金魚、愚痴、ペットロス、自分の体験がお金になる!「普通の人」でも稼げる副業術

ChatGPTが公開されてから2年あまり。生成AIは今や、ビジネスパーソンの日常に深く入り込んだ。仕事が楽になった反面、「このままでは仕事を奪われるのでは」という不安を抱える人も増えている。給料が上がる見込みは薄く、副業への関心は高まるばかりだ。
「AIで仕事を奪われると騒がれている裏には、AIで仕事を奪っている人がいる」
書籍『AI副業の教科書』が10万部を超えるあべむつきさんはこう語る。
スキルも実績も、特別な才能も必要ない。AIが「価値」を作れるようになった今、普通の人が副業で稼ぐ時代が始まっている。最初の一歩の踏み出し方とは。連載全3回の第2回。
目次
自分の日常や経験を素材にしている
どんな人が副業で稼いでいるのか。私のチャンネルでは副業で結果を出した人にインタビューして動画に出てもらっていますが、登場するのは特別なスキルを持つ専門家ではありません。ごく普通の人たちが、自分の日常や経験を素材にして稼いでいます。
一つ目は「AI金魚」というYouTubeチャンネルです。趣味で金魚を飼っているこの方は、もともと自分の声で動画を撮影していましたが、滑舌が悪くてなかなか再生数が伸びなかった。そこでAI音声に切り替えたところ、チャンネルが伸び始めました。動画の構成もすべてAIに任せているわけではなく、金魚の水換えのやり方など本当に大切な部分は自分で撮影し、前置きや補足的な映像にAIを活用しています。このハイブリッドな使い方が功を奏し、現在は月1.5万円ほどを安定して稼いでいます。
二つ目は、旦那への日常的な愚痴をAIに語りかけて動画化し、YouTubeに投稿しているケースです。特別な機材も編集技術も必要ない。愚痴という極めて個人的な感情が、共感を呼ぶコンテンツになっています。
三つ目は、亡くなった愛犬との経験をAIで漫画化してInstagramに投稿した方の事例です。漫画を描くスキルはまったくありませんでしたが、AIを使って制作し、現在はフォロワーが4.2万人に達しています。さらにそこから派生して、ペットロスで悲しんでいるフォロワーから生前の写真や動画を提供してもらい、思い出の動画を3000円で制作するという自分の商品も生まれました。
三つの事例に共通しているのは、特別な才能ではなく自分の人生の経験が素材になっているという点です。趣味、日常の感情、悲しみの体験ーーいずれも、その人にしか語れない内容です。AIはその素材を形にするための道具として機能しています。
なぜ「儲かりそう」で選ぶと失敗するのか
では、自分の体験に根ざしたジャンル選びが、なぜそれほど重要なのか。逆のパターンを見ると理由がよくわかります。副業を始めようとする人が最初にやりがちな失敗が、「儲かりそう」という理由だけでジャンルを選ぶことです。ビジネス感覚が優れていたり、SNS運用に慣れていたりすればそれでも結果を出せるかもしれませんが、初心者がいきなり自分の知らないジャンルに飛び込んでも、だいたいうまくいきません。
理由はシンプルで、自分が深く知らない領域では、発信する内容に厚みが出ないからです。自分が通ってきたジャンルであれば、過去の自分が分からなかったことや、手が届かなかった部分が自然と発信のネタになります。ターゲットは世間一般ではなく、過去の自分や自分に近い境遇の人。そこを意識するだけで、発信の内容は大きく変わります。
ジャンルを決めるときに活用してほしいのが、私の著書に掲載している「アナウムプロンプト」です。AIに自分の経歴や得意なこと、これまでの経験を詳しく自己紹介し、どんなジャンルで発信するのが向いているかを相談します。本来は信頼できる人間に相談するのが一番ですが、そういった相手がいない場合でもAIが代わりに整理を手伝ってくれます。AIには言いやすいこと、打ち明けやすいこともあるので、意外と自分でも気づいていなかった得意分野が見えてくることがあります。
一点、注意してほしいのがライバルの存在です。参入しようとしているジャンルにすでにうまくいっている人がいないケースは、「穴場を見つけた」というより「需要がない」可能性の方が高い。先行者のいないジャンルを初心者が一から開拓していくのは難しいですし、遠回りになります。まずはすでにうまくいっている人がそこそこいるジャンルで経験を積んで、慣れてきてから新しい領域を開拓していくのが現実的です。