アナリストがこっそり推奨…読むだけで年収が上がる「競合アナリスト」レポート8選

 「どんな人でも勉強をすれば、今の収入を10倍に増やせます」と語るのは、人気経済アナリストの馬渕磨理子さん。かつて大学受験や就職に失敗し「頭でっかち」と言われていた過去を経て、当時の年収260万円から10倍アップした秘訣を初公開。今回は、多忙なビジネスパーソン必見の、経済アナリストならではの超効率的な経済情報の収集術をご紹介します。(第1回/全5回)

※本記事は、馬渕磨理子著『京大院卒経済アナリストが開発! 収入10倍アップ高速勉強法』(PHP研究所)より抜粋・再編集したものです。

第2回:どんなに忙しくても「ToDoリスト」は手書きにするべき理由…年収を10倍にする究極仕事術
第3回:残念なガリ勉高学歴が知らない「年収を爆上げする知識のつけ方」…まずは師匠を見つけなさい
第4回:年収1億円プレイヤーが本当に読んでいるもの
第5回:あなたの年収が劇的にはね上がる、超一流の「話し方」「聞き方」「学び方」

収入アップと出世の裏ワザは、人が嫌がる仕事を引き受けること

 収入が倍増している人には「ある共通点」があります。ネットや本に書いていない深い知識を持っていたり、独自の経験を持っていたりするのです。

 収入増は知識によるものだけでなく、「経験」も大きな要素となります。学ぶ動機が見出せないという方は勉強するのではなく、自分から経験を積みにいけばいいのです。たとえば、昇格を目指したり、副業にチャレンジしたりすることで学びの機会が一気に増えます。転職も一つの手ですが、ご家庭を持つ人には少しハードルが高いですし、それなりの実績がないと有望な転職先は見つかりません。そこでまずは、今の場所で上(昇格)を目指すのも一つの手です。

 どの会社でも、やる気のある人間には「新規事業」や「経営企画」などに携わるチャンスが巡ってきます。チャンスがないと思っている人は、自ら名乗り出ていないだけかもしれません。

 私の友人も昇格したい旨を思い切って上司に伝えたところ、経営の中枢を担う部署で仕事をする機会を得られました。決してラクな仕事ではなく、最初は雑用に近い業務を担わされるかもしれません。しかし、そこでの仕事ぶりが認められれば、昇格したり、収入が増加したりする可能性は高いでしょう。

 ポイントは「人が嫌がる仕事を、誰よりも率先してやる」。これは私が尊敬する経営者が話してくれたことです。「人が嫌がる仕事」とは、経営者あるいは上司が困っている仕事です。面倒な経営課題を率先して解決してくれる人材は重宝されます。

 その神髄を話してくれたその経営者は若い頃、上司の困っている仕事を率先して代行してきました。その結果、あれよあれよという間に出世し、独立。売上規模200億円の企業に成長させました。

お金に変わる「独自性」と「多様性」を得られるのが副業のメリット

 本業をやりながら、空いた時間で収入を得る副業は、魅力的な勤労手段です。しかし収入目的だけで副業するのは、もったいない! 副業の最大のメリットは、今働いている会社とは異なる文化やナレッジを持つ環境に身を置くことができ、そこで働く様々な立場の人たちと交流できる点にあります。その経験が自分だけの「独自性」を生み出します。

 私は、経済アナリストとしての仕事がどんなに増えても、組織(企業)に所属し続けてきました。FUNDINNOでは正社員、フィスコでは業務委託という形で働いています。その立場で言うと、どんなに個人が優秀で、どれだけ個人で稼げても、ミルフィーユのように積み重なる組織、人間が束になって活動している組織の中にあるナレッジ、ノウハウには敵(かな)いません。このことは、上場企業・未上場企業に年間のべ200社ほど取材している経験から、はっきりと感じます。

 世の中に二つとして同じ組織はありません。それぞれの組織に独自のナレッジや企業文化があり、そこから学べる価値は計り知れないものがあります。副業をする際は、今の会社とは全く違う文化を持つ組織に属したほうが得るものは多いです。

 逆に新鮮さに欠けて、ガッカリする組織もあるでしょう。その場合は、副業で得られる報酬がどんなに高くても、すぐに撤退することをお勧めします。

 様々な組織内のナレッジにアクセスすると、「独自の経験を持つ人」になれます。収入アップも見込めますが、それ以上に有益なのは、組織のナレッジが自分の中に蓄積されること。まさに、現場でどんどん「仕入れ」をしているようなものです。その「仕入れ」は後々ほかにはない価値となり、自分の「資産」を肥大化させてくれます。

 自分の価値が十分に高まれば、今いる職場では能力を持て余すようになり、溢れ出るエネルギーをほかの環境で発揮したくなります。この段階に達して初めて転職を検討すればいいのです。自分の能力を活かせる企業やフィールドを見つけた時点で転職すれば、当然ながら報酬は高くなっていきます。

最初に「本」を読むから失敗する。受験勉強テクから脱却する方法

 お待たせしました。ここからは収入を増やすための具体的な勉強法をお伝えします。基礎を学ぶ重要性が頭に入った状態の皆さんなら、これから述べることを実践し続けていけば、成果は必ずついてきます。頑張っていきましょう!

