マネー誌」です。代表的なのは『ダイヤモンドZAi』『日経マネー』などです。

 マネー誌は高配当投資、ほったらかし投資、黒字転換投資、米国株投資、グロース株投資、バリュー株投資など、相場トレンドに合った投資手法を紹介してくれます。個人投資家による失敗談や成功談も参考になります。

ビジネス誌を読めば「社会の課題」がわかる。『業界地図』はマストバイ

 『週刊ダイヤモンド』『週刊東洋経済』『プレジデント』『日経トレンディ』『週刊エコノミスト』などのビジネス誌では、定期的に「株特集」や「テーマ株特集」が組まれます。『週刊ポスト』『週刊SPA!』『FRIDAY』『週刊プレイボーイ』といった週刊誌にも株を扱ったページが頻繁に掲載されるので、こまめにチェックするようにしましょう。

 ビジネス誌の情報はマネー誌よりも、業界情報を深掘りしています。たとえば、DX、脱炭素、農業、アフターコロナといった株式投資の切り口がありますが、マネー誌は、DXの注目企業とその企業の取組みなどを紹介しています。

 一方で、ビジネス誌は、そもそもDXとは何か、「社会の根底に横たわる課題」を数字のデータを用いながら深掘りしていたりします。つまり、「業界の前置き」がしっかりしています。大切だとお伝えしてきた「定義・前提」の情報がたくさんあるのがビジネス誌です。

[図1] マネー誌とビジネス誌の違い

 企業分析を深めたい方には、『業界地図』がオススメです。

 毎年8月頃に発売されます。業界ごとに業界の動向や主要企業の業績、関係性などが視覚的にわかりやすく掲載されています。

 代表的なものは東洋経済新報社と日本経済新聞社から発行される2冊。内容に大きな違いはないので、ビジュアル重視で好きなほうを選べばいいでしょう。高収入の営業パーソンは必ず1冊持っていて、面談前のネタ仕込みに使っています。

[図2] オススメ『業界地図』

エコノミストが丁寧解説! 経済動向で参考にしておきたい指標3選

 経済指標には、「これさえ押さえればいい」という上限はありません。「雇用統計」ばかりが注目された時期もありましたが、近年では以前ほど注目されてはいません。時代に合わせてご自身でアップデートしていただくことを前提に、比較的長く使える経済指標を3つ紹介します。

[指標1]⽶雇用統計:非農業部門雇用者数、失業率

 米国の中央銀行にあたる米連邦準備理事会(FRB)は「物価の安定」と「雇用の最大化」という責任を負っています。そのため、雇用情勢は⽶国の金融政策に大きな影響を与えます。

 たとえば、景気の冷え込みにより失業率が高まれば、金融緩和政策で経済を下支えします。一方で、景気が過熱し雇用環境も改善されれば、金融緩和から利上げを行なうなどの引き締めの方向に舵を切ります。米国の金利が何%になるのか。その根拠として、雇用情勢の良し悪しが金融政策に大きな影響を与えます。

[指標2]⽶FOMC:連邦公開市場委員会

 雇用と物価(消費者物価指数:CPI)のデータをもとに、米国の金融政策を決定する会合がFOMCです。ここで決められた内容が報道で発表されます。

 FOMCでは、政策金利の上げ下げなどの方針が発表されます。その結果が市場の予想とは違った場合、株価や為替が大きく変動します。世界の金融マーケットにも大きな影響を及ぼしかねない指標といえます。

[指標3]GDP:世界、日本、アメリカ、欧州

 GDPの実績値と見通し(予想)はどちらも重要です。GDPとは簡単に言えば国や地域の経済活動状況です。GDPの内訳の多くを占めるものが個人消費です。個人消費が活発になると、企業の業績向上が見込めるため、経済にプラスの影響を与える可能性があります。指標では、GDPが前年同期よりも増加または減少したかを確認しましょう。

 同じように、GDPの見通しも確認します。今年だけでなく、来年、再来年の見通しがどれだけ成長するのかも重要な指標になります。下記の図を見てください。[1]米国の雇用情勢と物価の状況が[2]FOMCの政策に影響を与え、両者の活動が[3]GDPの数字として表れるという関係です。

[図3] 「3つの指標」の関係性

 この図に示したロジックの流れを頭に入れておけば、重要な指標を忘れにくいと思います。

馬渕磨理子著『京大院卒経済アナリストが開発! 収入10倍アップ高速勉強法』(PHP研究所)

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