投資家よ、貪欲になれ!ベテラン2億円投資家の投資ルール「落ちている小銭は拾っていく」節操のなさも投資の本質

バーテンダー、予備校講師、サラリーマンと多彩な職歴を歩むかたわら、IPO(新規公開株)で瞬く間に2億円近くまでの資産を形成したJACKさん。
全3回にわたって送るインタビューの第1回。今回は「落ちている小銭は拾っていく性分」だというJACKさんに、資産を増やすための考え方などを伺った。
目次
毎月魔法のように分配金が入ってきた
――JACKさんが投資を始められたきっかけと、初めて買った運用商品を教えてください。
私の親も株式投資をしていたので自然に興味を持つようになりました。それほどの規模ではなかったと思いますが、あの頃は投資家の家に証券会社の担当者が来ていて、日常的にそんな風景に親しんでいましたね。
初めて買ったのは、あのバブルの象徴でもあったNTT株です。買ったといっても親が私の口座でも申し込んでいたというのが実際のところで、私は当時18歳か19歳だったかと思います。でもそれがうまくいって、300万円ほどの種銭ができました。
――親御さんの影響とはいえ、順調なスタートでしたね。
有難いですよね。そこまで株に興味があったわけではないものの、証券会社から言われるがままに株や投資信託を買っていたら利益が出ていました。しかし、おそらく今なら買わないような銘柄や商品も買っていたと思います。買付手数料も高かったのではないかと思います。
ソブリン(※)のようなものを購入していましたが、毎月魔法のように分配金が入ってくるので、投資に対して「こんなもんなのかな」と思っていました。今ならタコ足配当なんて言われている投信ですよね。すごく儲かった印象はなく、さりとて大損もせず、というのが当時の投資成績でした。
金利が高かった時代なので、郵便貯金でも5%の利回りが出ていました。それは元本が保証されていますし、良かったかもしれないと後から思いました。
※グローバル・ソブリン・オープン。毎月分配型投資信託の代表的な銘柄として人気を博した。
今は「2億円しかない」状況
――JACKさんの投資歴は何年くらいになられますか?
今は50歳を超えていますので、30年以上になりますね。その間に1回だけ数年間、家族の事情で積極的に投資と向き合えない時期がありました。しかし、逆に放ったらかしで利益になる運用ができていたことで、投資の魅力を強く感じたエピソードにもなりました。
――自分の代わりに「お金が働く」というのは、投資の醍醐味ですよね。
これから投資を始める方の多くは、そこに魅力を感じておられると思います。実際にこういう仕組みを作ってしまうと人生に大きなプラスになるので、自分だけでなくお金にも働いてもらう感覚を知ってほしいなと思います。
――差支えがなければ、今の資産規模を教えていただけますか?
今はピーク時の規模ではないので、2億しかない状況ですね。
――2億「しか」という表現が実に投資家さんらしいですね。2億円は個人の資産規模として大きいと思います。
昭和の時代は「年収1,000万円あれば上出来」なんて言われていましたが、今は違います。3億という時期もあったので、その頃は「見える風景が変わるの?」とよく聞かれました。
ところが、実際には特に変わることはなく、人生を豊かにするためにお金をしっかり使ってきました。今の2億というのも、リーマン・ショック(2008年)や、コロナ・ショック(2020年)が起きても「相場から退場しない」規模感なので、それを維持しつつ投資を楽しんでいる感じですね。
仕事を「いつでも辞められる切符を持っているというのは安心感」
――JACKさんはサラリーマンやバーテンダー、予備校講師など多彩な経歴をお持ちです。現在は専業の投資家として活動されているのですか?