 基礎から何かを学ぼうとして「どの本から読んだらいいの?」と考える人は多いでしょう。

 この発想こそが、学生時代の勉強法から抜け出せていない証拠です。早急にアップデートしてください!

 結論からお伝えすると、最初に読むべきなのは「雑誌や新聞のコラム」です。「本」から読んではいけません。手をつける順番が逆なのです。

 教科書中心で勉強してきた学生時代の習慣から、私たちは本に正解を求めがちです。しかし、仕事やビジネスの実践で使える情報を得るには、本だけでは物足りません。とくに金融経済に関する「本」は著者によって考え方や理論が様々で、必ずしもその理論がリアルな経済と一致しているとは限りません。

 本から入ると勉強は長続きしません。

 「せっかく忙しい合間を縫って本を読んだのに、実務現場で役に立たなかった」という苦い経験をお持ちの方も多いでしょう。実践で使えなければ、何のために勉強したのか意味が見出せずに、勉強が嫌になってしまいます。

 そこで「雑誌・新聞のコラム」からスタートし、その後に「本」を読みましょう。雑誌や新聞のコラムは、各分野のトレンド情報で構成されます。そして、その記事に根拠を持たせるために、専門家の意見を取材して掲載します。

 つまり、専門家が時間をかけて独自の見解を執筆する本に比べて、その時々の経済の流れや時勢を反映している雑誌や新聞のコラムに掲載されている情報のほうが、リアルなビジネスの現場に直結する情報と言えます。

 その点において、これから学び直しを始める人にとって取り掛かりやすいのが「雑誌・新聞のコラム」なのです。

毎日の効率的な情報収集のカギは、専門家の「一言」

 雑誌とは『週刊ダイヤモンド』『週刊東洋経済』『週刊エコノミスト』など書店やコンビニで売られているビジネス誌です。

 新聞コラムとは、「ニュース記事」ではなく、朝刊の中面や夕刊に掲載される「解説記事」を指します。専門家や識者のコメントが入っている記事も含まれます。

 また、『日本経済新聞』電子版には「Think!」という機能があり、各界のエキスパートや日経の編集委員・論説委員が、注目ニュースにひとこと解説を投稿しています。業界で信頼されている専門家のコメントは、通勤時に手っ取り早く議論の行方を知りたいという方などにはとても役立ちます。

 雑誌や新聞に書いてある情報に触れ続けていると、「このテーマだと、この専門家がよく登場するな」と気づくはずです。さらに「この人の話していることは、まともだ。わかりやすい」など、お気に入りの専門家が出てくればしめたものです。

 その専門家が執筆しているレポートを読み、そのうえで書籍を購入するという手順を踏めばいいのです。

本当は教えたくない「推しの専門家」経済分析や為替動向はココから

 私は、9年前から経済界で信頼できる専門家を見つけては、その人の記事を追い続けてきました。ここでは、そのリストの一部をご紹介します。

 9年分の時間を短縮して、今すぐ信頼できる専門家の情報に触れることができますので、ぜひ有効活用してほしいです。私にとってまさに秘伝のタレ、それが「推しの専門家」です。

[マクロ経済分析]

  • 永濱利廣(ながはま・としひろ)氏<第一生命経済研究所経済調査部・首席エコノミスト>レポート
  • 井出真吾(いで・しんご)氏、矢嶋康次(やじま・やすひで)氏<共にニッセイ基礎研究所>レポート
  • 「コラム 木内登英(きうち・たかひで)のGlobal Economy & Policy Insight」<野村総合研究所>
  • 河野龍太郎(こうの・りゅうたろう)氏<BNPパリバ証券経済調査本部長チーフエコノミスト>レポート

[株式市場の見通し]

  • 木野内栄治(きのうち・えいじ)氏<大和証券>新聞コメント
  • 藤戸則弘(ふじと・のりひろ)氏<三菱UFJモルガン・スタンレー証券>新聞コメント

 マクロ経済分析で挙げた5名のエコノミストによるレポートは、ビジネスパーソンや投資家ならマストでチェックすべき情報です。株式市場については『日経新聞』電子版で「木野内栄治」「藤戸則弘」と検索すると、時系列で木野内氏、藤戸氏の相場展開の見通しのコメントを読むことができます。

 経済を俯瞰(ふかん)的に学びたい人は、記事を追うだけでも効率的に情報収集できます。藤戸氏は毎週火曜日にレポートを公開しています。三菱UFJモルガン・スタンレー証券にログイン後に読めるレポートですが、口座開設すれば無料で読めます。

[為替の動向]

  • 唐鎌大輔(からかま・だいすけ)氏<みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト>

 世界情勢と為替の見通しに定評のある唐鎌氏のレポートは、米国の利上げや地政学リスクなどで為替が大きく動いたタイミングで、その背景を丁寧に解説してくれます。「東洋経済オンライン」「現代ビジネス」や公式「note」などで最新情報をチェックできます。

 まだまだ、好きな専門家の方々のストックはたくさんありますが、ここでは、経済・金融を学びたいという方にぴったりな専門家の一部をご紹介しました。

 次項を参考にして、あなただけの「推しの専門家」を見つけてみましょう。

 各分野1、2人に絞ると、フォローに無理が生じず、参考にする論点がブレる心配がありません。

馬渕磨理子著『京大院卒経済アナリストが開発! 収入10倍アップ高速勉強法』(PHP研究所)

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