今は軍事リスクを背景としたリスクオフ・・・元手100万円→数千万円にした短期売買強者が教える注目セクターとポートフォリオ

100万円の元手が数千万円に。しかし、執着した1つの銘柄で3000万円を失う―。
急騰・急落を経験しながらも堅実に資金を増やし、短期売買の強者となった村居孝美さん。
そんなトレーダー歴が長い彼でさえ、「今は、稼ぐこと以上に生き残ることが最優先」と言います。
軍事リスクが高まる緊急事態で何を注視し、どの指標を順番にチェックしているのか。資産を守り抜くための道を語っていただきました。インタビュー連載全2回の第1回。
目次
地政学リスクが招く「スタグフレーション」の足音
ーー今の相場で感じていることを率直に語ってください。
現在の相場は、一言で言えば軍事リスクを背景としたリスクオフの状態です。イラン情勢を巡る緊迫化が続いており、単なる地政学リスクというよりも、より直接的な軍事リスクとして市場は捉えています。
ーー長引くかどうかは不透明ですが、今後どのような影響が出てくるとお考えですか?
影響はかなり大きく、今よりも少し後になってから本格的に顕在化してくるのではないかと危惧しています。
懸念しているのは、インフレと景気後退が同時進行するスタグフレーションの到来です。最悪のシナリオとしては、円の価値が歴史的安値を更新し、165円程度まで円安が進む可能性も視野に入れています。
また、原油高が同時に進むとなると大変な事態です。ガソリン代の上昇を含め、生活への打撃は相当なものになるでしょう。
トランプ米大統領から「決着している」といった趣旨の発言が出るたびにドル売りが入るものの、イランの強硬姿勢による反発がそれを打ち消す展開が続いています。
160円に近づくと日銀の介入警戒感で上値が重い展開となりますが、それでもドル高バイアスの強さを感じます。
ーーこうしたイラン情勢などの有事の際、村居さんはどのような順番で指標をチェックされますか?
まず原油価格と米国10年債利回りを確認し、その後ドル円を見ます。それから日経平均やTOPIXといった指数に移り、最後にセクター別で半導体やエネルギー関連株をチェックしていくのが私のルーティンです。
米国株の動向と日経平均への波及
ーー3月頭の急落は「暴落」と見ていますか?
まだ暴落とまでは言えませんが、現在はS&P500やダウが下げている局面です。これらの米国指数の動向次第では、日経平均の先行きもさらに不透明になってくるでしょう。まずは米国市場が先行して下げ、その後に日本市場がどう反応するかを注視する必要があります。
今、絶対にチェックしておくべきセクター
ーーこのような情勢下で、投資家が必ずチェックしておくべき指標やセクターは何ですか?
もしも、今「買い」を検討するのであれば、ドル円や原油、そしてエネルギー関連の資産です。個別株であればエネルギーセクターに注目すべきでしょう。
通常、リスクオフの局面では金利が上昇し、インフレ圧力が強まることで株安を招きます。特に非エネルギーセクターの銘柄は売られやすくなりますが、逆に原油高の恩恵を受けるエネルギー関連は買われる傾向にあります。
私自身、ドル円の押し目買いだけでなく、原油のCFDでも押し目を狙っています。
ーー原油はボラティリティが非常に激しい印象がありますが、リスクについてはどうコントロールしていますか?
むやみに突っ込むことはしません。ここ数日のように動きが不安定な時は静観していますが、それまでのように上昇トレンドが明確な局面では、徹底して押し目買いを継続していました。特に3月2日などは強い動きを見せていたので、しっかり利益を乗せることができました。
その時々のマーケットの状況によって、資金が流れやすく、上がりやすい銘柄は刻々と変わります。今回の原油のように「これ一択」という分かりやすいサインが出ているものを見極めることが重要です。ただ、今の相場は全体としてボラティリティが高く、決して初心者にとって易しい環境ではないことは肝に銘じておくべきでしょう。