理論株価と実際の株価が乖離・・・株価最高値更新、資産3億円超のエンジニア投資家が見る「次の狙い目」

本稿で紹介している個別銘柄:キオクシアホールディングス(285A)
2026年は、年始から米国によるベネズエラ攻撃やイラン攻撃、衆院選での自民党の歴史的大勝など例年とは異なる動きが見られています。
投資歴20年以上、資産3億円超のエンジニア投資家・はっしゃんさんは、こうした激動をどのように捉えているのでしょうか。
高市早苗政権の目玉政策である食料品の2年間消費税ゼロ化が個別銘柄に与える影響、日銀の追加利上げへの備え、さらには高市首相が掲げる「17の戦略分野」におけるセクター別の明暗まで、理論株価をふまえて分析してもらいました。インタビュー連載全2回の第1回。
目次
高市自民の勝利で次にマーケットが動くのはいつ?
ーー高市首相が率いる自民党が衆院選で圧勝しました。率直な感想をお聞かせください。
投資系の間では同じような予測がなされていたため、驚きはありませんでした。私もアンケートを取るなどして動向を見ていましたが、9割方は「自民が大勝するだろう」という見立てで、まさにその通りになったという印象です。
ただ、内容を詳しく見れば野党が自滅したという側面が強いのではないでしょうか。経済的に見れば、与党が勝ったほうが政権は安定するので、マーケットにはプラス要因が大きいと考えています。
ーーこの結果がマーケットに対してプラスに働くのは、具体的にどのような点だとお考えですか?
これまでは与野党が綱引きをして物事が決まらなかったり、妥協のために予算をどんどん膨らませて無駄な配分になっていたりしたのが実態だったと思います。いろいろな政策を繕って大きくなるよりも、政権基盤が固まって方向性が定まった方が、政策運営はスマートになります。
実際、投開票の直後から株価も上がりましたし、円安を織り込んでいたのが、むしろ一時的に円高に振れたことを考えても、現状では想定通りの妥当な動きと言えるでしょう。
ーー高市首相の公約にあった「2年間限定の食料品消費税ゼロ」については、マーケットにどのような影響を与えると思いますか?
今のところ、そこまで大きな影響はないと感じています。一部、イオンやトライアルといった個別銘柄には多少の流れが来ましたが、食品株全体が底上げされるような強い動きには至っていないのが現状です。


当初と比べると円高方向に振れる動きもありましたし、実現性も含めて冷静に見守っている段階のように見えます。実際に来期の業績に織り込むほどのスピード感でもなさそうです。
おそらく夏ぐらいに具体的な案が出てきて、実現の確度が高まってから動き出すという時間軸ではないでしょうか。次の決算でいきなり業績を上方修正するような段階ではないため、今のところはマーケットの大きな流れにはなっていないように思います。
次の利上げはサプライズ?織り込み済み?
ーー日銀の追加利上げも意識されています。このあたりの動きはどう予測されていますか?
春闘の時期ですので、賃上げの状況を確認してから利上げという流れが既定路線でしょう。少なくとも、次はもう一回利上げがあるのではないかと見ています。
株式市場は、これを好感して日経平均株価も6万円を試す展開になっていますが、トランプ大統領の相互関税がリプレースされた件や対米巨額投資の件を含めて、日米関係の調整にも注意が必要です。
ーー春闘での賃上げについて、大企業は進んでも中小企業への波及には差があるという指摘もあります。投資家はこの格差をどう捉えていますか?
そこもおおむね予定通りで、まずは春闘で大企業が上げ、中小企業は半年ほど遅れて最低賃金の改定などを通じて上がっていくサイクルだと捉えています。
人手不足などの背景もあって、大企業も中小も両方上げていかざるを得ない状況だと考えています。そのタイムラグがある間に、経営者側がどう努力して利益を確保し、賃上げに対応していくか。今はまさに、そうしたインフレサイクルの中にいるのです。
ーーこの日経平均株価の上昇は、海外勢から買われていると見ていますか?
個人も海外も両方買っていると思いますが、海外投資家は時価総額が大きめの人気セクターに入っていく傾向があります。今は非常に物色が偏っているので、個人投資家もそうした勢いのあるところを狙っている状況でしょう。
私は長期投資家なので、あまりそういった短期的な波には乗りませんが、今の上昇トレンドに乗りたいという人は銘柄を絞り込む際にAIを活用することをオススメします。AIは人気どころはすぐに見つけ出してくれるので、流行りのテーマをうまく捉えれば、それなりに利益を出せる局面ではないでしょうか。
ーー長期投資スタイルであっても、AIを使って人気銘柄をチェックしていますか?
基本的には常にウォッチしています。決算書から計算した理論株価と、AIで抽出したデータ、『会社四季報』(東洋経済新報社)の人気銘柄などを照らし合わせているので、今どこに資金が流れてきているのか、その潮流は常時追いかけています。