なぜ、収入の2割は必ず貯金するべきか…金持ちしか知らない、億万長者「四つの特徴」
40歳で資産1億円を達成した「たぱぞう」さん。周りには同じく億万長者の知人がたくさんいるといい、それら「稼げる人」には共通した性質があると話す。たぱぞうさんが「子どもが将来稼げる人になるために、ぜひ今からでも始めるべき」と勧めるあり方とは――。
※本稿はたぱぞう著『僕が子どもに教えている1億円のつくり方』(KADOKAWA)から抜粋・再編集したものです。
第1回:億万長者が持つ「趣味」とは…【統計】金融教育を受ければ「年収も資産も多くなる」
第3回:1億貯めた男の真理「S&P500をコツコツ買い続けるのが正解」…なぜ銀行に預けるとお金は減っていくのか
収入の2割は貯蓄に
お金を増やす段階の人は、お金が手に入ったらいくら使おうではなく、まずは使わない金額や割合を決めることが重要です。今ある収入は、今と将来のための収入と割り切るのです。仮に毎月給与を支給されている人であれば、「毎月〇万円は貯蓄(あるいは投資)する」「ボーナスの半分は使わずに貯蓄(あるいは投資)する」などと先に決めましょう。
こういうルールを作り、そのルールを順守できる人が億万長者になれる人です。収入の多寡の問題ではなく、お金を残す習慣が重要なのです。そして、お子さんにも同じルールを守らせましょう。いつも渡すお小遣いの「2割は貯金する」「お年玉の半分は貯金する」といった習慣をつけさせるのです。早くからこうした習慣がついていれば、一生お金に困らずに生きていけるはずです。
最初は大きな金額でなくてもよいのです。まずは「貯める」という習慣を作ることが大事ですから。その習慣が身につけば、残ったお金で生活することを強いられますので、お金の使い方も上手になります。限られた予算でどうやったら自分が幸福感を感じるようになるかを考えるようになるからです。
毎月お金を残すことができるようになれば、次は目標を持ちましょう。最初の目標は年齢や稼ぎにもよります。お子さんなら1万円、10万円。働いているなら100万円、1000万円でしょうか。あまり目標を高くしすぎると、達成までに時間がかかって挫折してしまいがちです。あまり長い時間をかけずに手が届きそうな目標がいいと思います。
できれば記録をつけるといいでしょう。貯金した日と金額、その結果の残高を記録してグラフを描いてみると変化がわかりますね。右肩上がりになっていくのを眺めると、きっと気分がよくなりますし、続けようと思えることでしょう。大事なことは、目標を立てて達成する経験値を増やすことです。
貯金額に関しては、絶対額を決めるのではなく、収入に対する割合を決めるのがいいでしょう。まずは手取り収入の2割を「貯める」ようにしたいです。これができていないのであれば、出て行ってしまっているお金である「支出」について、その性格を把握すべきです。支出は「消費・浪費」の2種類に分かれます。「消費」は生活に必要な支出です。住居費、食費、水道光熱費、通信費、子どもの教育費などがこれに当たります。必ず出ていくものです。
「浪費」は平たく言えば無駄遣いです。たとえば、コンビニに行った際になんとなく買ったお菓子や雑誌代、不必要なブランド品の購入に費やしてしまったお金などです。とりあえずの目安は、収入の2割を「貯める金額」、残りの8割のうちの7割を「消費」、1割を「浪費」にしましょう。
学歴と収入には相関関係
経済的に困ることがなく、自立を促したいと思うならば、子どもに「自ら稼ぐ力」をつけさせることが親にできることの一つかもしれませんね。大切と広く信じられているのは、親が子どもに施す教育です。
学歴と賃金の関係を公表している公的統計があります。厚生労働省が毎年実施・公表している「賃金構造基本統計調査」です。総じて言えば、性別を問わず学歴が高いほど、賃金が高いという結果が出ています。客観的に言えば、高学歴ほど得られる賃金が多いということになりますが、ところで、教育にかかる費用についてはこの統計では言及されていません。
概して言えば学歴を得るためにはお金がかかります。日本政策金融公庫が毎年実施している「教育費負担の実態調査」が、高校卒業後に高等教育を受けさせる場合の高校入学からの教育費を公表しています。令和3年の調査結果は、私立大学に入学した場合、文系は951.6万円、理系は1083.4万円、国公立大学では743.0万円でした。また、在学中の教育費は世帯年収の約15%を占めるそうです。収入の2割を貯蓄すると考えれば、加えてかかる15%は決して小さいとは言えない割合でしょう。
