「オルカンかS&P500か」と悩んでいる人に元TBSアナが知ってほしい“第3の選択肢”とは

元TBSアナで、現在は資産運用にまつわる情報番組のMCとして活躍する国山ハセン氏。そんな国山氏は、「自分は金融の専門家ではない」としながらも、メディアでの仕事などを通じて“お金のプロ”のやり方を学び、資産形成のノウハウを蓄積してきた。そんな国山氏が、「どうしても紹介したい」という選択肢について紹介する。全3回中の1回目。
※本稿は国山ハセン『投資初心者の僕がプロたちから学んだ、正しいお金の増やし方』(徳間書店)から抜粋、再構成したものです。
第2回:伝説のエンジニアから学んだ個別株の未来の見抜き方とは……元TBSアナが実践する「推し活投資」の本質
第3回:「莫大な利益」と「爆発的な人気」の予兆をどうやって感じるのか?元TBSアナが語る“誰でもできるシンプルな方法”とは
目次
「オルカンとS&P500以外」の選択肢
インデックス投資の王道といえば「オルカンかS&P500」です。これからもアメリカ経済が世界を牽引すると信じるなら、S&P500。アメリカ以外の成長も取り込み、メンタルを安定させて長期保有したいなら、オルカン。それが多くの人にとっての模範解答です。
しかし、“投資家・国山ハセン”として、どうしても紹介したい選択肢があります。僕が実際にメインで投資している、ちょっと刺激のあるインデックスファンドです。
どうせリスクを取って資産を投じるなら、もっと夢を見たい。もっとワクワクしたい。安定した平均点よりも、尖った才能に賭けてみたい。僕にとってその「おもしろみ」こそが投資の醍醐味の1つなのです。
そんな僕のわがままな欲望を真正面から受け止めてくれるのが、FANG+(ファングプラス)のインデックスファンドです。
FANG+とは、アメリカの「未来を創るドリームチーム」とも言うべき、わずか10社の巨大テック企業で構成される株価指数です。
AppleやGoogle、Meta(旧Facebook)、Amazon、といったおなじみの顔ぶれにくわえ、NVIDIA(エヌビディア)のような最先端の企業が名を連ねます。四半期ごとに銘柄の入れ替えが行われ、常に最先端の顔ぶれが保たれる仕組みになっています。最近ではTeslaが抜けてBroadcom(ブロードコム)が入るなど、そのときどきのトレンドによって構成銘柄が変わるのもまたおもしろい。
この選ばれた10社に集中的に投資する──。これほどロマンのある話がほかにあるでしょうか。いや、ありません。
FANG+が持つ「賢すぎる仕組み」
「S&P500ですらリスクが高いと言う専門家がいるのに、たった10社に絞るなんて大丈夫?」
そう思われるかもしれません。たしかにほかのインデックスファンドに比べてリスクは高い。でも、“絞る”という行為には、そもそもリスクとリターンのトレードオフがつきものです。
カジノのルーレットだって、赤か黒に賭けるより、数字を絞って賭けたほうが当たったときのリターンは跳ね上がる。投資でも同じで、より高い成長性を求めるなら、対象をある程度“厳選して絞り込む”という姿勢が必要になります。
夢を見たい。大きなリターンを狙いたい。その覚悟を持った人にとって、FANG+は十分に選択肢になり得るのです。
僕がFANG+に惹かれるのは、そのリターンの高さだけではありません。実は、その「賢すぎる仕組み」に惚れ込んでいるのです。
FANG+という株価指数は、選ばれた10社を均等に組み入れる(各10%ずつ)というルールで構成されています。つまり、このFANG+指数に連動するインデックスファンドに投資することで、10社への均等な分散投資が実現します。そして、運用ファンド側が、定期的に構成比率を調整する仕組みになっています。
たとえば、NVIDIAの株価が爆上がりして、指数内での割合が15%になったとします。すると、リバランス時に値上がりしたNVIDIAの比率を下げ、そのぶん相対的に割安になった他の銘柄の比率を上げて、再び全社10%均等に戻してくれるのです。
私たち個人投資家には至難の業である「安く買って、高く売る」という理想的な投資を自動で実行してくれる、ということです。
安定や平均点を求めるなら、オルカンやS&P500が最適解です。