次に子どもの進路を選択するにあたっては、卒業後どうしたいかを考慮すると思います。子どもと進路を話し合うにあたり、世の中に存在している職業についても親子で認識を持ってみてはいかがでしょうか。
「職業」を知るという意味では、「日本標準職業分類」を参考にするとよいでしょう。総務省のホームページで確認できます。大分類は12種類に区分されています。「大分類B-専門的・技術的職業従事者」をブレークダウンしてみましょう。研究者も教員も音楽家も医師も一つの大分類に区分されています。12種類の大分類は74の中分類に分けられています。中分類の下にはそれぞれに小分類というカテゴリーがあります。世の中には「職業」が非常にたくさんあるのです。
「賃金構造基本統計調査」は職種別の給与についても調査結果を公表しています。たとえば令和3年調査の場合、医師(女性、規模1000人以上)では平均年齢36.1歳、きまって支給する現金給与額64万6500円、年間賞与その他特別給与額85万3300円、保育士(女性、規模1000人以上)は平均年齢36.6歳、きまって支給する現金給与額27万2300円、年間賞与その他特別給与額57万3000円……、といった具合です。
億万長者の四つの性質
さらに、職種とは別に収入が高い人、つまり「稼げる人」に備わっている性質があると私は思います。その性質を挙げたいと思います。
1)常に勉強している
どんな知識や技術も、いつか陳腐化します。加えて近年は、あらゆるものの変化が激しいです。知らないことで稼ぐことはできません。ですから稼げる人は常に新しいものを自分にインプットしています。だからこそ稼ぐための情報に敏感でいられますし、アイディアが浮かぶのです。
2)時間の使い方が上手
稼げる人は時間の使い方が上手です。1日は誰でも平等に24時間です。これを上手に使えるか使えないかで、出せる結果が変わります。また、稼げる人は自分が出した一つの結果を応用して、別の結果を出せます。それが時間を上手に使うことであり、稼げるようになるプロセスです。
3)健康に配慮している
何を差し置いても身体が資本です。時間を上手に使いたいからといって、睡眠時間を極端に削るとか、食事をおろそかにするような人は短期的に稼げるかもしれませんが、長期間は続きません。体のパーツは機械の部品のように容易に交換ができません。それを考慮した上で、息が長く稼げる体でいるための配慮を怠らないのです。
4)他人と違っていいと思っている
他の人たちと同じことをしていても稼げないことを稼げる人は知っています。ですから、人と比較して違うと感じることであっても、信念があることについては人と違っていていいと考えています。それは頑固であるのとは違います。他人のよさは認めつつ、自分は自分と思っていられる人が稼げる人です。
どれも全くできないことではないと思います。始めるのに遅いことはありませんから、今からでも着手してみてはいかがでしょうか?
副業、起業も選択肢
稼ぐ手段は職に就くことだけではありません。自分で起業して稼ぐという方法もあります。「いきなり起業はハードルが高い」と感じるようであれば、「副業」から始めてみてはいかがでしょうか?「副業」を容認する企業も少しずつ増えてきました。経団連が2020年に実施した調査によると、副業・兼業を認めている企業は22%です。
副業の最も大きなメリットは、収入が増えることです。本業で収入が減ったり、何らかのトラブルで給与が受け取れなかったりする場合のリスクマネジメントになりますし、収入の増加はお金を口座に入金する「入金力」を高めることにもつながります。さらには、副業で未経験の分野に挑戦し、新たな資格を取得したり、スキルを習得できる機会にもなるでしょう。ひいては「起業」につながる可能性もあります。
“複業”という言葉もあります。私もどれか一つの事業というわけではなく、セグメントで三つ、細かく分けると10ほどの事業に取り組んでいます。インベストメント事業部、これは太陽光発電や不動産、そしてメインの株式投資によるものです。次にメディア事業部、これはブログやYou Tube、広告、セミナー、メルマガなども入ります。最後にサブスクリプション事業部、これは会員サービス事業です。
可能性を模索しつつ、新しいことに挑戦し続ける。そうすることでいつでも事業の新陳代謝ができますし、人脈も広がります。人生二度なしとはこういうことで、自分の興味関心に寄り添い、豊かな毎日を実現、互恵的に提供していくことが持続可能な事業モデルであると確信しています。そうです。私たちの人生はいつでも「楽しいことはおかわり自由」なのです。