でも、もし僕と同じように、アメリカのテクノロジーの未来を信じ、リスクを取ってでも大きなリターンを狙いたい、そして何より投資に「ロマン」を求めたいのであれば、僕は声を大にして「FANG+」を推します。
S&P500も中心はFANG+の10社
専門家の中には、こんな指摘をする人がいます。
「もしS&P500(約500銘柄)からFANG+の10社を外したら、そのパフォーマンスは日本のTOPIXと大きく変わらない」と。
言い換えれば、私たちが“強いアメリカ経済”の象徴として見ているS&P500の成長は、その中心にいるわずか10社によって大きく押し上げられている、ということです。
この10社こそがS&P500のエンジンであり、世界経済の牽引役でもある。その事実だけでも、FANG+という指数がどれだけ特異で、どれだけ強烈な存在なのかが伝わるはずです。
FANG+の魅力については、僕の“投資の師匠”からも裏付けてもらいました。その師匠とは中島聡さん。中島さんは元Microsoftの伝説的エンジニアです。Microsoftのアメリカ本社で「Windowsに右クリックを実装した人」、そして「Internet Explorer(IE)の生みの親のひとり」として、ITの歴史にその名を刻んでいる方です。
今もシアトルを拠点に、テクノロジー業界の最前線で活躍している。そして、中島さんはエンジニアや起業家としてだけでなく、投資家としても大きな成果をあげています。つまり、「テクノロジーの本質を理解したうえで、それがどう市場価値に変わるか」を誰よりも肌で知っている人物です。
その中島さんが注目している銘柄を聞いたとき、驚きました。その多くが、まさにFANG+の構成メンバーと重なっていたんです。
テクノロジー業界を内側から見てきた人物が、投資対象としても同じ企業群に注目している──。これは偶然ではありません。FANG+の企業群が、技術的な革新性と市場での成長性、その両方を兼ね備えている証拠だと、僕は確信しました。
必要とされ続けるFANG+の企業群
僕のような「FANG+推し」、すなわちFANG+への投資比率をあえて高める戦略について、「リスクが高い」との声があることは重々承知しています。2000年代初頭にはアメリカでITバブルが崩壊し、多くのIT企業の株価が暴落しました。今、同じようなバブル崩壊が起きれば、「FANG+推し」の投資家は甚大なダメージを負うことになります。
とうぜん、僕も大やけどを負うでしょう。しかし、僕は心配していません。もしFANG+が致命的な打撃を受ける事態になったとしたら、そのときはオルカンもS&P500も無事では済まないからです。おそらく世界経済そのものが深刻な危機に瀕するでしょう。FANG+を構成する10社は世界経済全体の中核です。この中心地が大暴落するとき、世界経済が無傷でいられるはずがありません。
そもそも、私たちはFANG+を構成する10社の製品やサービスなしで、現代社会を生きることができるでしょうか。スマートフォン(Apple)もネット検索(Google)も、ネットショッピング(Amazon)もSNS(Meta)も、AIを支える半導体(NVIDIA)も。これらが私たちの日常から失われたとしたら、社会はたちまち機能不全に陥ります。
そう、もう私たちは彼らのサービスなしでは生きていけません。どっぷり依存してしまっているのです。だからこそ、たとえ何らかの危機でこれらの企業の株価が一時的に大暴落しても、その価値がゼロになることは考えにくい。ITバブル崩壊で消えていった企業の多くは、実態のないビジネスモデルでした。
しかし今のFANG+の企業群は、すでに社会インフラとして組み込まれている。社会が存続するかぎり、必要とされ続ける。だから株価もいずれ戻ってくる。
僕はそう信じています。
そう考えると、本当に恐れるべきは株価の一時的な下落ではなく、狼狽売りです。含み損の段階で手放してしまえば、損失は確定してしまいます。
しかし、含み損はあくまで含み損。これらの企業の本質的価値が変わらないかぎり、株価が戻るまでじっと耐えることができれば、長期的には報われる可能性が高い。この「社会インフラとしての不可欠性」こそが、僕がFANG+に思い切って賭ける理由なのです。
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